2026年10月13日 昨日の振り返りと今日の見通し|ドル円158円台と米CPI・RBA議事要旨

2026年10月13日の為替・貴金属市況、東京の金融市場と金・銀・プラチナのインゴットを表すアイキャッチ画像 日々の相場見通し

TL;DR

昨日の振り返り

  • 12日のドル円は日米の祝日で商いが薄いなか上昇し、NY時間に158.75円前後まで買われました。中東情勢の悪化と原油高を背景に「有事のドル買い」が優勢となり、米ドル指数は前日比0.3%上昇しました。
  • Goldはドル高を嫌気して反落しました。OANDAの金CFD終値は4171.650ドルで前日比22.995ドル安。NY金先物は4190.60ドル、WTI原油先物は93.74ドルとなり、金と原油の方向が分かれました。
  • 日本と米国の債券市場は祝日で休場でした。豪ASXは8783.170ポイントへ上昇した一方、上海総合は3797.242ポイントへ下落し、アジア内でも値動きに差がありました。

今日の見通し

  • ドル円は158円台半ばが主戦場です。13日10時台には158.44円前後。目先は200日移動平均線の158.56円付近と、前日高値158.75円、159円の売り注文帯の攻防を確認します。
  • 日本の9月国内企業物価は前年比6.8%と予想7.6%を下回りました。一方、豪州のRBA議事要旨は追加利上げの可能性を残しました。日豪金利見通しの変化が円・豪ドルの相対的な強さを左右します。
  • Goldは13日アジア午前に4164.45ドル、Silverは60.01ドル、Platinumは1682.47ドル。米CPIを14日に控え、ドル高・金利高の逆風と中東リスクの下支えが綱引きになる見通しです。

昨日の外国為替市場

事実:祝日で薄商いのなかドル円は158.75円まで上昇

12日(月)は日本がスポーツの日で休場、米国も債券市場が休場でした。ただし為替市場と米株式市場は通常どおり取引され、材料への反応が見られました。外為どっとコムによると、ドル円は終値ベースで前日比約0.2%上昇し、NY時間には9月25日以来となる158.75円前後を付けています。米ドル指数も12日に0.3%上昇し、13日朝は102.56近辺と約18カ月ぶりの高値圏を維持しました。

サウジアラビアの空港や中東の海上交通への脅威が原油高を招き、インフレ懸念を強めました。ハマック米クリーブランド連銀総裁も、インフレ抑制に向けた比較的速やかな政策調整が望ましいと述べました。

一方、欧州通貨はドルに対して重く、13日アジア早朝のユーロドルは1.1159ドル前後、ポンドドルは1.3209ドル前後でした。欧州債券市場ではフランス国債への懸念もユーロの圧迫要因となっています。円だけでなくユーロや豪ドルも対ドルで弱含んだため、今回の動きは単なる円安というより、広い範囲のドル買いとして捉える必要があります。

分析:円安要因と有事のドル買いを分解する

円は通常、世界的なリスク回避局面で買われることもあります。しかし今回は原油高による日本の輸入コスト増と米国の金利高止まり観測が同時に働いており、避難先としてのドルが優勢でした。日本の追加利上げ期待が弱くなればドル円を下支えしますが、逆に日本のインフレ指標が利上げ観測を強めれば上昇を止める可能性があります。

流動性が薄い祝日の値動きは、通常営業日に参加者が戻ったときに再評価されます。したがって158.75円への到達を即座に本格的な上放れと判断するのは早計です。13日は東京現物市場の再開、企業物価の公表、豪州金融政策の材料がそろい、前日の上昇が持続するかを試す日になります。

今日の外国為替市場

事実:ドル円158.44円、米金利5.214%を確認

Reutersが13日10時44分頃のアジア市場で確認したドル円は158.435円、ユーロドルは1.1159ドル、豪ドル米ドルは0.6956ドルでした。別の同日朝のReuters市場概況ではドル円158.50円、米10年債利回り5.214%、MSCIアジア株指数(日本除く)は約2%安でした。価格は刻々と変わるため、これらは同一時刻の固定値ではありません。

