2026年9月16日 昨日の振り返りと今日の見通し

東京の朝景とGold・Silver・Platinumを配置した2026年9月16日の外国為替・貴金属市況アイキャッチ 日々の相場見通し

TL;DR

昨日の振り返り

  • 15日のドル円は154.21円まで下げた後、原油高と米長期金利上昇を受けて155.24円まで上昇し、155.10円で終了しました。米10年債利回りは一時5%台へ乗せ、FOMCでの25bp利上げ観測がドルを支えました。
  • Goldは原油高・金利高の逆風を受け、NY金12月限が4332.80ドルで19.10ドル安。16日のアジア時間には現物Goldが4328.39ドルへ0.8%上昇し、Silverは64.60ドル、Platinumは1788.25ドルと反発しています。
  • 中東の供給不安で前日に急騰した原油は、米原油在庫の予想外の増加を受けて本日は反落。ただしBrentは108.02ドル、WTIは104.73ドルと高水準で、インフレ・金利・為替に与える影響は依然として大きいままです。

  

 

今日の見通し

  • ドル円は155円台を中心にFOMC待ちです。155.49円を明確に上抜けば155.88円、さらに156.52円が候補。一方154.46円を割れば153.82円への調整を警戒します。利上げ自体は9割超織り込み済みで、結果よりも声明・ドットチャート・会見が重要です。
  • Goldは4300ドル近辺を下値の基準、4350ドル近辺を回復確認の目安とします。Fedがタカ派なら米金利上昇でGoldには逆風、利上げ後のガイダンスが想定ほどタカ派でなければ買い戻しが入りやすい構図です。
  • 日本では8月貿易赤字が1兆1056億円と予想よりやや大きく、原油高による輸入負担も円の上値を抑える要因です。ただし金曜の日銀会合では1.25%への利上げ観測が強く、Fed通過後は再び円買い材料が前面に出る可能性があります。

 

 

ドル円は155円台へ、FOMC前のドル買いが優勢

事実

15日のドル円は、みんかぶFXのピボット計算の元データで終値155.10円、高値155.24円、安値154.21円でした。前週に152円台まで進んだ円高局面からはかなり戻しており、155円を再び上回ったことで短期の地合いはドル高方向に傾いています。

外為どっとコムによると、15日は中東情勢の悪化を受けた原油高と米10年債利回り上昇がドル買いを促しました。米10年債利回りは一時5.039%前後まで上昇し、2007年以来の高水準です。Reutersでも本日の米10年債利回りは4.9938%近辺で、5%を挟んだ攻防が続いています。

FOMCでは25bp利上げの織り込みが約93%まで上昇しています。政策金利の予想は上限4.00%、下限3.75%で、日本時間17日3時に結果が発表され、その30分後に会見が予定されています。利上げそのものは相当程度織り込まれており、市場が本当に見るのは「年内にもう一段の利上げを示唆するか」「インフレと原油高をどこまで警戒するか」です。    

 

 

分析

この局面で最も危険なのは、「利上げ=自動的にドル円上昇」と決めつけることです。利上げが完全に織り込まれた状態では、発表直後に材料出尽くしのドル売りが出ることもあります。逆に、ドットチャートや会見が市場予想よりタカ派なら155円台後半から156円台への上昇が続く可能性があります。

本日のピボットは154.85円、抵抗1が155.49円、抵抗2が155.88円、ハイブレイクが156.52円です。下方向は支持1が154.46円、支持2が153.82円。東京午前には155.40円台まで上昇しており、155.49円は本日の最初の重要な上値テストになります。

発表前は154.85~155.49円の範囲では方向感を決めつけず、ブレイク後も一度戻してその水準を維持できるか確認したいところです。FOMC時刻は日本時間の深夜で流動性も変化するため、通常の東京・ロンドン時間と同じポジションサイズで入る必要はありません。

9月16日 市場の因果関係
9月16日 市場の因果関係

 

 

Goldは4328ドル、SilverとPlatinumは反発

事実

Reutersによると、16日の現物Goldは0.8%高の4328.39ドル。Silverは1.5%高の64.60ドル、Platinumは0.7%高の1788.25ドルでした。Goldは前日に原油高と利上げ観測の強まりで売られましたが、本日は原油反落とFOMC前のポジション調整から買い戻されています。

みんかぶFXのNY金概況では、15日のCOMEX金12月限は4332.80ドルで前日比19.10ドル安でした。スポット価格と先物価格は商品・限月が異なるため完全には一致しませんが、4300ドル台前半が短期的な攻防ゾーンになっている点は共通しています。

SilverとPlatinumはGoldより強い反発を見せています。Silverは64ドル台、Platinumは1780ドル台で推移しており、Goldだけを見て貴金属全体を弱気と判断する状況ではありません。ただしFOMCがタカ派となれば米金利高が再加速し、3商品とも短期的に売られる可能性があります。    

 

 

