TL;DR
昨日の振り返り
- 11月3日のドル円は157.929円で始まり、158.767円まで上昇して158.680円で終了しました。米9月JOLTS求人件数752.3万件という強い結果を受け、米長期金利が上昇。円売りも重なって一日で約75銭のドル高・円安となりました。東京は文化の日で株式現物が休場でした。
- 豪準備銀行(RBA)は政策金利を25bp引き上げて4.85%としました。ただし投票は6対3で割れ、追加利上げへの明示的言及もなくなったため、豪ドルは発表後むしろ下落しました。重要なのは利上げという結果そのものより、先行きの政策金利経路です。
- 金現物は11月3日のNY市場で約3,927ドル、銀は49.69ドル、プラチナは1,421ドル近辺へ軟化。原油安がインフレ懸念を和らげても、米ドルと米国債利回りの上昇が無利息資産の重荷となりました。
今日の見通し
- 11月4日東京午前のドル円は158.74円前後で始まり、10時台には158.02円近辺まで反落。米中間選挙の開票動向と米金利の反応を優先し、158円・158.60円・158.77円・159円をシナリオの節目として監視します。価格は各社配信レートと時刻で異なります。
- Goldは11月4日9時24分JST時点のReuters配信で3,934.75ドル、Silverは49.67ドル、Platinumは1,422.15ドル。原油下落が利上げ期待を抑えれば支援材料ですが、米金利が再上昇すると上値は重くなり得ます。
- 今夜22時15分の米ADP民間雇用、翌5日0時のISM非製造業指数に注意します。米中間選挙の大勢が確定する前に方向を決め打ちせず、金利・ドル指数・原油・貴金属の同時変化を確認します。
市場の全体像:政策金利と選挙を挟んだ方向転換
事実:東京市場でドル円158円台前半に押し戻される
日本時間11月4日午前は、前日の米国で進んだ円安の反動が目立ちます。OANDA証券の11月4日7時33分公表レポートでは、前日の日足は始値157.929円、高値158.767円、安値157.751円、終値158.680円。値幅101.6pipsは同社の14日ATR83.9pipsを上回り、単なる小幅な持ち合いではありませんでした。一方、4日午前のみんかぶ配信では10時時点158.49円前後、フィスコの10時31分報道では一時158.02円へ下落。報道時刻が異なるため、これらを同じ時点の価格として比較してはいけません。
3日の米国では9月の求人件数が752.3万件となり、市場予想716.2万件を上回りました。米10年国債利回りはOANDAの集計で4.935%、米2年債利回りは4.608%へ上昇しました。求人の増加が直接ドル円を何銭押し上げたかを識別することはできませんが、利上げ期待・名目金利・金利差に着目した取引と方向が整合します。
分析:円安主導とドル高主導は分けて考える
ドル円の上昇を一律に「ドル全面高」と解釈すると、他の通貨ペアや金価格との整合を見失います。みんかぶのNY概況は3日終盤のドル円158.70円台への上昇について、ドル高よりも円安が目立ったと評価しています。ユーロ円・ポンド円・豪ドル円の同時上昇、ドル指数の方向、米国債利回りをセットで観察する必要があります。ドルだけが強い場面と円だけが弱い場面では、介入警戒や欧州通貨への波及が異なるからです。
米中間選挙の開票報道には未確定情報と出口調査が混在します。今朝の一部市場では民主党優勢観測で米国債利回りが低下し、ドルが売られましたが、現時点で議会全体の支配構成を確定扱いしません。選挙結果の見出しよりも、米10年債利回りと株式先物が反応を持続させるかが、東京午後からロンドン市場への引き継ぎを読む鍵です。

外国為替:東京・ロンドン・ニューヨークの値動き
事実:前日の東京は静か、ロンドンから円売り加速
11月3日は日本の文化の日でしたが、外国為替市場は海外で継続しました。OANDAの時間区分によれば、東京時間のドル円レンジは157.789〜157.951円と16.2pipsにとどまりました。みんかぶの東京概況も157円80銭台の小動きを伝えています。祝日で現物株式市場が休場となり、海外の重要イベント待ちが優勢でした。