外為どっとコムの朝の見通しでは200日移動平均線が158.56円前後。想定レンジは158.00~159.40円です。12日の高値158.75円、心理的節目159円を上側の確認点とする一方、OANDAの注文情報では157円台半ばに買い注文が厚く、159円近辺に売り注文が厚い状態です。これは特定社の顧客注文を示すもので、市場全体の注文量とは異なります。

米国では13日16時45分にウォラーFRB理事の講演、20時にグールズビー・シカゴ連銀総裁の発言と米大手銀行決算、23時に9月中古住宅販売件数が予定されています。14日21時30分には米9月CPIが控え、当日の値動きもCPIに向けた持ち高調整の影響を受けやすいと考えられます。

分析:158.56円と158.75円を挟む攻防

158.56円付近の200日線を維持して158.75円を上抜き、かつ米10年債利回りが反発する場合は、159円から159.40円への上値試しが想定されます。逆に、200日線へ戻れず158円を割り込む場合は、157円台半ばの買い注文帯まで調整する可能性があります。どちらも条件付きの見通しであり、価格水準そのものが利益を保証するわけではありません。

ドル円だけでなくドル指数102台半ば、ユーロドル1.11ドル台半ばを確認します。ドル指数とドル円が同時上昇なら広範なドル高、ドル円だけ上昇なら円固有の弱さと読み分けられます。

中東原油リスクと金利、日本企業物価からドル円へ伝わる影響を示した因果関係図
中東原油リスクと金利、日本企業物価からドル円へ伝わる影響を示した因果関係図

日本の経済指標と日銀

事実:9月国内企業物価は前年比6.8%へ鈍化

日本銀行が13日8時50分に公表した9月の国内企業物価指数は前月比マイナス0.3%、前年比プラス6.8%でした。市場予想は前月比プラス0.4%、前年比プラス7.6%で、いずれも下回りました。8月の前月比はマイナス0.2%からマイナス0.3%へ修正されています。Reutersは、円安と原油高によって輸入物価が前年比24.5%上昇した点にも注目しています。

前年比伸び率が鈍化しても価格水準自体は下がっていません。日銀は10月29~30日の会合で、輸入コストの消費者物価への波及と賃金・消費動向を総合的に判断します。

分析:企業物価の下振れは利上げ観測を一方向には変えない

企業物価の前月比マイナス0.3%は短期的には追加利上げ期待を弱め、円売り材料となり得ます。しかし前年比6.8%は依然高く、輸入物価の上昇も続いているため、「物価が落ち着いたので利上げ不要」と結論づけることはできません。日銀が重視するのは最終的な消費者物価と賃金の持続的な上昇です。

ここでは二つのルートを分けて見る必要があります。輸入価格が企業や家計へ広く転嫁されれば利上げ期待が高まり、円買い要因になります。他方で、エネルギー高が実質所得を圧迫して景気を弱めるなら日銀の正常化余地が狭まり、円売り要因にもなります。数字の強弱だけで即断せず、金利と為替の実際の反応を優先します。

アジア・香港・シンガポール市場

事実:アジア株が下落、人民元は四年ぶり高値圏

13日のアジア市場では株式のリスク回避が進みました。Reutersのシンガポール発市場概況によると、MSCIアジア太平洋(日本除く)は朝方約2%安、韓国KOSPIは約6%安、休場明けの日経平均は約2.6%安でした。前夜の米半導体株安に加え、中東原油高による金利・インフレ警戒が成長株に逆風となっています。いずれも取引途中の値であり、終値ではありません。

香港関連では、Reutersのシンガポール発記事がオフショア人民元を1ドル=6.6950元前後、約4年ぶりの高値圏と報じています。ドル高局面でも人民元が比較的底堅いことは、中国要因が他のアジア通貨と異なる動きをしていることを示します。ただし人民元相場だけから香港株式市場全体の値動きを推測することは避けます。

