3段階のフォワード
- デモ/ペーパー:シグナル、時刻、注文方向、決済が仕様どおりか確認する。
- 少額:実スプレッド、滑り、拒否、スワップ、心理によるルール逸脱を確認する。
- 通常配分:事前に決めたリスクまで段階的に上げ、継続監視する。
低頻度戦略は数週間で十分な件数が集まりません。期間だけで区切らず、必要件数と主要市場局面を事前に決めます。それでも未来が過去と同じ母集団とは保証されません。
何を記録するか
- 仮説ID、ルール版、コード版、データ提供元。
- シグナル時刻(サーバー時刻/JST)、注文時刻、約定時刻。
- 想定価格、実約定価格、スプレッド、滑り、手数料。
- 想定ポジションと実ポジション、損益差の理由。
- ルールどおりか、人が介入したか。
- バックテストの期待範囲と実績の差。
損益だけでは、シグナルが弱くなったのか、約定が悪化したのか、実装が違うのか分かりません。各段階を分けて記録します。
停止基準を先に決める
停止基準は運用開始前に決めます。結果を見てから広げると、損失へ合わせてゴールを動かすことになります。
- 実損益が事前に定めた信頼区間の外へ一定期間出る。
- 最大DDがストレス想定を超える。
- 平均取引損益がコストを安全に上回らなくなる。
- 滑り・スプレッド・約定拒否が想定上限を超える。
- シグナル時刻や注文がバックテスト仕様と一致しない。
- データ欠損、タイムゾーン、ブローカー仕様変更が見つかる。
直近の損失へ条件を合わせると、ライブデータを新しい学習期間に変えてしまいます。変更案を試すなら別仮説・別試行としてNへ加算し、検証工程を最初から通します。
停止後の診断順
- データ:欠損、タイムゾーン、価格配信、日足境界。
- 実装:先読み、シグナル、注文、決済、ロット計算。
- 執行:スプレッド、滑り、遅延、拒否、契約仕様。
- ルール遵守:見送り、早い利確、損切り移動、人の介入。
- 市場構造:ボラ、参加者、規制、金利、相関の変化。
原因が直せる技術的不一致なら修正後に再確認します。市場構造の変化で仮説が支持されなくなった場合は、戦略を休止・終了します。
よくある間違い
連敗だけで即廃止する
想定分布内の連敗かもしれません。事前基準と件数で判断します。
損失が出るたび停止基準を広げる
基準が機能しなくなります。変更は新しい判断として記録します。
ペーパー成績だけで約定を確認したつもりになる
実スプレッド、滑り、心理介入は少額運用で初めて観測できます。
実戦課題
運用前チェックシートを作ります。デモ合格条件、少額合格条件、通常配分、停止条件、停止後の診断順を1枚へ書きます。数字はバックテストの95%CI、モンテカルロDD、ストレスコストから決めます。
チェックリスト
- デモ→少額→通常配分の順を守る
- 損益だけでなくシグナル・約定・コストを記録する
- 停止基準を運用前に固定した
- 停止を診断のための一時停止として扱う
- 再調整は別仮説・別試行としてNへ加算する
ミニテスト
4問で確認します。
Q1. バックテスト後の正しい順番は?
実装と執行を段階的に確認します。
Q2. 停止基準を決める時点は?
結果に合わせて基準を動かさないためです。
Q3. 停止後に最初に確認するものは?
技術的不一致から順に切り分けます。
Q4. ライブ損失に合わせてパラメータを変える場合は?
ライブデータへの合わせ込みを防ぎます。