ロンドン市場ではドル円が157円台後半から158円台前半へ上昇。OANDAの同時間区分では高値158.603円、終盤158.507円です。米・イラン協議の進展期待と現実の軍事的緊張が交錯し、原油・ドル・株式の組み合わせが短時間で変わりました。原油安が常にドル安になるわけではありません。供給不安後退がリスク選好を支える一方、米国の金融政策期待が金利経路を変えるからです。
ニューヨークではJOLTS公表後に一段高となり、158.767円の高値を付けました。終値158.680円は高値に近く、4日の東京では高値更新に失敗すると短期筋の利食いが出やすい地合いでした。実際に10時台に158.02円まで下押しした点は、前日からの上昇が無条件に続くわけではないことを示します。
分析:158円を境に「押し目」と「反転」を区別
短期の観測ラインは上から159.00円、158.77円、158.60円、158.00円、157.75円です。158.60円はOANDAが示す200日移動平均線158.592円近辺と一致し、単純な心理的節目ではありません。158円をいったん下回ってもすぐに回復し、米金利が下がらないなら押し目買いの説明がつきます。反対に158円の戻り売りが繰り返され、米利回りも低下するなら円安の勢いは後退したと判断します。
ただし、東京午前の薄い板で一時的に節目を割ったことを、日足トレンド転換と同一視しません。東京午前に大きな値幅が発生したため、ロンドン入りまでにATR・スプレッド・出来高代理指標を比較し、異常な価格変動と通常の押し目を分類することが重要です。節目の数値は予想的な売買判断の基準であり、約定を保証する価格ではありません。
ユーロ・豪ドル・中国人民元:アジア発の政策差
事実:RBAは4.85%に利上げしたが豪ドルは軟調
RBAは3日、政策金利を4.60%から4.85%へ引き上げました。3日の公式声明によると、インフレ見通しの上方修正には中東の燃料・商品価格、国内の需給逼迫、AI関連投資による需要が影響しています。一方で住宅価格の下落や失業率上昇、消費減速にも言及。Reutersによると政策委員の投票は6対3で、反対の3人は据え置きを支持しました。声明から「必要なら追加利上げ」の明示が消え、豪ドル米ドルは発表後約0.6977ドルまで下落しました。
豪ドルの値動きは、「利上げ=通貨高」という単純な図式への反例です。市場は利上げを事前に高確率で織り込んでおり、予想を下回るタカ派度合いに反応しました。またRBAの新しい金利目標4.85%は11月4日から適用されるため、決定日と実施日は区別します。
中国人民銀行は3日、金融機関の外貨預金準備率を11月15日から4%→6%へ引き上げると発表しました。Reutersは人民元の一方的な上昇圧力の緩和と外貨流動性の調整を狙う措置と説明しています。外貨準備率の引き上げは、人民元預金向け法定準備率の変更とは別物です。香港市場で取引されるオフショア人民元の反応と、中国本土のオンショア相場は分けて確認すべきです。
分析:AUD/USDは政策金利「水準」よりもサプライズに敏感
豪ドルの方向は、RBAが利上げを決めた事実より、次回会合での追加利上げ確率がどう変わるかによって決まりやすくなっています。豪ドル円ではAUD/USDの変化にドル円の円安・円高が重なるため、両者の積として考えないと「豪ドルが強いのか円が弱いのか」を取り違えます。香港・シンガポール市場では、人民元の流動性調整、米株先物、米ドル全般の動きが豪ドルやアジア通貨の需給に波及するかを観察します。
シンガポールのThe Business Timesは4日朝、米国株でAI関連大型株が反発した一方、アップル株は下落したと報じました。また同紙は同日、UOBの決算が市場予想を下回り株価が下落したと伝えています。これら個別株要因を直ちにSGDの方向と結び付けることはできませんが、アジア株のリスク選好が一様でないことを確認する材料です。
貴金属:Gold・Silver・Platinum
事実:前日は3資産とも下落、4日アジア朝に差が出る
Reutersの11月3日NY時間14時06分(米東部時間)時点では、金現物は3,927.18ドルで前日比約0.5%安。一時3,893.31ドルまで下落しました。銀は49.69ドルで1.9%安、プラチナは1,421.18ドルで1.9%安。NY金先物12月限は3,940.40ドルで取引を終えました。現物スポットと期近・12月限先物は銘柄と時点が異なるため、混同しません。
