2026年9月7日 ドル円156円・Gold4426ドル、強い米雇用後も円高警戒|Silver・Platinum見通し

Gold・Silver・Platinumと為替市場をモチーフに、米雇用統計後のドル円156円台と2026年9月7日の市場見通しを表現したアイキャッチ 日々の相場見通し

TL;DR

昨日の振り返り

  • 先週末のドル円は米雇用統計の強さを受けて156.75円まで上昇した後、155.30円まで急反落し、156.26円で終了しました。強い米指標でもドル高が持続しなかった点が重要です。
  • 8月米雇用者数は16.2万人増と市場予想5.6万人増を大きく上回り、失業率は4.1%で横ばい。9月FOMCでの利上げ観測が再び強まり、米金利上昇がGoldの重石となりました。
  • NY貴金属はGold、Silver、Platinumがそろって週末に下落。Goldは一時4,400ドルを割り込みましたが、週中安値4,282ドルからは大きく戻しており、地政学リスクが下値を支えています。

 

 

今日の見通し

  • ドル円は156円を中心としたレンジを基本としつつ、155円割れなら円高加速に警戒します。BOJの9月利上げ観測と円キャリー取引の巻き戻しが円を支えています。
  • Goldは4,400ドル前後が目先の分岐点です。強い米雇用と利上げ観測は逆風ですが、中東情勢と原油高は安全資産需要を支えるため、一方向には傾きにくい環境です。
  • 本日は米国がレーバーデーで休場です。NY時間は流動性が低くなりやすく、通常より小さな注文でも値が振れやすいため、ブレイクを追いかけるより押し・戻りを待つ方針が適しています。

 

 

 

先週末の外国為替市場

9月7日朝のドル円は156.20円前後で始まりました。先週末終値156.26円とほぼ同水準ですが、金曜日の値動きは非常に荒いものでした。米8月雇用統計の発表直後、ドル円は156円前後から156.75円まで急騰。その後は材料らしい材料が乏しいまま155.30円台まで反落し、再び156円台へ戻しています。

米雇用統計そのものは明確に強い内容でした。非農業部門雇用者数は前月比16.2万人増となり、市場予想の5.6万人増を大幅に上回りました。6月と7月分も合計5.5万人上方修正され、失業率は4.1%で横ばいでした。これを受け、市場が織り込む9月FOMCでの利上げ確率はおよそ6割まで上昇しました。

通常であれば「強い雇用統計→米金利上昇→ドル高」という流れが続きやすい局面です。しかし今回はドル円の上昇が短時間で失速しました。この値動きは、単純な米ドル買いよりも円側の需給変化を重視すべきことを示しています。

Reutersは本日、円が先週2.4%上昇した背景として、BOJの追加利上げ観測とキャリー取引の巻き戻しを挙げています。市場では9月18日のBOJ会合で25bp利上げする確率を75%程度織り込んでいます。一方、Fedの9月利上げ確率も6割弱です。つまり日米ともに利上げ観測がある中で、これまで極端に積み上がっていた円売りポジションの調整がドル円を押し下げている構図です。

本日10時台のドル円1週間物インプライド・ボラティリティは9.75%と高めです。先週末の高値156.75円、安値155.30円という1.45円のレンジを考えても、短期的には値幅拡大への警戒を残す必要があります。

9月7日:FX・貴金属の焦点
9月7日:FX・貴金属の焦点

 

 

 

Gold・Silver・Platinumの振り返り

Goldは先週末、強い米雇用統計を受けて下落しました。強い雇用はFedの利上げ余地を広げ、金利を生まないGoldには基本的に逆風です。本日シンガポール時間7時25分時点の現物Goldは4,426.67ドルで、前営業日比0.1%安。前営業日には約1%下落しています。

ただし、Goldを単純な弱気相場とみるのも早計です。先週は4,282ドルまで下げた後に大きく切り返しており、4,400ドル近辺では売り買いが拮抗しています。米国の財政・債務への懸念や中東の地政学リスクが安全資産需要を支える一方、米金利上昇が上値を抑えるという綱引きです。

Silverは本日朝に66.17ドル前後。Goldと同様に米金利上昇の影響を受けますが、Silverは工業需要の影響も大きいため、強い米景気が必ずしも全面的な悪材料とは限りません。先週末のNY銀先物は前週末比で下落しており、短期的には66ドル近辺を維持できるかが焦点です。

Platinumはやや異なる動きです。みんかぶ先物によると、本日8時10分時点の現物Platinumは1,814.90ドルで、前営業日の引け時点から7.35ドル高でした。Gold・Silverが軟調な中で相対的に底堅く、1,800ドル台を維持できるかに注目します。

原油も貴金属を見るうえで無視できません。Brentは本日朝96.45ドル、WTIは91.85ドル前後。米国とイランの緊張が再び強まり、先週のBrentは約10%上昇しました。原油高はインフレ期待を押し上げて利上げ観測を強めるためGoldには逆風ですが、同時に地政学的な安全資産需要を生みます。この相反する力が、Goldが4,400ドル前後で方向感を失いやすい理由の一つです。  

 

 

           

本日の外国為替市場の見通し

本日のドル円は、156円を中心としたレンジを第一シナリオとします。前営業日のピボットは156.10円、上値抵抗は156.91円、下値支持は155.46円です。先週末高値156.75円も近いため、156.75~156.90円は最初の重要な戻り売り候補になります。