シンガポールのThe Business Timesは13日朝、サウジアラビアへの攻撃やロシア・ウクライナのエネルギー施設への攻撃を背景に、前日のBrent原油が約1.8%上昇して107ドル近辺で引けたと伝えました。13日アジア朝には106.04ドル、さらに別のReuters時点では105.74ドルまで反落しています。前日終値と当日速報を混同しないことが重要です。

分析:原油高がドル買いと株安を同時に招く構図

エネルギー価格上昇は輸入国の実質所得や企業利益を圧迫しつつ、米国などのインフレ期待と金利を押し上げます。この組み合わせではドル買い、アジア株売り、Goldの金利負担増が同時進行しやすくなります。一方、原油高が地政学リスクを反映している場合、Goldには安全資産需要も生まれるため、同じニュースから逆向きの圧力がかかります。

香港の人民元・中国需要と、シンガポールの原油・海運・精製品市況を併せると、アジア固有のリスクを把握しやすくなります。特に原油輸送ルートと米金利を監視します。

豪州・豪ドル市場

事実:RBA議事要旨は政策金利4.60%と追加引き締め余地を確認

豪準備銀行(RBA)は13日、9月28~29日会合の議事要旨を公表しました。同会合では25bpの利上げを全会一致で決め、政策金利を4.60%としています。議事要旨では、原油高、世界のAI投資需要、国内の供給制約がインフレ上振れのリスクであり、必要ならさらなる利上げも実施するとの考えが示されました。

ただしRBAは住宅価格下落やローン負担増、消費鈍化も認識しています。Reutersによると、議事要旨後の豪ドル米ドルは0.6956ドル前後で小幅安でした。

OANDAの13日朝の分析では、12日の豪ドル円は終盤にやや円高へ振れ、13日朝は110円台半ばでした。外為どっとコムの本日想定レンジは109.90~110.70円。15日9時30分には豪州9月雇用統計が予定されており、RBAのインフレ警戒と雇用の強さがどこまで整合するかが次の焦点です。

分析:豪州の利上げ期待と世界的リスク回避が綱引き

RBAが追加利上げを辞さない姿勢は金利差を通じて豪ドルの下支え要因です。しかし株安・中国景気懸念・原油高がリスク通貨売りにつながれば、その効果を打ち消します。したがって豪ドル円が上昇しても、AUD/USDが下がりながらUSD/JPYだけで押し上げられているなら、豪ドル固有の強さとは見なしません。

本日はAUD/USDの0.69ドル台維持、豪ドル円110円台半ばの定着、株式市場の下落率縮小を併せて確認します。原油や鉄鉱石は豪州経済に重要ですが、今日の鉄鉱石価格を信頼できる同日時点で照合できないため、具体的な価格や方向を断定しません。

昨日の貴金属市場

事実:Goldは反落、原油は大幅上昇

OANDAの金CFDは12日を4171.650ドルで終え、前日比22.995ドル安(0.55%下落)でした。現物金や先物金とは価格基準が異なります。外為どっとコムが掲載したNY金先物は4190.60ドルで25.70ドル安、WTI原油は93.74ドルで1.89ドル高でした。金と原油が逆方向に動いた点が前日の特徴です。

ドル高・金利高が地政学リスク由来の金買いを上回りました。OANDAによると、CFTCの金投機筋ネット買い越しは約21万枚ですが、4週連続で縮小しています。

分析:原油高だから金も上がるとは限らない

原油急騰は二つの相反する経路でGoldに作用します。紛争激化への不安は安全資産需要を強める一方、インフレ再加速への警戒が米政策金利と実質金利の上昇につながれば、利息を生まないGoldには逆風です。12日はドル指数上昇とGold下落が同時に起き、金融条件の経路が優勢だったと評価できます。

米金利が低下しドルも弱くなる場合は反発が起きやすくなりますが、原油が上昇しても米金利とドルが一段高になればGoldは下押しされる可能性があります。トレード判断では中東ニュースだけでなく、米10年債利回りとドル指数を同時に見る必要があります。

