今週の気になった値動き、データ、ニュース、論文などをまとめます。
今週の外為市場
【13日】
●東京
中東情勢の緊迫化と原油高を背景に有事のドル買いが強まり、ドル円は162.10円台まで上昇しました。GPIFの国内投資比率変更を否定する報道も円売りと国債安を促し、日本株・債券・円のトリプル安が進みました。ユーロドルは1.13ドル台後半へ下落しました。
●ロンドン
GPIFを巡る政府発言に振り回され、ドル円は162.36円まで上昇後、161円台後半へ急落し、その後再び162円台へ戻しました。ユーロドルは1.14ドル台半ばまで反発しましたが、ポンドは対ユーロで売られ、不安定な動きとなりました。
●NY
イラン港湾封鎖やホルムズ海峡を巡る対立激化で原油と米金利が上昇し、ドル円は162円台半ばまで上昇しました。ユーロは欧州のエネルギー高と景気懸念から軟調となり、ポンドも対ドル・対円で下落しました。
【14日】
●東京
前日のドル高に調整が入り、ドル円は162円台前半へ軟化しました。20年国債入札が好調だったことで日本国債への需要が確認され、円買いを支えました。ユーロドルとポンドドルは小幅に反発しました。
●ロンドン
米CPIを控えたポジション調整からドル売り・円買いが優勢となりました。ドル円は162.06円付近まで下落しましたが、162円台は維持しました。英中銀の利上げ観測を背景にポンドは比較的堅調でした。
●NY
米CPIが予想以上に鈍化し、米金利低下とともにドル円は161.65円付近まで急落しました。ただし円キャリー需要から押し目買いが入り、下げ幅を縮小しました。ユーロドルは1.1460ドル付近まで上昇しました。
【15日】
●東京
米CPI後のドル安を受けてドル円は161.97円まで下落しましたが、午後には162円台を回復しました。値幅は小さく、円キャリー需要が下値を支えました。ユーロ円とポンド円は底堅く推移しました。
●ロンドン
米PPIへの警戒や米軍のイラン攻撃開始報道を受け、ドル買いが優勢となりました。ドル円は162.40円台まで上昇し、ユーロドルとポンドドルは下落しました。クロス円は高値を付けた後に伸び悩みました。
●NY
米PPIもインフレ鈍化を示し、ドル円は一時161円台まで下落しました。ただし中東情勢の緊迫化がドルを支え、終盤には162円台へ戻しました。ポンドは財政規律重視の財務相人事観測から一時急上昇しました。
【16日】
●東京
ドル円は162円前後の狭いレンジで推移しました。米利上げ観測は後退したものの、日米金利差と円キャリー需要が下値を支えました。ユーロも小動きで、前日に急騰したポンドは高値圏でもみ合いました。
●ロンドン
主要通貨は全体的に静かな動きとなりましたが、ポンド売りが目立ちました。英中銀副総裁が利上げに慎重な姿勢を示したことで、ポンドドルとポンド円は下落しました。ドル円は162円前後で膠着しました。
●NY
米新規失業保険申請件数の強さやイラン情勢の再緊迫化を受け、ドル円は162.55円付近まで上昇しました。ユーロドルは上値が重く、ポンドドルも1.34ドル台へ下落しました。
【17日】
●東京
強い米指標と中東情勢がドルを支えましたが、週末を前に様子見ムードが強く、ドル円は162円台前半から半ばで小動きでした。ユーロドルとポンドドルは小幅に反発しましたが、戻りは限定的でした。
●ロンドン
原油上昇と米金利低下が同時進行する中、為替市場は方向感を欠きました。ドル円は162円台で推移し、高市首相のGPIF関連発言への反応も一時的でした。ポンドは財務相人事を巡る党内反発報道で軟調となりました。
●NY
夏枯れ相場で取引が膠着し、ドル円は162円台での振幅が続きました。米インフレ鈍化で早期利上げ観測は後退しましたが、年内利上げの可能性や中東情勢への警戒がドルの下値を支えました。
今週の重要ニュース
