毎朝チャートにプロットする5大基準線
トレードを始める前、チャートに余計なオシレーターや無数のインジケーターを表示する必要はありません。 世界中のアルゴリズムが共通で認識している、以下の5大基準線(Key Anchors)だけを水平線としてプロットします。
| 基準線 | 正式名称 | 時間軸 | 役割と重要性 |
|---|---|---|---|
| PDH / PDL | Previous Day High / Low (前日高値・前日安値) |
日足 | デイトレードにおける最重要流動性プール。一日の値動きの大半は、このどちらかを回収することを目指して展開する |
| PWH / PWL | Previous Week High / Low (前週高値・前週安値) |
週足 | 週間の主要な反転・ブレイク水準。水曜日〜木曜日にかけて到達しやすい大目標 |
| Midnight Open | 0:00 ET Open (ニューヨーク深夜0時始値) |
日足の真の起点 | 一日の日足ローソク足の「真の始値」。この価格より上がPremium、下がDiscountとなる |
| Asia High / Low | Asian Session High / Low (アジア時間高安) |
15分足 | ロンドン市場開始直後のJudas Swing(騙し)の標的となる短期流動性 |
| HTF FVG / OB | Higher Time Frame Zones (上位足の不均衡・OB) |
4時間足・日足 | 相場が引き寄せられる磁石(内部流動性)であり、強力な反転候補ゾーン |
Power of 3(AMD)と日足ローソク足の解剖
ICTの最も根幹をなす日内モデルがPower of 3(AMDサイクル)です。 一本の日足ローソク足が形成される24時間のプロセスは、驚くほど高い確率で以下の3段階を経て完了します。
| フェーズ | 英語名称 | 主な時間帯 | 市場の行動とローソク足の部位 |
|---|---|---|---|
| 1. 蓄積 | Accumulation | アジア時間 (20:00〜0:00 ET) |
方向感のない狭いレンジを作り、上下に個人投資家のストップロス(流動性)を溜め込ませる |
| 2. 操作・誘導 | Manipulation (Judas Swing) |
ロンドン序盤 (02:00〜05:00 ET) |
一日の本命とは真逆の方向へ急激に振る。日足ローソク足の「ヒゲ先(上ヒゲまたは下ヒゲ)」を形成する |
| 3. 分配・本流 | Distribution | ニューヨーク時間 (07:00〜12:00 ET) |
本命の方向へ大陽線(大陰線)を伸ばし、日足ローソク足の「巨大な実体(Body)」を一気に完成させる |
ニューヨーク深夜始値(Midnight Open)の絶対ルール
ICTが提唱する中で最もシンプルかつ強力なフィルターが、「0:00 ET Midnight Open(ニューヨーク深夜始値)」です。
- 強気の日(Bullish Day: 買いを狙う日):
価格が0:00 ET始値より「下(Below)」にある時にしか買ってはならない。なぜなら、始値より下こそが「Discount」であり、大口が買い玉を仕込む下ヒゲの領域だからです。始値より上で買うのは高値掴みの典型です。 - 弱気の日(Bearish Day: 売りを狙う日):
価格が0:00 ET始値より「上(Above)」にある時にしか売ってはならない。始値より上こそが「Premium」であり、大口が売り玉を仕込む上ヒゲの領域だからです。
予想を排除する「If-Then条件分岐」の書き方
「今日は上がるに違いない」という思い込み(バイアス)は、相場が逆行したときにトレーダーの思考を麻痺させ、大損をもたらします。 プロは毎朝、ノートに以下のような「条件分岐型シナリオ(If-Thenプラン)」を書きます。
【本日の監視通貨ペア:USD/JPY】
・上位足の環境:日足は上昇トレンド、直近ターゲットは155.50の未回収BSL。
・基準値:PDH 154.80 / PDL 153.90 / 0:00 ET始値 154.20
[シナリオA(本命)]
IF:ロンドン時間(16:00以降)に、アジア安値を下抜けてPDL(153.90)をヒゲでスイープし、
THEN:5分足でMSS(直近高値実体超え)とFVGが発生したら、Discount領域でロング。利確目標はPDH(154.80)。
[シナリオB(対抗)]
IF:アジア高値を先にブレイクしてそのまま勢いよく上昇した場合、
THEN:飛び乗り買いは禁止。PDH(154.80)到達後の反応を待ち、反転MSSが出ればショート、出なければ見送り。
[見送り条件]
・8:30 ET(米CPI発表)の前後30分間はすべての指値を取り消してノーポジを維持する。
このように事前に条件を分岐させておけば、相場がどちらに動いても慌てることはありません。 条件が揃えば淡々とエントリーし、条件が満たされなければ「今日は見送り」と判断してPCを閉じることができます。
初心者が陥る典型的な罠
1. Daily Biasを「未来の予言」と勘違いしてナンピン死する
「日足が上目線だから」という理由だけで、ロンドン時間に下落している相場に理由なく買い向かい、そのままストップ狩りに遭って破産するパターンです。 Biasは「もし下で反転シグナルが出たら買う」という仮説に過ぎません。下落が止まらないなら、その日はシナリオ不成立で見送るのが正解です。
2. 始値(Midnight Open)より高いところでロングする
陽線の日足ができる時、最も買ってはいけない場所は「すでに始値より大幅に上昇した後の高値圏」です。 必ず、Judas Swingによって始値より下に押し戻されたバーゲンセール(Discount)を待ってエントリーしてください。
実戦課題
明日からの3営業日、毎朝取引を始める前に以下の作業を行ってください。
- チャート上に「PDH」「PDL」「0:00 ET始値(Midnight Open)」の3本の水平線を引く。
- 前夜または朝の時点で、「シナリオA(買い)」「シナリオB(売り)」「見送り条件」をノートに書き出す。
- 一日が終わった後、ローソク足が実際にAMDサイクル(蓄積→操作→本流)をたどったかどうか、自分のシナリオのどの分岐に合致したかを記録・検証する。
チェックリスト
- PDH/PDL、PWH/PWL、Midnight Openの3大基準線を毎朝固定しているか
- Power of 3(AMD:蓄積・操作・本流)の三幕構成を意識できているか
- 買いはMidnight Openより下(Discount)、売りは始値より上(Premium)を徹底しているか
- 「上がる/下がる」の予想を捨て、If-Thenの条件分岐で行動を決定しているか
- 想定と違う動きをした時に意地を張らず、シナリオ不成立として見送れるか
ミニテスト
Q1. デイトレードにおいて、PDH(前日高値)とPDL(前日安値)の重要性は?
正解はAです。PDHとPDLの外側には膨大なストップロスが溜まっており、アルゴリズムが一日の中で真っ先に回収しに向かう主要ターゲットとなります。
Q2. Power of 3(AMDサイクル)の正しい時系列の順番は?
正解はCです。アジアでレンジを形成(蓄積)し、ロンドン初動で偽の方向へ振ってストップを狩り(操作)、ニューヨークで本命トレンドを展開(分配)します。
Q3. ICTにおけるDaily Bias(日足の環境認識)の正しい位置づけは?
正解はBです。Biasは予言ではなく作業仮説です。「もし条件Aが揃えば買いを狙うが、条件Bが壊れたら即座に白紙に戻す」という柔軟性が不可欠です。
Q4. ロンドン時間にPDL(前日安値)をヒゲでスイープした直後の適切な対応は?
正解はCです。スイープ単独での飛び乗りは厳禁です。下位足で大口が本格的に買い向かった事実(MSS/FVG)を確認して初めてエントリーが正当化されます。