今日の貴金属市場と原油

事実:Gold4164ドル、Silver60ドル、Platinum1682ドル

Reutersが13日11時01分JST頃に確認したスポット価格は、Goldが1オンス4164.45ドル(前日比0.2%安)、Silverが60.01ドル(0.5%安)、Platinumが1682.47ドル(0.2%安)です。金先物12月限は4187.90ドルで、現物金とは異なる限月・受け渡し条件が価格差を生みます。3金属がそろって小安く推移し、ドル高を嫌気する地合いでした。

市場は14日の米CPI、15日の米PPIを待っています。Reutersの集計では、13日午前時点で市場の利上げ確率は10月が約21%、12月が約88%でした。これは時点ごとに変動する市場価格から算出された確率であり、将来の政策を保証するものではありません。米CPIが予想より強い場合、直近FOMCでの追加利上げ観測が強まる余地があります。

原油は12日にBrent先物が106.65ドルで引けた後、13日早朝に106.04ドル、アジア時間には105.74ドル近辺へ軟化しました。ロシア産ディーゼル供給増加への期待が一時的な下押し要因ですが、サウジアラビアやホルムズ海峡近辺の供給障害リスクは残ります。原油価格の数字には銘柄・先物限月・確認時刻の違いがある点に注意が必要です。

分析:Goldは4150ドル、Silverは60ドル、Platinumは1680ドルが目先の観察点

Goldは4150ドルを短期の観察線とし、同水準を維持しながら米金利が低下すれば4200ドルへの戻りを試す余地があります。一方、CPI前のドル買いが強まり4150ドルを割る場合は、4100ドル台への調整に注意します。これらは当日の相場から置いた仮説的な確認水準で、確定した需給の壁ではありません。

Silverは60ドルの節目を保てるかが焦点です。貴金属としての金価格に連動するだけでなく、電子部品・太陽光などの工業需要にも敏感であり、アジア株の下落が深まれば金より強く売られる場合があります。Platinumは1680ドル付近を観察します。自動車触媒など固有の産業需要と供給事情が価格を左右するため、安全資産としてのGoldと同一視しないことが重要です。

Gold・Silver・Platinumの価格基準と金融・地政学・産業需要の影響を比較する図
Gold・Silver・Platinumの価格基準と金融・地政学・産業需要の影響を比較する図

本日のトレード戦略

外国為替の戦略

ドル円は158.00~159.40円を観察レンジとし、158.56円付近の200日線、前日高値158.75円、159円付近の売り注文帯を段階的に確認します。米金利が上昇し158.75円を明確に突破する場合は上方向に追随余地がありますが、159円台では急反転にも注意します。逆に158.56円へ戻れず158円を割る場合は、157円台半ばの買い注文帯までの調整を想定し、早急な逆張りを避けます。

豪ドル円は109.90~110.70円の想定レンジを参考にし、AUD/USDとUSD/JPYのどちらが主導しているかを確認します。RBA議事要旨がタカ派でも世界的な株安でAUD/USDが下落するなら上値追いは慎重にします。米CPIの前日であるため、通常時よりポジションサイズを抑え、損失許容額を固定して臨みます。

貴金属の戦略

Goldは4150ドルの維持と4200ドルへの戻りを条件付きで想定します。米10年債利回りが低下しドル指数も軟化するなら買い優位、逆に4150ドルを下抜け米金利が上昇するなら戻り売り優位という二つの仮説を準備します。Silverは60ドル、Platinumは1680ドルを確認線として、両者の強弱がGoldと異なる場合は工業需要や株式市場の反応を見直します。

前日終値と13日午前の速報、金現物・金先物・CFD、WTIとBrentの価格は必ず区別してください。指標発表前の薄い板やニュース直後の急変動では、テクニカルな水準が機能しないこともあります。

引用文献

免責事項: 本レポートに含まれる情報は、情報提供のみを目的としており、投資助言を意図するものではありません。実際の取引においては、ご自身のリスク許容度に合わせて判断を行ってください。

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