デイリーピボットとは

ピボット(Pivot)は「軸」「旋回点」という意味です。まず前日の高値 H、安値 L、終値 Cの平均から中心線Pを作り、 前日の値幅を使って上側のR(Resistance)と下側のS(Support)を計算します。計算した線は当日のあいだ固定され、翌日になると更新されます。

過去チャートを見ながら都合よく引く水平線と違い、当日が始まる前に位置が確定します。 この事前に決まり、後から動かない性質が、記録や検証に向いています。

クラシック・ピボットの計算式

このサイトでは最も一般的なクラシック方式を扱います。H・L・Cはすべて前日の値です。

P = (H + L + C) / 3 R1 = 2P − L  S1 = 2P − H R2 = P + (H − L)  S2 = P − (H − L) R3 = H + 2(P − L)  S3 = L − 2(H − P)

P=Pivot、R=Resistance、S=Support。すべて前日のH・L・Cから計算します。

「ピボット」には複数の方式がある

Fibonacci、Camarilla、Woodieなど別方式もあり、同じR1という名前でも値は一致しません。 チャートソフトの設定で計算方式を確認し、途中で混ぜないでください。線を増やすほど、どこかに当たったように見える問題も起きます。

ドル円の計算例

前日のドル円が、高値160.000円、安値158.500円、終値159.400円だったとします。

P = (160.000 + 158.500 + 159.400) / 3 = 159.300 R1 = 160.100  S1 = 158.600 R2 = 160.800  S2 = 157.800 R3 = 161.600  S3 = 157.100
前日の3価格から、当日の7本を先に決める R3 161.600 R2 160.800 R1 160.100 P 159.300 S1 158.600 S2 157.800 S3 157.100 線は目標価格ではなく、反応を観察する候補
前日の値幅が大きければ各線の間隔も広くなり、小さければ狭くなる

P・R・Sをどう読むか

「Rだから売る、Sだから買う」と決めるのではなく、価格が近づく前にシナリオを用意します。 反発を狙うなら反発を確認してから、抜けを狙うなら終値や押し戻しを確認してから判断します。

FXでは日足の区切りに注意

FXは取引所に一つの公式終値がある市場ではありません。FX会社やチャートのサーバー時刻によって「前日」の区切りが異なり、 H・L・Cが少し変わればピボットも変わります。ニューヨーククローズ基準、0時基準、短い日曜足を含むチャートなどで差が出ます。

線が他人のチャートと違っても、計算ミスとは限らない

使う配信元、タイムゾーン、夏時間、日曜足の扱いを固定してください。 検証と本番で別のチャートを使うと、同じ「デイリーピボット」でも別ルールになります。

使い方の注意

タッチした瞬間に逆張りする

ピボットは注文を出す理由ではなく観察場所です。指標発表や強いトレンドでは、R3やS3まで止まらず進むこともあります。

7本すべてを同じ強さで見る

線が多いと後付け解釈が増えます。自分が使う水準を事前に決め、不要な線は消します。

当たった日だけ覚える

反発した例だけでなく、通過した例も数えてください。検証するなら到達前にルールを固定し、全タッチ、取引コスト、時間帯、到達方向を記録します。

チェックリスト

ミニテスト

Q1. クラシック方式の中心線Pは何から計算する?

P = (H + L + C) / 3です。H・L・Cは前日の値を使います。

Q2. R1に到達したときの正しい考え方は?

RとSは壁ではありません。強い値動きでは通過するため、到達後の反応を確認します。

Q3. FX会社によってデイリーピボットが少し違う主な理由は?

FXには一つの公式終値がなく、サーバー時刻や日曜足の扱いによって前日のH・L・Cが変わります。

Q4. ピボットの反発を検証するとき必要なのは?

成功例だけを選ぶと優位性を過大評価します。条件に該当した全事例を同じ基準で数えます。