- 米国がイラン全沿岸の海上封鎖を再開、ホルムズ海峡で攻撃激化(R)
Oil up 9% to one-month high as US says it will blockade entire Iranian coastline, all vessels
米国はイランの港湾、石油ターミナル、沿岸部を対象とする海上封鎖を開始。米軍の空爆とイランによる湾岸諸国・船舶への攻撃が拡大し、ホルムズ海峡を通過するタンカーやLNG船が激減しました。
原油価格は一時9%超上昇し、ドル買い、円安、世界的なインフレ再燃懸念を招いた、今週最大のニュースです。7月18日にも米軍の攻撃とイランの報復が続いています。
- 米6月CPIが予想以上に鈍化、FRBの7月利上げ観測が急後退(R)
US consumer inflation moderates; upside risks remain amid Iran conflict
6月の米消費者物価指数は前年比3.5%と、市場予想の3.8%を下回りました。コアCPIも前年比2.6%に低下し、前月比では6年超ぶりの下落となりました。
7月FOMCでの利上げ確率は大きく低下し、米長期金利とドルが下落。株式や貴金属には追い風となりました。ただし、原油高が続けば再びインフレが加速するため、「CPIは冷えたがホルムズ海峡が再加熱する」という厄介な構図です。
- 高市首相、GPIFなど公的年金に国内投資拡大を促す方針を表明(R)
Japan PM vows to pursue steps to encourage domestic investment by GPIF
高市首相は7月17日、GPIFを含む公的年金や家計による国内資産への投資を促す政策を進めると表明しました。
海外資産の売却と国内資産の購入、つまり外貨売り・円買いにつながる可能性が意識され、円が上昇。もっとも、現時点ではGPIFの基本ポートフォリオを直ちに変更する計画は確認されておらず、実際の資金移動よりも政策観測が先に走っている面があります。
- 英国の次期首相にアンディ・バーナム氏、財政規律期待でポンド上昇(R)
UK’s Andy Burnham confirmed as new Labour Party leader
英国の与党・労働党は、アンディ・バーナム氏を新党首に選出。同氏は7月20日に首相へ就任する見通しとなりました。
財務相候補として比較的中道・財政規律重視とみられるシャバナ・マフムード氏の名前が浮上したことで、英国債とポンドが買われました。ポンドは対ユーロで約1年ぶりの高値圏に上昇しており、英国政治が為替を直接動かした一週間でした。
- 中国の4~6月期GDP、3年半ぶりの低い伸びに減速(R)
China’s Q2 economic growth cools to 3-1/2-year low as imbalances worsen
中国の4~6月期GDPは前年比4.3%増となり、市場予想の4.5%を下回りました。1~3月期の5.0%から大きく減速し、2022年末以来の低い伸びです。
輸出やAI関連生産は堅調でしたが、個人消費、賃金、不動産投資が弱く、中国経済の内需不足が改めて鮮明になりました。人民元や豪ドルにとって重しとなるほか、中国向け需要への依存度が高い資源国・アジア諸国にも波及します。
- 今週の総括
今週の為替市場は、米CPI低下によるドル売りと、米・イラン戦争および原油高によるドル買い・インフレ警戒が綱引きしました。
ドル円では、この二つに加えてGPIFの国内回帰観測が重なり、162円台を中心に非常に荒い値動きとなりました。今後は、ホルムズ海峡の実際の通航量と、GPIF政策が「発言だけ」から「具体的な資産配分変更」へ進むかが焦点です。
ファンダ
CME投機筋ポジション(水曜日時点)
JPYはめちゃ小商い。

