TL;DR
昨日の振り返り
- 29日のドル円は157.39円で始まり、高値157.72円、安値156.98円、終値157.29円でした。日米当局の円安けん制が上値を抑える一方、米金利高とFedの追加利上げ観測がドルを支え、157円台を中心とした持ち合いが続きました。
- 米8月JOLTS求人件数は707.9万人と市場予想722.8万人を下回り、9月コンファレンスボード消費者信頼感指数も81.9と予想89.0を下回りました。弱い労働・消費指標を受けてもドル売りは限定的でしたが、Fedの早期追加利上げ観測はいったん後退しています。
- Goldは反発。OANDAの金CFDは4181.985ドルで前日比1.63%高、COMEX金12月限は4179.70ドルで0.27%高でした。原油安がインフレ懸念を和らげた一方、米10年債利回りは5.2%台と高く、上値は重いままです。
今日の見通し
- 東京午前は円買いが強まり、ドル円は156.37円付近まで下落しました。日米の口先介入警戒に加え、豪州CPIが前月比で予想を下回って豪ドル円が崩れ、クロス円全体へ円買いが波及しています。
- Goldはアジア時間に4180~4200ドルを中心に推移。Silverは61.54ドル、Platinumは1715ドル前後です。原油下落はGoldに追い風ですが、米10年債利回り5.24%前後は引き続き大きな逆風です。
- 今夜は21:15のADP雇用者数、21:30の米PCE価格指数が最大材料です。PCEが強ければFed早期利上げ観測が再燃しドル高・Gold安、弱ければ米金利低下・ドル安・Gold反発が基本反応になります。
ドル円は東京午前に156円台へ下落、介入警戒と豪ドル安が円買いを誘う
事実:前日は157円台で膠着、東京午前は156.37円まで円高
29日のドル円は始値157.39円、高値157.72円、安値156.98円、終値157.29円でした。米国では長期金利が高止まりし、ドル全体は9月を通じて強い一方、ドル円では日米当局による円安けん制が158円方向への上値追いを抑えています。
本日朝のみんかぶFXのピボットは157.33円、抵抗1が157.68円、抵抗2が158.07円、支持1が156.94円、支持2が156.59円、ローブレイクが156.20円でした。10時06分の三菱UFJ銀行の仲値は157.35円でしたが、その後は円買いが強まり、11時10分には156.60円台、東京前場では156.37円付近まで下落しました。
円買いの背景は二つです。ひとつは日米政府による円安けん制が継続していること。もうひとつは豪ドル円の急落です。豪州8月CPIは前年比4.0%と依然高いものの、前月比は0.4%で市場予想0.6%を下回りました。豪ドルが売られ、円キャリー取引の巻き戻しを連想させる動きがクロス円全体に波及しました。
分析:156.20円を守れるかが短期の分岐、戻りは156.94~157.33円を確認
東京午前の下落で156.94円と156.59円を下抜いているため、短期的には156.20円が重要です。この水準を維持して156.59円、156.94円を回復するなら、東京午前の円買いが行き過ぎだった可能性があります。その場合でも157.33円から157.68円は戻り売りと介入警戒が重なりやすいゾーンです。
反対に156.20円を明確に割り、戻りでも回復できなければ、円キャリー巻き戻しが続いている可能性を優先します。ただし今夜は米PCEを控えているため、欧州時間までのブレイクがそのままNY時間まで継続するとは限りません。

弱い米労働指標でFed早期利上げ観測が後退
事実:JOLTSと消費者信頼感は予想を下回り、Williams総裁も利上げを急がず
29日に発表された米8月JOLTS求人件数は707.9万人で、市場予想722.8万人を下回りました。9月コンファレンスボード消費者信頼感指数も81.9と予想89.0を下回っています。労働市場と家計心理の双方に鈍化が見えました。
同時にニューヨーク連銀のWilliams総裁は、利上げを急ぐ必要はないと発言しつつ、年末までにもう一度の利上げが必要になる可能性を残しました。The Business Timesによると、次回会合での利上げ確率は一時70%程度から約50%へ低下しています。
それでも米10年債利回りはアジア時間で5.2383%と2007年以来の高水準近辺です。2年債はWilliams発言後にやや低下しましたが、9月を通じて米金利水準そのものが大きく切り上がった状態に変わりはありません。
分析:今夜のPCEが「10月利上げ」の再評価を決める
今夜21時30分のPCE価格指数が本日の中心です。市場予想は総合が前月比0.4%、前年比3.7%、コアが前月比0.3%、前年比3.3%です。CPIより消費構成の変化を反映するPCEでインフレの粘着性が確認されれば、前日に後退したFed早期利上げ観測が再び強まりやすくなります。
逆にPCEが弱ければ、JOLTSと消費者信頼感の弱さと合わせて「景気・雇用の減速」を市場が重視しやすくなります。この場合は米2年債・10年債利回りが低下し、ドル円には下押し、Goldには反発材料となります。
Goldは4180ドル台へ反発、原油安と高金利の綱引き
事実:Goldは前日の急落から反発、Silver61.54ドル・Platinum1715ドル前後
OANDAによると29日の金CFD終値は4181.985ドルで、前日比67.000ドル、1.63%上昇しました。大幅下落後の押し目買いに加え、中東からの原油供給が回復しているとの観測から原油が下落し、エネルギー起点のインフレ懸念がやや和らいだことが支援材料です。
30日朝のThe Business Timesでは現物Goldが4184.27ドル、Silverが61.54ドル。みんかぶ先物ではPlatinum現物が9時時点で1715.14~1719.46ドルでした。10時33分のCOMEX金12月限時間外は4201.60ドルまで上昇しています。
一方、米10年債利回りは5.24%前後です。Goldは利息を生まないため、原油安という追い風があっても、実質・名目金利の高さが上値を抑えています。
分析:4200ドル定着が反発継続の条件、PCE上振れなら再び売られやすい