日本時間4日9時24分のReuters配信では金現物3,934.75ドル(前日の同じ表示より小幅上昇)、銀49.67ドル、プラチナ1,422.15ドルでした。銀は小安く、プラチナは小幅反発となり、貴金属が一律に動いたわけではありません。みんかぶ先物による4日10時06分の東京金先物2027年10月限は1グラム20,382円、前日比176円高。円建て金先物の上昇は、ドル建ての金先物が同じ時点でほぼ横ばいであっても、円安や限月差の影響で生じ得ます。
日本の店頭地金価格を示す田中貴金属の11月4日9時30分公表値は、税込小売1グラム当たり金22,248円(前営業日比+287円)、銀292.16円(同-0.55円)、プラチナ8,191円(同-130円)です。これらは店頭価格であり、現物スポットXAU/USD等の直接換算値でも、同一条件の取引可能な裁定価格でもありません。
分析:金は実質金利、銀とプラチナは景気にも反応
原油高は通常インフレ期待を押し上げますが、中央銀行が利上げを強めると金利を生まない金には逆風です。今回は「中東緊張で安全資産の金を買う」効果と、「原油高から金利上昇を連想して金を売る」効果が逆方向に働いています。原油の下落が金を支える局面でも、名目金利と期待インフレ率のどちらが大きく動いたかを確認しなければ、実質金利の変化を推定できません。
銀は投資需要と工業需要の二面性があり、米景気や株式市場への感応度が金より大きくなる局面があります。プラチナは自動車関連など産業用途の影響が相対的に強く、金に対する割安感だけで上昇を想定するのは危険です。3日に銀とプラチナが金より大幅に下落したことは、単純な安全資産需要では説明し切れません。今夜の米景気指標が強ければ米金利を介した逆風、弱ければ景気敏感需要への逆風と、複数の経路を想定します。

原油・米金利・米中間選挙:今日の変動要因
事実:原油は4週間ぶり安値圏、米雇用指標が続く
Reutersによると、11月3日終値の北海Brent原油先物は1バレル103.60ドル、WTIは96.09ドル。イラン・米国間の協議を巡る思惑と供給障害リスクが綱引きとなり、Brentはほぼ4週間ぶりの安値圏へ低下しました。4日早朝のReuters速報ではBrentが103.34ドル、WTIが95.56ドルとさらに軟化。国際エネルギー価格の変化は、米インフレ、豪州のRBA見通し、日本の輸入価格に時間差で影響します。
本日以降は米中間選挙開票と経済指標が重なります。主要予定は4日22時15分の10月ADP民間雇用、22時30分の9月米貿易収支、23時45分のサービス業PMI改定値、5日0時の10月ISM非製造業、同0時30分のEIA週間石油統計です(いずれもJST)。週末6日の米雇用統計も意識されます。指標がまだ発表されていない段階の予想値は、事実欄の実績として記載しません。
分析:ニュース見出しよりも金利の持続性が重要
選挙結果で財政・通商政策の見通しが変われば、株価・国債・ドルが同時に動きます。ただし、民主党の優勢とされる速報だけで将来の政策を確定させることはできません。短期はまず10年債利回りと2年債利回り、次にドル指数とドル円、その後Goldの反応を確認します。米株が下がっても金が上がらない場合、流動性確保や金利上昇の圧力が勝っている可能性があります。
原油下落と金上昇が併存するなら、インフレ・利上げ期待の後退という仮説を検証できます。一方、原油下落でも米金利とドル指数が上昇し、金が売られるなら、強い米景気指標の効果が優勢と考えます。単一指標の符号だけで判断せず、同時刻の変化率とニュースの時系列を突き合わせることが有用です。
定量分析の視点:イベント日を通常日から分離
事実:前日ドル円の値幅は通常のATRを上回った
OANDAによる前日レンジ101.6pipsと日足ATR83.9pipsを比較すると、当日の値幅はATRの約1.21倍でした。祝日・RBA利上げ・米雇用・米選挙というイベントが重なったため、通常日の東京時間の平均リターンや値幅と単純に比較することは適切ではありません。前日の東京レンジ16.2pipsに対し、ロンドンは75.1pips、NYは78.6pipsで、値幅の中心は欧米時間にありました。
分析:セッション別イベントダミーと金利変化を共変量にする