米10年債も小商い。

Goldも相変わらずめちゃ小商い。

今週は小商い過ぎてコメントなし。
今週・来週の経済指標・休場
今週は弱めだったけど、インフレ指標が落ち着いてきているので、マーケットは落ち着いていました。

来週は重要指標なし。月曜は日本が海の日で祝日、株式市場は閉場です。

値動き
各指数の値動きをまとめます。
各指数
日経平均はエグい下げ。約4,300円下げました。韓国株式市場の暴落を受けたものですね。

Gold
底値を探る展開になっています。来週は上方向、$4,100は行く、ワンチャン$4,200を見ています。

FX通貨ペア
今週は円も米ドルも売られました。バーナム氏が首相に就任する英国(ポンド)が買われたかな。

各国国債利回り
追加利上げが見込まれているEUの国債金利が上昇基調。

ヒートマップ(週間騰落)
米株は金曜日に大きく下げました。DeepSeekショック以来のKimi K3ショックですね。つまり、米国が最新NVIDIAチップでとんでもない時間とお金を注ぎ込んで作った最新AIの性能を、中国の廉価版、オープウェイト(後述)が越えてきたら発生するショックです😂。ただし、Kimi K3はオープンウェイトこれからも定期的に発生するはず。

日本株はKimiショックというよりはKOSPIショックですね。韓国株式市場で連日ストップ安が続いていて、120万人が追証になった(破産ではないので注意)というニュースもありました。日経平均よりもアゲアゲだったので落ちるときのダメージもでかい。来週も続きそう。

世界株はTSMがKimiショックを受けている以外は堅調。

クリプトも平和。

※オープンウェイトについて
| 項目 | オープンソース(OSS) | オープンウェイト |
|---|---|---|
| 公開されるもの | ソースコード、学習データ、学習レシピ | 重み(パラメータ)、推論コード |
| 透明性 | 非常に高い(再現可能) | 部分的(どう作られたかはブラックボックス) |
| できること | 自力での完全な再学習、安全性の検証 | 推論の実行、ファインチューニング |
| 代表例 | PyTorchなどのプログラム、完全公開AIモデル | Llamaシリーズ、Gemma、OpenAIの gpt-oss |
MQL5.com新作
今週は良作なし。
AI関連
- 7/13、AnthropicはFable 5のサブスクでのアクセス期限を再延長し、7月20日(月)午後3時59分59秒(日本時間)とした。
- 7/17、中国Moonshot AIが発表したモデルKimi K3が一部ベンチマークでFable 5やGPT 5.6 Sol超え(R)(R)
健康
Biological limits of lifespan extension: evidence for a shift from pathway leverage to system-level buffering across species
長寿研究は「単一経路を叩けば寿命が延びる」ほど単純ではないらしい。
酵母、線虫、昆虫、哺乳類と生物が複雑になるほど、単一の遺伝子や代謝経路を操作した際の寿命延長効果が小さくなる傾向が整理されました。
研究者は、哺乳類では、臓器同士の相互作用、免疫・代謝・神経系の連携、生体の恒常性維持機構、複数経路による代償作用が強いため、単一の「長寿スイッチ」では限界があると論じています。
今後は、ラパマイシンだけ、NAD関連物質だけ、セノリティクスだけ、特定の長寿遺伝子だけ、という一発逆転型ではなく、代謝・炎症・筋肉・脳・腸内環境を同時に調整する複合介入が中心になる可能性があります。
現時点ではレビュー論文であり、「人間の寿命には絶対的な壁がある」と証明したものではありません。ただ、老化研究の地図を書き換える可能性がありまする。
その他、ニュース・雑学など
チンパンジーもキラキラした水晶に弱い
7月14日に改めて広く紹介された研究ですが、原著論文は2026年3月4日公開です。
研究者が9頭のチンパンジーに普通の石と透明な水晶を提示したところ、チンパンジーは水晶をより長く調べました。

石の山に水晶を混ぜる実験では、水晶や方解石を選び出し、透明度や幾何学的な形に強く引きつけられたとされています。大きな水晶は寝室に持ち込まれ、約2日間にわたり調べられました。
研究目的は、人類が少なくとも約78万年前から実用性のない水晶を集めてきた理由を探ることです。つまり、パワーストーン商法より数百万年前から、
「使い道は分からんけど、なんかキレイ」
は霊長類の心に実装されていた可能性があります。ただし対象は飼育環境に慣れた9頭だけで、野生チンパンジー全体に一般化はできません。
今度パートナーにジュエリーをねだられたら、身の安全を図りつつ「チンパンジーと同じやな」と言ってみようと思います。
今週は以上です。良い週末を!


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