OANDAのテクニカル分析でも4200ドルが短期の重要水準として意識されています。4200ドルを明確に回復し、その上で推移できれば、29日の反発が単なる自律反発からもう一段の戻りへ発展する可能性があります。
反対にPCEが強く米金利がさらに上昇すれば、4180ドルを割って再び4100ドル台へ押し戻されるリスクがあります。SilverとPlatinumはGoldより工業需要の影響も大きいため、中国PMIの改善は下支え材料ですが、米金利ショックが強い場合は連れ安に注意します。
豪州と中国のアジア材料は強弱が分かれる
事実:豪州CPIは高止まりでも予想をやや下回り、中国PMIは50超へ改善
豪州8月CPIは前年比4.0%まで上昇しましたが、前月比0.4%は市場予想0.6%を下回りました。RBAが注視するトリム平均は前年比3.6%で横ばいです。インフレ率は目標を大きく上回っていますが、予想比では強くなかったため豪ドルはやや売られました。
中国では公式製造業PMIが50.1と前月49.8から上昇し、2カ月ぶりに50を上回りました。非製造業PMIも50.2へ改善。民間のRatingDog製造業PMIも52.1と5カ月ぶり高水準となり、製造業には持ち直しが見えています。
分析:AUDJPYは豪州材料より円キャリー巻き戻しの影響が大きい
豪州インフレ自体は依然として高く、RBAの追加引き締め余地を完全に否定する内容ではありません。ただし本日のAUDJPYは、豪州の金利見通し以上に円側のポジション調整の影響を受けています。
中国PMIの改善はAUDや工業系貴金属には支援材料ですが、国内需要の弱さや不動産問題は残っています。AUDUSDとUSDJPYを別々に確認し、AUDJPYを円要因だけで追いかけないことが重要です。
今夜はADP・PCE・GDP確報が集中
事実:21時台に米雇用・インフレ・成長率がまとめて発表
本日は21時15分にADP雇用者数、21時30分に個人所得・支出、PCE価格指数、卸売在庫速報、米第2四半期GDP確報値が発表されます。ADPは前月比7.0万人増、PCEは総合前月比0.4%、コア0.3%が予想されています。
22時45分にはシカゴPMIが予定され、予想は51.2です。米国市場では短時間に複数の材料が集中するため、最初の数字だけで方向を決めると、その後の別指標で反転する可能性があります。
分析:PCE後はドルより米金利の反応を優先して確認
PCEが強くても、米2年債・10年債利回りが上がらなければドル高は続きにくくなります。逆にPCEが市場予想程度でも、金利が再び上昇するならFed追加利上げ観測が残っていると判断できます。
ドル円とGoldを取引する場合は、数字そのものより「米金利がどう反応したか」を優先して確認した方が、方向の持続性を判断しやすいでしょう。

本日のトレード戦略
外国為替の戦略:ドル円は156.20~157.33円をまず確認
東京午前の円買いで156.59円までの支持帯を突破しているため、まず156.20円を維持できるかを見ます。156.20円を割って戻せない場合は円買い継続と判断し、安易な逆張りロングを避けます。
反対に156.59円、156.94円を回復すれば、157.33円のピボット方向への戻りを想定します。ただし157.68円から158.07円は、テクニカル上の抵抗に加えて日米当局の介入警戒が強まりやすい領域です。PCE発表前はポジションを軽くし、21時30分以降の金利反応を確認してからサイズを上げる方針が適しています。
AUDUSD・AUDJPYは、本日午前の豪州CPIを受けて豪ドルが軟化しています。AUDJPYでは円キャリー巻き戻しも重なっているため、通常よりポジションサイズを抑えます。
貴金属の戦略:Goldは4200ドルを基準にPCE後の方向を判断
Goldは4200ドルを短期の分岐とします。4200ドルを回復して米金利が低下する場合は反発継続を確認し、押し目買いを検討します。一方、4200ドルを回復できずPCE上振れで米金利が再上昇する場合は、4180ドル割れから4100ドル台への調整に警戒します。
Silverは61ドル台半ばを維持できるか、Platinumは1700ドル台を維持できるかを確認します。どちらもGoldより値動きが大きくなりやすいため、同じ損失許容額ならポジションサイズを小さくします。
引用文献
- Reuters「Bonds set for bruising September; stocks fare better」2026-09-30
- Reuters「Dollar set for large rise in September, mainly at euro's expense」2026-09-30
- Reuters「Australia inflation stubbornly high in August, defying run of rate hikes」2026-09-30
- Reuters「Chinese factory activity returns to growth in September amid AI boom」2026-09-30
- The Business Times「Gold steady as traders weigh lower oil against higher yields」2026-09-30
- 外為どっとコム「ドル/円今日の見通し|米早期追加利上げはデータ次第 PCEデフレーターに注目集まる」2026-09-30
- みんかぶFX「本日の見通し ドル円は157円台での推移が続くか」2026-09-30
- みんかぶFX「東京市場 ピボット分析(主要国通貨)」2026-09-30
- みんかぶFX「円全面高、口先介入警戒と豪ドル安を受け ユーロ円昨年11月来安値」2026-09-30
- みんかぶFX「本日の予定 経済指標」2026-09-30
- みんかぶ先物「今日の視点 貴金属=金は反発、中東情勢懸念の緩和から反動高に」2026-09-30
- みんかぶ先物「PGM現物価格」2026-09-30
- OANDA「金価格は上昇し4181ドル|前日の大幅下落により、底値を狙った買いの動き」2026-09-30
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