バックテストでは東京・ロンドン・NYのセッションダミー、米雇用指標発表後30分、米選挙開票中、RBA発表後60分、祝日、原油の直近1時間リターン、米10年債利回り変化を別々に記録します。Goldとドル円の相関だけを見ても、共通要因である米金利を見落とす恐れがあります。研究上はイベント前後のボラティリティ変化と、流動性が低下した時間帯のスプレッドを分けて評価します。
翌日へ持ち越さない短期戦略なら、発表前後の取引禁止時間とスリッページを保守的に設定し、ニュースが出る前の情報だけで予測量を構築します。同一ニュースが日付変更や記事配信の遅延で学習データに二重計上されることにも注意が必要です。FXと金属は市場・業者ごとに配信時間と価格定義が異なるため、日時をJSTで統一してもデータの完全な一致は保証されません。
本日のトレード戦略
外国為替の戦略
ドル円は158円付近の攻防を観察します。短期の上昇継続条件は158.60円近辺を回復し、158.77円の前日高値を維持して、米10年債利回りが同方向に上昇することです。上方向には159円台での利食い・介入警戒を想定します。158.00円を明確に割り込んで戻れず、米金利も低下するなら157.75円台への調整が代替シナリオです。選挙速報直後の大きなスプレッド拡大時は注文しない方針を優先します。
AUD/USDはRBAの追加利上げ期待が再び上昇するか確認します。利上げ決定直後の豪ドル安を無視して、金利水準だけでロングを構築しません。EUR/USDは1.12ドル台前半を中心に、ドル指数の方向と欧州のインフレ指標を照合します。どちらも前日高安や15分足ATRに基づいてロットを調整し、発表前の逆指値約定価格の滑りを計算に入れます。
貴金属の戦略
Goldは3,900ドル前後を心理的支持帯、3,940〜3,970ドルを当面の戻り売り検討帯として監視します。ただしこれは確定した需給帯ではなく、前日の安値3,893ドル台と最近のレンジから設定した作業仮説です。米10年債利回りが低下し、ドルも弱含む時に3,940ドルを超えて定着すれば反発継続、反対にドルと米金利が同時に上昇して3,900ドルを割れば下落再開を警戒します。
Silverは50ドル前後の回復・失敗、Platinumは1,420ドル近辺からの自律反発の持続性を見ます。どちらもGoldより工業需要の影響が大きい可能性があり、金との価格比だけで売買を決めません。複数金属に同じ方向のポジションを持つ場合は、想定損失を合算して同一の米金利ショックに対する実質的な集中リスクを管理します。
引用文献
- OANDA証券・ドル円見通し(2026年11月4日)
- みんかぶ FX・本日の見通し(2026年11月4日)
- みんかぶ・外為サマリー 東京午前(2026年11月4日)
- 株探/フィスコ・東京為替 158円付近(2026年11月4日)
- みんかぶ FX・NY為替概況(2026年11月4日)
- みんかぶ FX・ロンドン為替概況(2026年11月3日)
- みんかぶ FX・東京為替概況(2026年11月3日)
- 豪州準備銀行・金融政策声明(2026年11月3日)
- Reuters・豪州準備銀行の利上げと分裂投票(2026年11月3日)
- Reuters・中国の外貨預金準備率引き上げ(2026年11月3日)
- Reuters・NY金・銀・プラチナ市況(2026年11月3日)
- Reuters・アジア朝の金・銀・プラチナ市況(2026年11月4日)
- みんかぶ FX・東京金先物市況(2026年11月4日)
- 田中貴金属・金銀プラチナ地金価格(2026年11月4日)
- The Business Times・米イラン情勢と金相場(2026年11月4日)
- The Business Times・米国株とAI関連銘柄(2026年11月4日)
- The Business Times・UOB業績とシンガポール株(2026年11月4日)
- Reuters・原油と中東外交(2026年11月4日)
- みんかぶ先物・経済指標予定(2026年11月2日)
免責事項: 本レポートに含まれる情報は、情報提供のみを目的としており、投資助言を意図するものではありません。実際の取引においては、ご自身のリスク許容度に合わせて判断を行ってください。


コメント