反対に155.30~155.50円を明確に割ると、心理的節目155円が次の焦点です。現在はBOJ利上げ観測だけでなく円キャリー取引の巻き戻しが意識されています。155円を明確に割れば、短期の円ショート解消が追加的な円買いを呼ぶ可能性があります。

ただし、本日は米国がレーバーデーで休場です。米国債の現物取引も休みとなるため、NY時間に通常の「米金利→ドル」という価格発見機能が弱まります。流動性が低い局面では、一時的なブレイクがそのままトレンドになるとは限りません。

AUDUSDは先週末0.7203で終了し、本日のピボットは0.7198。抵抗1が0.7220、支持1が0.7180です。原油高やアジア株高は資源国通貨の支援材料になり得ますが、豪州自身もインフレ・利上げ観測が強まっており、金利要因とリスク選好の双方を確認したいところです。本日午前のReutersでは豪ドルは小幅高となっています。

アジア株は本日堅調です。日経平均は午前に約2%高、韓国株は約3%高となり、MSCIアジア太平洋株指数も上昇しています。強い米雇用統計が世界景気への安心感につながった一方、金利上昇は株式バリュエーションの逆風です。したがって「強い雇用=全面的なリスクオン」とまでは判断しない方がよいでしょう。        

 

 

     

本日の貴金属市場の見通し

Goldは4,400ドルを中心に考えます。4,400ドルを維持して4,450ドル方向へ戻せるなら、先週の急落後の買い戻し継続を確認できます。一方、4,400ドルを明確に割り込み、戻しても同水準を回復できなければ、4,350ドル、さらに先週安値4,282ドル方向への調整余地が広がります。

本日の特徴は、米国市場休場によって米金利からの新しい情報が入りにくいことです。したがってGoldはドル指数、原油、中東関連ヘッドラインに反応しやすくなると考えます。特にHormuz海峡周辺の緊張が一段と高まれば、安全資産として買われる可能性があります。一方、原油だけが上昇し「インフレ→Fed利上げ」の連想が強まる場合は逆に売られやすくなります。

Silverは66ドルを短期の基準とします。66ドルを維持できればGoldの反発に連動しやすく、割り込めば値動きの大きさから下落が加速する可能性があります。SilverはGoldよりボラティリティが高いため、同じ金額のリスクを取る場合はポジションサイズを小さくする必要があります。

Platinumは1,800ドルが重要です。本日朝はGold・Silverに対して相対的に強く、1,814ドル台で推移しています。1,800ドルを維持する限り押し目買い優位とみますが、1,800ドルを明確に割る場合は相対的な強さが崩れたと判断します。

本日のシナリオ整理
本日のシナリオ整理

今日確認しておきたいイベント

本日は米国がレーバーデーで休場です。FRBもブラックアウト期間に入っているため、米金融政策を直接動かす要人発言は限定されます。市場の主な関心は、今週金曜日の米8月CPIへ移っています。

本日18時にはユーロ圏第2四半期GDP確報値が発表され、前期比0.4%、前年比1.0%が予想されています。ユーロドルやユーロ円を取引する場合はこの時間帯に注意が必要です。

アジア時間では日本の景気動向指数、中国の外貨準備高などが予定されています。明日には中国8月貿易統計、日本の第2四半期GDP二次速報値が控えています。AUDやJPYは本日よりも明日のアジア時間の方が材料が増えるため、本日はポジションを大きく傾けにくい日と考えます。  

 

 

           

本日のトレード戦略

外国為替の戦略

ドル円は155.30~156.90円を主要レンジとして監視します。156.75~156.90円で上値を抑えられる場合は戻り売りを優先し、156.90円を明確に上抜けた場合はいったん撤退します。下方向は155.30円割れから155円を試す動きを警戒します。

一方、155円付近で明確な下ヒゲや反転が確認できれば、短期的な円買いの行き過ぎを狙った逆張りも候補です。ただし円キャリー巻き戻しが続く局面では「安くなったドル円を買う」という発想だけで入らず、必ず反転を確認します。

AUDUSDは0.7180~0.7220を短期レンジとして観察します。0.7220を上抜ければ0.7238方向、0.7180を割れば0.7158方向が次の目安です。米休場のため、ブレイク直後を追うよりリテスト確認後のエントリーを優先します。    

 

     

貴金属の戦略

Goldは4,400ドルを最重要ラインとします。4,400ドル上で下げ止まり、4,430~4,450ドルを回復する動きなら押し目買いを検討します。4,400ドルを明確に割って戻りも弱い場合はロングを避け、4,350ドル方向への調整を警戒します。

Silverは66ドル維持なら押し目買い、明確に割れれば様子見を基本とします。Platinumは1,800ドルを維持する限り相対的な強さを評価し、1,800ドル割れでいったん強気判断を解除します。

今日は米国休場で通常より流動性が低いため、ポジションサイズを抑え、指値・逆指値を通常より慎重に設定する方針が適しています。中東関連の速報による急変にも注意します。

 

 

引用文献

 

 

免責事項: 本レポートに含まれる情報は、情報提供のみを目的としており、投資助言を意図するものではありません。実際の取引においては、ご自身のリスク許容度に合わせて判断を行ってください。

       

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