TL;DR
昨日(先週)の振り返り
- 直前取引日のドル円は日米による28年ぶりの協調介入を受けて157.28円まで下落し、157.40円台で週末を迎えました。
- Goldは前営業日比1.47%安の4,042.97ドルへ反落し、原油高と米長期金利上昇への警戒が上値を抑えました。
- WTI原油は84.67ドルへ1.29%上昇した一方、日経平均は4.03%高、S&P500は0.70%高となり、株式と貴金属で方向が分かれました。
今日の見通し
- 日米当局が7月31日の協調介入を確認し、追加実施も辞さない姿勢を示したため、ドル円は155円台を中心に高い変動率が続く可能性があります。
- Gold、Silver、Platinumはドル安と原油急落を受けて海外価格が反発する一方、国内価格は円高の影響で3品目とも下落しています。
- 23時の米ISM製造業景気指数と米イラン協議が、ドル、米金利、原油、貴金属の次の方向を左右します。
協調介入でドル円155円台、原油急落とGold反発を検証
ドル円は週明けに155円台まで下落し、1週間物ボラティリティーは15%台へ急上昇しました。海外Goldは原油急落とドル安で反発していますが、国内金・銀・Platinumは円高に押されています。本日は「追加介入の有無」「米イラン協議」「米ISM」の三つを分けて確認する必要があります。
日米が28年ぶりの協調介入を確認
7月31日の市場でドル円は157.28円まで下落し、157.40円台で取引を終えました。当初は介入観測でしたが、週明けに片山財務相が日米財務省による協調円買い介入の実施を確認し、ベッセント米財務長官も日本の市場・金融面の措置を支持しました。日米当局者は、必要ならさらなる協調介入をためらわない姿勢も示しています。
この発言を受け、東京市場では157.80円付近から156円台前半へ下落し、その後155.50円台まで円高が進みました。午前の三菱UFJ銀行の公表仲値は155.79円です。戻り局面でドル売りが出たことから、追加介入の観測もありますが、本日の実施については公式確認前であり、事実として断定できません。
| ドル円の確認点 | 水準・指標 | 意味 |
|---|---|---|
| 週末の安値 | 157.28円 | 協調介入後の最初の基準 |
| 東京午前の確認値 | 155.50円台 | 週明けの円高進行水準 |
| 公表仲値 | 155.79円 | 実需取引の参照点 |
| 1週間物ボラティリティー | 15.24% | 短期変動への警戒が非常に高い |
| 1カ月物ボラティリティー | 10.09% | 介入警戒が月内にも波及 |
今回の重要点は、単独介入ではなく米国が協調したことです。円安是正への政策シグナルは従来より強く、160円方向への戻りでは売りが出やすくなります。一方、日米金利差と円キャリー取引の構造が直ちに消えたわけではありません。短期の円高と中期的な金利差要因を混同せず、155円台で値固めするか、急反発するかを見ます。
Goldは反発、国内金は771円安
シンガポール時間の3日朝、現物Goldは前営業日比0.7%高の4,067.06ドル、米金先物は0.9%高の4,065.60ドルでした。Silverは0.7%高の58.02ドル、Platinumは0.7%高の1,653.78ドルとなり、主要3金属がそろって反発しています。
海外価格の反発には二つの経路があります。一つは協調介入によるドル安で、ドル建て貴金属が他通貨の投資家にとって買いやすくなったことです。もう一つは原油急落で、インフレ再加速と追加利上げへの警戒がやや和らいだことです。ただし、米金融当局者には利上げを支持する意見があり、米雇用・景気指標が強ければ金利面の逆風が戻ります。
国内価格は海外と逆方向です。田中貴金属が9時30分に公表した小売価格は、金が1グラム=22,624円と前営業日比771円安、銀が332.64円と10.34円安、Platinumが9,365円と235円安でした。東京金先物も10時12分時点で20,836円と690円安です。
| 貴金属 | 海外の確認価格 | 海外の動き | 国内小売価格 | 国内前日比 |
|---|---|---|---|---|
| Gold | 4,067.06ドル/オンス | +0.7% | 22,624円/グラム | -771円 |
