2026年9月23日 昨日の振り返りと今日の見通し

東京の朝景とGold・Silver・Platinumを背景にした2026年9月23日の外国為替・貴金属市況アイキャッチ 日々の相場見通し

TL;DR

昨日の振り返り

  • 22日のドル円は157.35円で始まり、157.78円まで上昇した後に156.83円まで急落し、157.39円で終了しました。介入観測がなくても157円台後半では市場が敏感に円買いへ傾く一方、米金利上昇局面ではすぐにドル買いが戻るという、上下双方に警戒が必要な値動きでした。
  • Goldは米利上げ継続観測が重石となり、COMEX12月限は4376.40ドル、前日比7.50ドル安で終了しました。一方、SilverやPlatinumは比較的底堅く、貴金属の中でも強弱が分かれています。
  • 原油は中東からの供給回復期待と米・イラン協議への期待から続落しました。Brentは22日の終値で100ドルを割り込み、インフレ再加速への警戒がいったん後退しています。

 

 

今日の見通し

  • ドル円は157円台を中心に、157.78~158円では為替介入への警戒が上値を抑える一方、156.83円を割り込まない限りはドル高基調が残りやすいとみます。Reutersでは朝方157.55円前後、ドル指数は100.56と約2カ月ぶり高値圏です。
  • Goldは4360ドル台、Silverは67.40ドル、Platinumは1840ドル前後。原油安はインフレ懸念を和らげるためGoldには支援材料ですが、Fedの追加利上げ観測と高い米金利は引き続き上値を抑えます。
  • 本日は日本が祝日で休場のため、薄い流動性と介入警戒に注意します。欧州PMIに続き、22:45の米9月PMI速報値、23:30の米週間石油在庫が主要材料です。米中首脳会談を巡るヘッドラインもリスク要因になります。

 

 

ドル円157円台、ドル高と介入警戒の綱引き

事実

22日のドル円は始値157.35円、高値157.78円、安値156.83円、終値157.39円でした。ロンドン時間には157円台後半から156円台後半へ急速に円高が進みましたが、レートチェックなどの具体的な観測は出ず、その後は157円台へ戻しています。

Reutersによると、本日アジア時間のドル円は157.55円前後、ドル指数は100.56で約2カ月ぶりの高値圏です。Fed当局者のタカ派発言が続き、先物市場では10月の追加利上げ確率を約54%、年末までに約33bpの追加引き締めを織り込んでいます。米2年債利回りは4.7879%まで上昇し、10年債利回りも5%の手前で高止まりしています。

一方、日本市場は祝日で休場です。Reutersは、流動性が薄い時間帯は当局が介入する場合に適した環境とみられていると報じています。外為どっとコムも、先週157円後半で行われた日銀のレートチェックを背景に介入警戒が根強く、ドル買いが強くても上値を追いにくいと指摘しています。  

 

  

分析

現在のドル円は、上方向の材料が「Fed追加利上げ観測と日米金利差」、下方向の材料が「介入警戒と日銀の追加利上げ余地」です。日銀は先週1.25%へ利上げしましたが、追加利上げのペースに明確なタカ派シグナルがなく、円買いを持続させるには材料不足です。

昨日高値157.78円は最初の上値基準です。ここを明確に超えて158円台へ入ると、トレンドとしてはドル高継続ですが、同時に介入リスクも一段上がります。逆に156.83円を割り込む場合は、昨日の急落が単なる一時的なポジション調整ではなく、円買いがもう一段続く可能性を考えます。

日銀利上げ後も円安が続く理由
日銀利上げ後も円安が続く理由

 

 

Goldは4360ドル台、原油安と高金利が綱引き

事実

本日シンガポール時間7時55分時点の現物Goldは4363.50ドルで、前日比0.1%高でした。Silverは0.5%高の67.40ドル。Goldは前日のNY時間に方向感を欠き、COMEX12月限は4376.40ドルで前日比0.17%安となっています。

Platinumは9時時点のロコ・チューリッヒ現物気配で1840.30~1843.60ドルでした。SilverとPlatinumはGoldより底堅く、貴金属全体が同じ方向に動いているわけではありません。

Goldを動かす主要材料の一つである原油は大きく低下しています。ReutersによるとBrentは99.18ドル、WTIは90.17ドル前後。Saudi ArabiaのEast-West Pipeline再稼働や米・イラン協議への期待が供給懸念を緩和させています。    

 

 

分析

Goldには現在、相反する二つの力がかかっています。原油安はインフレ再加速リスクを抑え、米金利上昇圧力を和らげるためGoldにはプラスです。一方、Fed自身はまだ追加利上げを否定しておらず、短期金利は高止まりしています。利息を生まないGoldにはこれが明確な逆風です。

したがって、4360ドル前後は「買い材料と売り材料がぶつかるゾーン」と考えます。4350ドルを維持して米金利が低下するなら4400ドル方向への戻りを試しやすく、逆に米PMIが強く金利が再上昇するなら4300ドル台前半への調整を警戒します。

Silverは67ドル台を維持できるか、Platinumは1840ドル近辺の上昇を維持できるかを確認します。Goldに比べてSilverとPlatinumが強い状態が続けば、貴金属全体のリスクオフではなく、Gold固有の金利感応度が売り要因になっていると判断しやすくなります。    

 

   

