デイリーピボットとは
ピボット(Pivot)は「軸」「旋回点」という意味です。まず前日の高値 H、安値 L、終値 Cの平均から中心線Pを作り、 前日の値幅を使って上側のR(Resistance)と下側のS(Support)を計算します。計算した線は当日のあいだ固定され、翌日になると更新されます。
- P:当日の中心となる基準候補
- R1・R2・R3:Pより上の抵抗候補
- S1・S2・S3:Pより下の支持候補
過去チャートを見ながら都合よく引く水平線と違い、当日が始まる前に位置が確定します。 この事前に決まり、後から動かない性質が、記録や検証に向いています。
クラシック・ピボットの計算式
このサイトでは最も一般的なクラシック方式を扱います。H・L・Cはすべて前日の値です。
P=Pivot、R=Resistance、S=Support。すべて前日のH・L・Cから計算します。
Fibonacci、Camarilla、Woodieなど別方式もあり、同じR1という名前でも値は一致しません。 チャートソフトの設定で計算方式を確認し、途中で混ぜないでください。線を増やすほど、どこかに当たったように見える問題も起きます。
ドル円の計算例
前日のドル円が、高値160.000円、安値158.500円、終値159.400円だったとします。
P・R・Sをどう読むか
- Pより上で推移:当日が前日の中心より強い側にいる、という状態の説明。買いサインではありません。
- R1やR2へ到達:利益確定や新規売りが出る可能性を観察する場所。強い上昇なら、そのまま通過します。
- S1やS2へ到達:買い戻しや新規買いが出る可能性を観察する場所。強い下落なら支持にはなりません。
- 他の根拠と重なる:前日高安、週足の高安、過去の水平帯、キリ番などと近いときは、多くの参加者が注目する候補になります。
「Rだから売る、Sだから買う」と決めるのではなく、価格が近づく前にシナリオを用意します。 反発を狙うなら反発を確認してから、抜けを狙うなら終値や押し戻しを確認してから判断します。
FXでは日足の区切りに注意
FXは取引所に一つの公式終値がある市場ではありません。FX会社やチャートのサーバー時刻によって「前日」の区切りが異なり、 H・L・Cが少し変わればピボットも変わります。ニューヨーククローズ基準、0時基準、短い日曜足を含むチャートなどで差が出ます。
使う配信元、タイムゾーン、夏時間、日曜足の扱いを固定してください。 検証と本番で別のチャートを使うと、同じ「デイリーピボット」でも別ルールになります。
使い方の注意
タッチした瞬間に逆張りする
ピボットは注文を出す理由ではなく観察場所です。指標発表や強いトレンドでは、R3やS3まで止まらず進むこともあります。
7本すべてを同じ強さで見る
線が多いと後付け解釈が増えます。自分が使う水準を事前に決め、不要な線は消します。
当たった日だけ覚える
反発した例だけでなく、通過した例も数えてください。検証するなら到達前にルールを固定し、全タッチ、取引コスト、時間帯、到達方向を記録します。
チェックリスト
- P・R1〜R3・S1〜S3を前日のH・L・Cから計算できる
- 使用する計算方式と日足の区切りを固定した
- ピボットを単独の売買サインにしていない
- タッチだけでなく、通過した事例も記録する
ミニテスト
Q1. クラシック方式の中心線Pは何から計算する?
P = (H + L + C) / 3です。H・L・Cは前日の値を使います。
Q2. R1に到達したときの正しい考え方は?
RとSは壁ではありません。強い値動きでは通過するため、到達後の反応を確認します。
Q3. FX会社によってデイリーピボットが少し違う主な理由は?
FXには一つの公式終値がなく、サーバー時刻や日曜足の扱いによって前日のH・L・Cが変わります。
Q4. ピボットの反発を検証するとき必要なのは?
成功例だけを選ぶと優位性を過大評価します。条件に該当した全事例を同じ基準で数えます。