ICT 2022 Mentorship Modelとは何か
2022年、ICT考案者のMichael Huddleston氏は、初心者から専業トレーダーまでが迷わず日々の相場で実践できるよう、余分な理論を極限まで削ぎ落としたデイトレードモデル「2022 Mentorship Model」をYouTubeで無償公開しました。
このモデルが革命的だった理由は、「オシレーターの数値を一切見ず、純粋な価格と時間、そして注文の偏りだけでエントリーから決済までを完全機械化できること」にあります。 第1回〜第10回で学んだ知識は、すべてこの2022モデルを最高精度で使いこなすためのパーツだったのです。
完全実行の6段階プロトコル
トレードを開始してから決済するまで、以下の6つのステップを順番通りに実行します。ステップを飛ばすことは厳禁です。
| 段階 | フェーズ名 | 使用する時間足 | 具体的なチェック項目と執行内容 |
|---|---|---|---|
| 第1段階 | Bias & Time (環境認識と時間) |
日足・4時間足・1時間足 |
・現在はKill Zone内(例:NY Open 07:00〜10:00 ET / JST 20:00〜23:00夏)か? ・上位足が目指している流動性目標(Draw on Liquidity: BSLまたはSSL)は上と下のどちらか? |
| 第2段階 | Liquidity Sweep (流動性の回収) |
15分足・5分足 | ・直近の目立つスイング高安、前日高安(PDH/PDL)、またはアジア高安をヒゲで突き抜けたか?(ストップ狩りの完了) |
| 第3段階 | Displacement & MSS (変位と構造転換) |
1分足〜5分足 |
・スイープ直後に、実体の大きな大陰線/大陽線が出現したか? ・直近の押し安値(または戻り高値)を終値ベースで明確に破壊(MSS)したか? |
| 第4段階 | Return to FVG (不均衡への回帰) |
1分足〜5分足 |
・Displacementの最中に明確なFair Value Gap(FVG)が残されているか? ・そのFVGの入口またはCE(50%水準)に指値注文(Limit Order)を配置する。 |
| 第5段階 | Risk Management (損切りの固定) |
執行時間足 |
・損切り(Stop Loss)を、第2段階でつけたスイープ極値(高値/安値)の外側に固定する。 ・1トレードの損失額を口座資金の0.5%〜1.0%以内に厳格設定する。 |
| 第6段階 | Exit Strategy (利確と決済) |
全時間足 |
・第1利確目標(TP1):途中のスイング高安で50%部分利確し、SLを建値(BE)へ移動。 ・第2利確目標(TP2):対側の外部流動性(反対側の主要高安)で全決済。 |
チャート図解:理想的なセットアップの解剖
実際のチャート上で、この6ステップがどのように出現するのかを完全図解します。
損切り位置・利確目標・資金管理ルール
2022モデルの最大の強みは、「勝率が50%程度であっても、資金が急速に増加する優れたリスクリワード設計」にあります。
損切り(Stop Loss)の厳格な配置
損切りは、感覚で「適当に15pips」と決めてはいけません。 「第2段階でスイープした最安値(買いの場合)または最高値(売りの場合)の2〜3pips外側」に厳格に配置します。 なぜなら、その極値を再度割り込んだということは、「スイープではなく本物のトレンド継続だった」ということであり、トレードの前提仮説が完全に崩壊したことを意味するからです。
利確(Take Profit)の2段階エグジット
- TP1(分割利確 50%):
MSSを形成したスイングの高値、または途中にある内部流動性(直近高値など)に到達した時点で、ポジションの半分を利確します。同時に、損切りラインを建値(Break Even: ±0)へ移動します。これにより、以後は「絶対に負けのないトレード」が確定します。 - TP2(完全利確 残り50%):
上位足の対側流動性(前日高値PDH、セッション高値など)で全決済します。
見送り・注文失効の絶対条件
以下のいずれか1つでも該当した場合は、エントリー指値を即座に取り消し、トレードを見送ります。
- 条件1:MSSを形成した足に変位(Displacement)がない
直近高値を抜けたものの、小さなコマ足でダラダラと超えただけでFVGが残っていない場合は、見送ります。 - 条件2:指値に触れる前に対側目標(TP)へ到達してしまった
FVGまで戻らずにそのまま急騰して利確目標に届いてしまった場合、そのセットアップは終了です。後から戻ってきても追っかけエントリーは厳禁です。 - 条件3:リスクリワード比が1:2に満たない
損切り幅が広すぎて、利確目標までの距離が損切り幅の2倍未満になる場合は、取引コスト負けするため見送ります。 - 条件4:8:30 ETの重要指標発表の直前
重要指標の前後15〜30分間は、すべての注文をキャンセルしてノーポジションを維持します。
実戦課題
TradingViewでUSD/JPY、EUR/USD、またはXAU/USDの5分足チャートを開いてください。
- 過去10日間のニューヨーク・オープンKill Zone(20:00〜23:00 JST夏)をスキャンする。
- 「2022モデルの6段階」がすべて完璧に成立した事例をノートに抜き出し、損切り幅と獲得pips(リスクリワード比)を計算する。
- 条件が1つ欠けて見送るべきだった「ダマシの場面」を2つ見つけ、どのステップで失効したかを記録する。
チェックリスト
- Kill Zoneの時間帯(ニューヨーク等)にのみチャートを見ているか
- 上位足の流動性目標(BSL/SSL)をあらかじめ特定しているか
- スイープ後にDisplacementを伴うMSS(終値実体超え)を確認したか
- MSSを作った足の中に明確なFVGが存在しているか
- 損切りをスイープ極値の外側に固定し、口座資金の1%以下に抑えているか
- 利確目標までの距離がリスクの2倍以上(RR 1:2+)あることを確認したか
ミニテスト
Q1. ICT 2022 Modelにおいて、取引を始める前に最初に決定すべき必須要素は?
正解はBです。下位足の形を見る前に、まず「いま何時か(Kill Zone)」と「上位足はどちらの流動性へ向かっているか(Bias)」を決定することがすべての出発点です。
Q2. 2022モデルで買いエントリーを行う際、指値を置くべき正確なゾーンは?
正解はCです。構造破壊(MSS)を引き起こした急進の最中に残されたFVGこそが、大口が再訪して反発させる絶好のエントリーゾーンです。
Q3. 2022モデルの買いセットアップにおける、最も構造的に正しい損切り(SL)の配置位置は?
正解はAです。スイープした最安値を下回った場合は「スイープではなく本物の下落トレンド」であったことが確定するため、構造上の無効化レベルとして最安値外側に置きます。
Q4. 6段階の条件のうち、1つでも条件を満たさなかった場合の適切な行動は?
正解はBです。2022モデルの優位性はすべてのフィルターを通過したA級セットアップにのみ宿ります。条件不成立なら即座に見送る自制心が不可欠です。