原油99ドル台、インフレ圧力は一段後退

事実

Brentは本日99.18ドル、WTIは90.17ドル前後まで低下しています。Brentは6営業日続落方向で、このままなら約1年ぶりの長い連続下落となります。Saudi ArabiaはEast-West Pipelineを再稼働し、紅海側のYanbuから輸出を回復させる準備を進めています。

米・イラン間でもニューヨークで協議が行われ、米側は進展があったとしています。中東情勢そのものが解決したわけではありませんが、市場は数週間前より供給面を楽観的に見始めています。また、米API統計では原油在庫が180万バレル増加しており、需給面でも上値を抑える材料です。  

 

   

分析

原油100ドル割れが定着するなら、市場の焦点は「エネルギーショックによるインフレ」から「景気と基調インフレ」へ戻りやすくなります。これはGoldには中期的に支援材料ですが、ドル円に対してはやや円高材料です。日本はエネルギー輸入国であり、原油安は交易条件を改善するためです。

ただし現時点では、その円高効果よりFedの高金利が強く、ドル円は157円台にとどまっています。原油が95ドル、90ドル方向へさらに下落し、同時に米金利も下がる展開になれば、円高圧力は強まりやすくなります。      

 

 

アジア株はAI主導で上昇、日本休場で円は薄商い

事実

Reutersによると、MSCIアジア太平洋株指数(日本除く)は0.7%高で6営業日続伸。韓国株は1.2%高、台湾株は0.9%高となり、AI関連株が上昇を主導しています。中国CSI300はほぼ横ばいです。

日本株は祝日で休場ですが、日経平均先物は6万6745円と、前回の現物終値を約2000円上回る水準で取引されています。原油安と米金利の落ち着き、NASDAQの最高値圏推移が株式の追い風になっています。

中国の習近平国家主席は本日ワシントン入りする予定で、米中首脳会談が次の大きな政治・市場イベントです。通商休戦の延長やAI分野を巡る協議への期待がある一方、台湾など対立点も残っており、ヘッドラインによる人民元や豪ドルへの波及には注意します。    

 

 

分析

株高は通常なら円売り・資源国通貨買いを促しやすく、ドル円の下値を支えます。一方、原油安は円買い要因です。今日のアジア時間は日本休場で流動性が低いため、どちらかの材料で短時間に値が振れても、そのままトレンドとして追わない方が安全です。

AUDを取引する場合は、中国関連ヘッドラインと株式のリスク選好を優先して確認します。AUDJPYでは豪ドル材料だけでなく、介入警戒による円の急変が大きなリスクになります。    

 

  

本日の重要イベント

本日は16:30にドイツ9月製造業・サービス業PMI、17:00にユーロ圏9月PMI速報値が予定されています。ユーロ圏製造業PMIは52.4、サービス業PMIは51.1が市場予想です。

最も重要なのは22:45の米9月PMI速報値です。製造業は53.7、サービス業は56.0が予想されています。Fed追加利上げ観測がすでに約54%まで上がっているため、強いPMIなら米金利上昇・ドル高、弱いPMIなら金利低下・ドル安という反応が基本です。

23:30には米週間石油在庫統計も発表されます。原油が100ドルを割り込んだ直後だけに、在庫増なら原油安が加速しやすく、在庫減なら100ドル回復を試す可能性があります。Goldやドル円もインフレ期待を通じて反応するため、今日は原油在庫も通常以上に重要です。

本日のドル円・Gold 3シナリオ
本日のドル円・Gold 3シナリオ

 

 

本日のトレード戦略

外国為替の戦略

ドル円は156.83~157.78円を最初のレンジとして見ます。157.78円を明確に上抜けて158円台に入る場合、ドル高トレンドそのものは継続ですが、介入警戒が急速に高まるため高値追いは避けます。上抜け後の押し戻しや、当局発言が出ないことを確認してから判断します。

157円台で持ち合う場合は、22:45の米PMIまで無理に方向を決めません。強いPMIなら158円方向、弱いPMIなら156.83円割れを試すシナリオです。156.83円を明確に割り込んだ場合は156円前半までの円高加速を警戒します。

日本休場で流動性が低いため、普段よりポジションサイズを落とし、急変時のスリッページも考慮します。157円後半から158円台は、テクニカルだけでなく介入リスクをポジション管理に組み込む必要があります。    

 

 

貴金属の戦略

Goldは4350ドルを短期の基準とします。4350ドル上を維持し、米PMIが弱く米金利が低下するなら4400ドル方向への押し目買いを検討します。逆にPMIが強く、米2年・10年債利回りが上昇する場合は4300ドル台前半への調整に備えます。

Silverは67ドル台を維持できれば相対的な強さを評価します。Platinumは1840ドル近辺での底堅さを確認し、1800ドルを明確に割るまでは押し目優位の見方を残します。ただしSilverとPlatinumはGold以上に値幅が大きいため、ポジションサイズは小さめにします。

Goldは今日は米PMIだけでなく原油にも注目です。Brentが98ドルを割り込むようならインフレ懸念後退が追い風となりやすく、反対に原油が100ドルを回復して米金利まで上がるなら、Goldの上値は再び重くなります。    

 

 

引用文献

 

 

免責事項: 本レポートに含まれる情報は、情報提供のみを目的としており、投資助言を意図するものではありません。実際の取引においては、ご自身のリスク許容度に合わせて判断を行ってください。

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