| Silver | 58.02ドル/オンス | +0.7% | 332.64円/グラム | -10.34円 |
| Platinum | 1,653.78ドル/オンス | +0.7% | 9,365円/グラム | -235円 |
同じ日に海外3金属が上昇し、国内3金属が下落したのは、円換算の影響が海外価格の反発を上回ったためと考えられます。国内金を判断する場合、Goldのドル建てチャートだけでなく、ドル円が156円を回復できるかを同時に確認する必要があります。
原油は80.63ドルへ4.77%急落
WTI原油9月限は東京時間10時12分時点で1バレル=80.63ドルと、前営業日比4.04ドル、4.77%下落しました。トランプ米大統領がイランへの追加攻撃を見送り、3日午後から新たな協議を始めると表明したことが背景です。シンガポールの報道では、原油は週明けの取引開始時に5ドル超下落しました。
原油急落は、日本にとって輸入物価の低下を通じた円の交易条件改善要因です。同時に、米国ではインフレ懸念と利上げ観測を弱める可能性があり、米金利とドルの下押しを通じてGoldを支えます。ただし、交渉は始まる前の段階であり、ホルムズ海峡の正常化や恒久的合意が確認されたわけではありません。協議不調で原油が急反発すれば、この経路は逆回転します。
Goldにとって地政学リスクの低下は安全資産需要を弱める要因ですが、今回は原油安による金利上昇懸念の後退とドル安が優勢になっています。「緊張緩和ならGold安」と一方向に決めず、原油、米2年債利回り、ドル指数のうち二つ以上が同じ方向に動くかを確認します。
中国PMI下振れ、豪州はインフレ再加速を警戒
中国の7月RatingDog製造業PMIは50.9と、予想52.1、前回51.7を下回りました。景況の拡大・縮小の境目である50は上回ったものの、3月以来の低水準です。上海総合指数は11時09分時点で0.49%安、香港ハンセン指数は0.16%高と方向が分かれました。
豪ASX200指数は0.18%安でした。豪州の民間インフレ指標は7月に前月比1.0%上昇し、年内利上げ観測が広がっています。AUDUSDは前営業日0.704付近でほぼ横ばいでしたが、AUDJPYは協調介入による円高の影響を強く受けます。豪州の物価上昇が豪ドルを支えても、円の政策要因が上回れば豪ドル円は下落し得ます。
SilverとPlatinumは工業需要の影響を受けるため、中国PMIの下振れはGoldより重い材料です。午前は3金属が同率で反発していますが、欧州・米国時間にSilverとPlatinumだけが伸び悩む場合、景気懸念が安全資産需要より優勢になった可能性があります。
| アジア・豪州市場 | 11時09分時点 | 騰落率 |
|---|---|---|
| 香港ハンセン指数 | 25,925.50 | +0.16% |
| 上海総合指数 | 3,813.63 | -0.49% |
| 台湾加権指数 | 43,393.97 | +0.69% |
| 韓国総合指数 | 6,352.06 | -3.69% |
| 豪ASX200指数 | 8,960.30 | -0.18% |
本日の重要時刻と二つのシナリオ
本日は米イラン協議に加え、欧州と米国の製造業指標が続きます。特に23時の米ISM製造業景気指数は、米金利とドルを通じてドル円とGoldの双方を動かす可能性があります。
| 日本時間 | 予定 | 市場予想・注目点 |
|---|---|---|
| 15:00 | ドイツ小売売上高 | 前月比-0.5% |
| 16:55 | ドイツ製造業PMI確報 | 52.2 |
| 17:00 | ユーロ圏製造業PMI確報 | 52.0 |
| 時刻未定 | 米イラン協議 | 原油、Gold、ドル |
| 22:45 | 米製造業PMI確報 | 53.8 |
| 23:00 | 米ISM製造業景気指数 | 54.1、前回53.3 |
| 23:00 | 米建設支出 | 前月比0.2% |
円高継続シナリオは、追加介入への警戒が続き、ドル円が155.50円を明確に下回る場合です。次は155.00円、154.50円が意識されます。原油安とドル安が同時に続けば海外Goldは4,100ドルを試す一方、国内金は円換算で上値が抑えられる可能性があります。