分析

Goldの短期材料はかなり明確です。ドルと米金利が上がれば逆風、ドルと金利が下がれば追い風です。一方で中東情勢は安全資産需要を支えるため、米金利が高い割にGoldが大崩れしにくい理由になっています。

4300ドルを明確に割り込み、戻りでも回復できない場合は一段安を警戒します。反対に4350ドルを回復して定着できれば、FOMC後の買い戻しが強まる可能性があります。Silverは64ドル台の維持、Platinumは1750~1800ドル帯の攻防を確認します。

今日のGold取引では、発表直後の価格だけでなく米10年債利回りを同時に見ることが重要です。例えばGoldが一度下がっても、米10年債が5%から明確に低下するなら売りを追いかけるべきではありません。逆にGoldが上昇しても金利が再び5%超へ走るなら、上昇の持続性には疑問が残ります。  

 

    

原油108ドル、在庫増で反落しても供給不安は消えていない

事実

Reutersによると、本日のBrent原油は108.02ドル、WTIは104.73ドルまで下落しています。米API統計で原油在庫が710万バレル増と、160万バレルの減少予想に反して大幅に積み上がったことが売り材料になりました。ガソリンや留出油在庫も増えています。

ただし供給側の問題は解消していません。サウジアラビアではフーシ派の攻撃を受けて東西パイプラインやYanbu港の積み出しに支障が出ており、サウジはオマーン沖での船間移送を増やしています。ホルムズ海峡の通航も不安定なままで、在庫増だけで原油が大きく崩れる環境ではありません。  

 

  

分析

原油が100ドルを大きく上回る状況が続く限り、市場は「インフレが予定通り下がらない」リスクを織り込まざるを得ません。これはFedにとって利上げを正当化する材料で、米長期金利の高止まりとドルの下支えになります。

一方、日本にとっては原油高が輸入代金を押し上げます。本日発表された8月貿易収支は1兆1056億円の赤字で、市場予想の1兆544億円赤字よりやや悪い結果でした。原油高が長引けば交易条件を通じて円売り材料になるため、日銀利上げ観測だけを見て円高を決め打ちするのも危険です。  

 

    

金曜の日銀は1.25%利上げが焦点

事実

Reutersは本日、日銀が金曜日の会合で政策金利を25bp引き上げ、1.25%とする見通しを報じています。実現すれば31年ぶりの高水準です。市場では利上げ確率が約80%まで織り込まれています。

原油高と輸入コスト上昇は日本のインフレを押し上げる一方、急激な金利上昇は国債市場や景気への負担になります。そのため、利上げの有無だけでなく植田総裁が今後の追加利上げにどこまで踏み込むかが重要です。  

 

  

分析

FOMCがタカ派で日銀も利上げする場合、日米双方の金利が上がるためドル円の方向は単純ではありません。直近では米金利上昇のスピードが勝ってドル円は155円台へ戻しましたが、Fed通過後に米金利が落ち着けば、次は日銀利上げを見越した円買いが強まる可能性があります。

したがって、今夜のFOMCだけで週後半の方向を決めない方がよいでしょう。FOMC後の米10年債、ドル円の初動、そして金曜の日銀をセットで考える必要があります。

今夜のFOMCと金曜の日銀
今夜のFOMCと金曜の日銀

 

 

本日のトレード戦略

外国為替の戦略

ドル円は155.49円を上値の第一分岐、154.46円を下値の第一分岐として見ます。155.49円を上抜き、リテスト後も維持できれば155.88円、さらに156.52円方向を検討します。一方154.46円を割り、戻りでも回復できなければ153.82円方向の調整を警戒します。

FOMC前に大きなポジションを持つ必要はありません。利上げはかなり織り込まれているため、発表直後よりも会見開始後の米10年債利回りとドル指数の方向を確認してからの方が判断しやすい局面です。

AUDUSDは前日終値0.7132、ピボット0.7130、抵抗1が0.7143、支持1が0.7119です。豪ドル自体は落ち着いていますが、今夜はドル主導になりやすいため、AUDUSDでもFOMC後のドル方向を優先します。    

 

 

貴金属の戦略

Goldは4300ドルを最重要の下値ライン、4350ドルを上方向の確認ラインとします。4300ドルを維持したまま米10年債利回りが5%を割れて低下するなら押し目買い候補。4350ドルを明確に回復すれば買い戻しが強まる可能性があります。

一方、Fedが想定以上にタカ派で米10年債利回りが5%超へ再上昇し、Goldが4300ドルを割る場合はロングを避けます。Silverは64ドル台、Platinumは1780ドル前後を基準に、Goldより相対的に強さを維持できるかを確認します。

今日は方向を当てる日というより、FOMC後の金利反応を見てから参加する日です。初動の数分で結論を出さず、声明、ドットチャート、会見を通じて「市場が次の利上げをどこまで織り込むか」を確認します。    

 

 

引用文献

 

 

免責事項: 本レポートに含まれる情報は、情報提供のみを目的としており、投資助言を意図するものではありません。実際の取引においては、ご自身のリスク許容度に合わせて判断を行ってください。

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