2026年9月4日 昨日の振り返りと今日の見通し

朝焼けの金融都市を背景にGold・Silver・Platinumを配置した2026年9月4日の外国為替・貴金属市況アイキャッチ 日々の相場見通し

TL;DR

昨日の振り返り

  • 9月3日のドル円は158.97円から155.30円まで下落し、155.81円で終了しました。日銀の利上げペース加速観測に加え、ウォラーFRB理事の発言で米9月利上げ観測が後退し、「円買い+ドル売り」が重なりました。
  • 米8月ISM非製造業景況指数は55.4と予想・前月の54.1を上回りましたが、米金利は低下。米2年債は4.336%、10年債は4.768%付近で終了し、ドル円の下押しとGoldの反発を支えました。
  • Goldは大幅反発しました。COMEX12月限は4,539.90ドル、前日比+125.30ドル(+2.84%)。9月4日アジア時間の現物Goldは4,468ドル前後、Silverは66.59ドル、Platinumは1,799ドル前後です。

 

 

今日の見通し

  • ドル円は155円が最大の短期節目です。東京午前は156.16円まで戻しましたが、日銀9月利上げ観測が残るため戻りは限定的。155円割れなら円高加速、156.60円超なら短期ショートカバーを警戒します。
  • アジア株はFed利上げ観測の後退を受け上昇。ReutersではMSCIアジア太平洋株指数が1%高、中国CSI300が1%高、日経平均が0.8%高。豪州株も朝方プラス圏で、リスク資産には追い風です。
  • 今晩21:30 JSTの米8月雇用統計が最大材料です。NFP予想は+5.5〜5.6万人、失業率4.1%、平均時給は前月比+0.3%。弱ければドル円155円割れ・Gold4,500ドル試し、強ければ逆方向を基本シナリオとします。

 

 

 

ドル円155円攻防、Goldは4468ドル前後で米雇用統計待ち

9月4日の市場は、週前半まで続いた「原油高→インフレ懸念→米金利上昇→ドル高」から景色が変わっています。ドル円は9月2日に160円台へ上昇した後、3日には155.30円まで急落しました。一方、Goldは4,300ドル台から4,400ドル台後半へ大きく反発しています。

今回の値動きは、日米の金融政策観測が逆方向へ動いたことで説明しやすいです。日本では日銀の9月追加利上げ観測が強まり、米国ではウォラーFRB理事の発言を受けて9月利上げ観測が後退しました。Reutersによれば、市場は日銀が9月に動く確率を約75%まで織り込み、10月までの利上げはほぼ完全に織り込んでいます。一方、Fedの9月利上げ確率は約50%です。

事実として確認できるのは、円が週間で約2.6%上昇していること、米2年・10年債利回りが前日から低下したこと、Goldが前日に約2%上昇したことです。分析としては、円ショートとGoldショートの巻き戻しが同時に起き、値幅を増幅した可能性が高いとみます。    

 

 

ドル円は155.30円まで急落、東京午前は156.16円

みんかぶが9月4日に公表した前日四本値では、ドル円の9月3日高値は158.97円、安値は155.30円、終値は155.81円でした。外為どっとコムも155.30円前後まで下落したと報告しており、複数ソースで整合します。

9月4日の東京午前は156.16円付近まで反発しました。急激な円高はいったん一服していますが、前日安値155.30円、7月末の介入後安値155.22円前後、5月の安値155.03円前後が密集しており、155円はテクニカルにも心理面にも重要です。

ここで「155円を割れば必ず介入」という見方は適切ではありません。足元の円高はむしろ日銀利上げ観測と米利上げ観測後退で説明できます。日本当局は市場を高い緊張感を持って注視していますが、本日確認した当日報道では新たな実弾介入は確認されていません。

一方、オプション市場ではドル円1週間物ボラティリティが急上昇しており、米雇用統計を通過すると155円近辺のストップやヘッジが値動きを増幅する可能性があります。

日銀利上げ観測とFed利上げ観測後退がドル円とGoldへ与える影響
日銀利上げ観測とFed利上げ観測後退がドル円とGoldへ与える影響

 

日銀9月利上げ観測が円を支える

Reutersは9月4日、市場が日銀の9月利上げを約75%織り込み、10月までの利上げをほぼ完全に織り込んでいると報じています。前日までの円高は、単なる介入警戒ではなく金融政策の期待変化を伴っています。

これはドル円にとって大きな変化です。160円台まで上昇した局面では「米金利上昇+日銀の緩やかな正常化」が円売りを支えていました。しかし日銀が想定より速く利上げするなら、日米金利差の縮小速度も変わります。

ただし、市場は短期間でかなりの利上げを織り込みました。今後の日銀関係者の発言が慎重なら、円買いポジションの巻き戻しから156〜157円台へ反発する余地があります。したがって現在は「円高トレンド確定」と断定するより、155円と157円のどちらを雇用統計後に抜けるかを見る局面です。  

 

   

ウォラー発言で米9月利上げ確率は約50%

Fed側ではウォラー理事の発言が重要でした。インフレが2%目標へ向けて鈍化し続けるなら、9月会合で政策金利の据え置きを支持する用意があると述べました。

Reutersによれば、9月利上げ確率は前日の約63%から約50%へ低下しました。米2年債利回りは4.338%付近、10年債は4.762%付近でアジア時間を迎えています。

ただし米経済が急激に悪化しているわけではありません。3日に発表されたISM非製造業景況指数は55.4と前月54.1から上昇し、新規受注や雇用なども改善しました。つまり「景気悪化で利上げ不能」という単純な状況ではなく、Fedが雇用とインフレのどちらを重視するかが焦点です。    

 

 