反発シナリオは、実弾介入が確認されず、ドル円が156.50円を回復する場合です。157.28円から158.00円が戻りの確認帯になります。ただし、日米当局が追加介入を明言しているため、158円超では通常より急な反落に備える必要があります。米ISMが予想を上回り米金利が上昇すれば、ドル円の反発と海外Goldの失速が同時に起こり得ます。
本日のトレード戦略
外国為替の戦略
ドル円の観察レンジは154.50円から158.00円です。1週間物ボラティリティーが15.24%まで上昇しているため、通常日の値幅や損切り幅をそのまま使うと過大なポジションになりやすく、取引量を抑える必要があります。
| 条件 | 条件付き戦略 | 次の確認水準 | 無効化条件 |
|---|---|---|---|
| 155.50円割れ、戻りも弱い | 155円台への戻りが抑えられるか確認 | 155.00円、154.50円 | 156.20円回復 |
| 156.50円回復、米金利上昇 | 押し戻し後の156.50円維持を確認 | 157.28円、158.00円 | 155.80円割れ |
| 158.00円超え | 追随せず追加介入の有無を確認 | 159.00円、160.00円 | 157.28円割れ |
| 突発的に1円以上動く | 初動を追わず5分以上の定着を待つ | 直近高安 | 全戻し |
ユーロドルはドル全面安が続けば1.16方向を試しやすい一方、ユーロ円は円高の影響を受けます。AUDJPYも豪州の利上げ観測より協調介入が優勢です。クロス円を取引する場合、対象通貨の強弱より円要因が主導していないかを確認します。
貴金属の戦略
Goldは4,040ドル、4,067ドル、4,100ドルを短期の判断帯とします。原油が80ドル台前半で低下し、ドル指数と米金利も下がる場合は4,100ドルの回復を確認します。4,100ドル超で定着すれば4,120ドル方向が次の目安です。この上昇シナリオは4,040ドル割れで無効です。
反対に、米ISMが強く米金利とドルが反発し、Goldが4,040ドルを割る場合は4,000ドルの心理的節目を警戒します。下落シナリオは4,067ドルを回復し、原油安とドル安が同時に続く場合に無効とします。
Silverは58.02ドルを基準とします。Goldが4,067ドル以上を維持し、中国関連株が下げ止まる場合に58.50ドル方向の反発を確認します。中国PMI下振れと株安が続き、58ドルを割る場合は工業需要への懸念を優先します。この弱気シナリオは58.50ドル回復で無効です。
Platinumは1,653.78ドルを基準とし、1,650ドルの維持とSilverとの相対強弱を見ます。国内価格は235円安で、円高の影響が大きいため、海外価格の反発だけを根拠にしません。ドル円が156.50円を回復し、海外Platinumも1,660ドルを超える場合に国内価格の下げ止まりを確認します。ドル円155円割れ、または海外価格1,640ドル割れでこの見方を無効とします。
引用文献
- 本日の見通し ドル円は28年ぶりの協調介入の影響と中東情勢を受けてドル安円高継続か
- ドル円急落、日米財務相「さらなる協調介入に躊躇せず」
- ドル円は155.50円台まで、追加介入観測も
- 通貨オプション ドル円1週間物は15%台
- Gold gains as oil slumps after Trump holds off on Iran attack
- 東京金 円買いを受けてマイナス圏
- 田中貴金属 貴金属価格情報
- NY原油 時間外取引 イランへの追加攻撃中止などで大幅安
- 中国RatingDog製造業PMIは50.9
- アジア株 韓国急反落、豪州株も小幅安
- Morning Wrap: ASX 200 to fall, S&P 500 higher as Amazon surges
- Markets live updates: ASX down despite Wall Street rally
- 本日の予定 経済指標
- 本日の予定 発言・イベント
免責事項: 本レポートに含まれる情報は、情報提供のみを目的としており、投資助言を意図するものではありません。実際の取引においては、ご自身のリスク許容度に合わせて判断を行ってください。


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