Goldは4468ドル、Silver66.59ドル、Platinum1799ドル

Reutersの9月4日報道では、現物Goldは4,468.27ドル、Silverは66.59ドル、Platinumは1,799.44ドルでした。シンガポールのBusiness TimesもGoldを4,475ドル前後と報じており、時間差を考えれば整合的です。

Goldは3日に約2%上昇しました。COMEX12月限は4,539.90ドルで終了し、前日比+2.84%でした。OANDAのXAUUSDも9月3日終値を4,472.965ドル、前日比+1.93%としています。商品先物、現物、CFDでは価格体系が異なるため絶対値は一致しませんが、いずれも「3日は大幅反発」という方向は共通しています。

Goldの反発は中東情勢だけではなく、米金利低下とドル安が重要です。Goldは利息を生まないため、政策金利の期待低下は保有コスト面で追い風になります。今日の雇用統計が弱ければ、この経路がもう一段働く可能性があります。

SilverとPlatinumはGoldより工業需要の影響が大きいため、米雇用が極端に弱く株式市場が急落する場合は注意が必要です。「Gold高=Silver・Platinumも同じ比率で上昇」とは限りません。  

 

   

原油95ドル台、Goldの強気シナリオに残る弱点

ReutersによるとBrent原油は週次で約7%上昇し、9月4日アジア時間も95.52ドル付近と6週間ぶり高値圏です。米WTIも91ドル台で推移しています。

原油高はGoldに二つの相反する作用を持ちます。中東情勢悪化なら安全資産需要はGoldを支えますが、原油高がインフレ期待を押し上げれば米金利上昇を通じてGoldの逆風になります。

したがって、今夜の雇用統計が弱くてもBrentが100ドル方向へ急騰するなら、Goldの上昇が素直に続かない可能性があります。雇用統計と同時に米2年・10年債、原油を確認するのが重要です。  

 

   

アジア株は反発、豪州は米雇用待ち

Reutersの9月4日アジア市場記事では、MSCIアジア太平洋株指数が1%上昇、中国CSI300が1%高、韓国KOSPIが1.1%高、日経平均が0.8%高でした。シンガポールのBusiness Timesも朝方、MSCIアジア太平洋株指数0.3%高、豪S&P/ASX200が0.4%高と報じています。時点は異なりますが、アジア株が総じて反発している点は共通しています。

豪州については9月4日午前までにAUDを大きく動かす新しい国内大型指標はありません。前日の豪7月貿易収支は19.23億豪ドルの黒字で予想15.00億豪ドルを上回りましたが、これは本日の新規材料ではないため背景情報にとどめます。

オージードルの前日終値は0.7201ドル、高値0.7208ドル、安値0.7159ドルでした。AUDUSDはFed利上げ観測後退によるドル安が支援材料ですが、AUDJPYは円そのものの強さが上値を抑えます。本日は両者を同方向のトレードとして扱わない方がよいでしょう。    

 

 

21:30の米雇用統計が今週最大のイベント

9月4日21:30 JSTに米8月雇用統計が発表されます。みんかぶの市場予想は非農業部門雇用者数+5.5万人、失業率4.1%、平均時給が前月比+0.3%、前年比+3.0%です。ReutersのコンセンサスはNFP+5.6万人で、ほぼ同水準です。

前回NFPは-2.3万人でした。今回予想どおりでも米国としては低い雇用増です。重要なのはNFP単独ではなく、失業率と平均時給の組み合わせです。

NFPが予想を下回り、失業率が4.1%を超え、平均時給も弱ければ、9月利上げ確率は50%からさらに低下しやすくなります。米金利低下、ドル安、ドル円155円割れ、Gold4,500ドル試しが基本シナリオです。

逆にNFPが10万人を大きく上回り、平均時給も強ければ、Fed利上げ観測が復活する可能性があります。その場合は米金利上昇、ドル円157円方向への反発、Gold4,430ドル方向への調整を警戒します。

米雇用統計が弱い場合と強い場合のドル円・Goldシナリオ
米雇用統計が弱い場合と強い場合のドル円・Goldシナリオ

 

 

本日のトレード戦略

外国為替の戦略

ドル円は155.00〜157.00円を主要監視レンジとします。155円は前日安値155.30円、過去の介入後安値155.22円・155.03円に近く、オプション市場でも意識されています。

弱い雇用統計で155円を明確に割り、米2年債・10年債利回りも低下するなら154.50円、さらに154円方向を確認します。反対に雇用が強く156.60円を上抜けるなら157.00〜157.50円へのショートカバーを想定します。

雇用統計直後は初動だけを追わず、米2年債と10年債が同方向へ動くかを確認します。AUDUSDは弱い米雇用ならドル安を通じて上昇しやすい一方、AUDJPYは円高の影響を強く受けます。  

 

   

貴金属の戦略

Goldは4,450ドルを短期の中心、4,500ドルを上値の重要節目とします。弱い雇用統計と米10年債利回り4.70%割れが同時に起きれば、4,500ドル突破を確認します。

逆に雇用が強く米10年債が4.80%方向へ反発する場合は4,430ドル、さらに4,400ドル方向への押しを警戒します。原油が100ドル方向へ急騰する場合も、インフレ経由の米金利上昇に注意します。

Silverは66ドルを短期ピボットとします。Gold高と株式市場の安定が両立すれば67ドル方向を確認します。Platinumは1,800ドル近辺が目先の分岐で、1,800ドルを明確に回復しアジア株も堅調なら上方向を確認します。  

 

 

引用文献

 

 

免責事項: 本レポートに含まれる情報は、情報提供のみを目的としており、投資助言を意図するものではありません。実際の取引においては、ご自身のリスク許容度に合わせて判断を行ってください。

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