2026年9月28日 昨日の振り返りと今日の見通し

東京の朝景を背景にGold・Silver・Platinumと取引画面を配置した2026年9月28日の外国為替・貴金属市況アイキャッチ 日々の相場見通し

TL;DR

昨日の振り返り

  • 日曜日は主要市場が休場のため、実質的な振り返り対象は前営業日の25日(金)です。ドル円は高値158.95円から、日米当局による円安けん制を受けて156.94円まで急落し、157.28円で終了しました。158~159円台では、単純な金利差だけでなく介入・口先介入リスクを常に織り込む必要があります。
  • GoldはOANDAのCFD終値で4284.97ドルと3営業日ぶりに反発しましたが、週ベースでは軟調でした。週末に米長期金利がいったん低下したこととドルの反落が下支えになった一方、高金利長期化観測そのものは残っています。
  • 原油は週末に米・イラン協議への期待で一度下げたものの、米国がイラン側の提案を拒否したことで週明けに再上昇。中東の供給不安が再びインフレとFed追加利上げ観測を刺激しています。

 

 

今日の見通し

  • 東京午前のドル円は157.85円付近まで上昇しました。日銀の7月議事録は追加利上げに前向きな内容でしたが、Brent原油106ドル台、Fedの10月利上げ確率66%という外部環境が円買いを相殺しています。
  • Goldはアジア時間に4220ドル台まで下落。原油高→インフレ懸念→米金利上昇という経路が、金利を生まないGoldの重石になっています。SilverとPlatinumも2%前後下落しており、貴金属全体で調整色が強まっています。
  • 本日は米国の大型経済指標が少なく、21:15のボウマンFRB副議長、23:00のラガルドECB総裁など要人発言と原油・米金利の動きが中心です。明日はRBA会合、週後半はJOLTS、ISM、金曜日の米雇用統計へと材料が増えていきます。

 

 

ドル円は156円台への急落から157円台後半へ反発

事実

前営業日25日のドル円は高値158.95円、安値156.94円、終値157.28円でした。日米首脳会談でトランプ米大統領が円安への懸念を示したと伝わり、日米財務相会談でも円の過小評価が問題として確認されたことで、円買いが一気に強まりました。外為どっとコムは、この材料によってドル円が一時156円台へ急落したと整理しています。

しかし156円台では押し目買いも入りました。米10年債利回りが前週に一時5.2254%前後まで上昇したこともあり、日米金利差そのものは依然として大きいままです。週明け28日朝は157.39円前後で始まり、東京午前には157.85円付近まで戻しました。Reutersでも157.73円付近までドルが上昇しており、円安けん制だけでトレンドが完全に反転したわけではありません。    

 

 

分析

今日のドル円を考えるうえで重要なのは、「円安けん制は上値を抑えるが、円を継続的に買わせる金利・需給条件までは変えていない」という点です。口先介入で短時間に1~2円下落しても、その後に原油や米金利が上昇すれば、ドル買い・円売りが戻りやすくなります。

みんかぶFXのピボットでは157.72円が中心値、上値は158.51円、159.73円、下値は156.50円、155.71円です。東京午前の157.85円はピボットを上回っていますが、158円台に入れば当局の警戒が強く意識されます。したがって、157円台前半から半ばでは押し目買いが入りやすく、158.50円超では新規ロングを追いかけにくいという、上下非対称の相場になっています。

口先介入後も157円台へ戻る理由
口先介入後も157円台へ戻る理由

 

 

日銀議事録はタカ派、それでも円買いが続かない

事実

本日公表された日銀7月会合の議事録では、複数の政策委員がインフレ上振れリスクへの警戒を強め、追加利上げのペースを市場想定より速める可能性に言及していたことが明らかになりました。ある委員は、市場が半年程度の間隔で利上げを見込んでいたとしても、基調インフレが2%へ近づくなら、それより速いペースがあり得るとの見方を示しています。

日銀は9月に政策金利を1.25%へ引き上げていますが、Reutersは日本の名目中立金利の推計レンジを1.1~2.5%と紹介しています。つまり1.25%まで上げても、政策正常化が終わったとは限りません。日本10年国債利回りも前週に3.115%まで上昇し、約30年ぶりの高水準を記録しました。

また、本日8時50分に発表された8月企業向けサービス価格指数は前年比3.7%で市場予想と一致し、前月の3.6%から上昇しました。サービス価格にも上向きの圧力が続いており、日銀の追加利上げ議論を支える材料です。    

 

 

分析

それでも円高が持続しないのは、日銀の利上げ材料がすでにかなり織り込まれている一方、米国側の金利上昇が再び加速しているためです。加えて、原油価格が上がると日本の輸入コストが増え、交易条件を通じて円売り圧力になります。

日銀が追加利上げを示唆するだけでは不十分で、円相場を継続的に反転させるには「実際の利上げ時期が早まる」「米金利が低下する」「原油が下がる」のいずれか、あるいは複数が同時に必要です。今日のように日銀材料がタカ派でも原油と米金利が上昇している日は、円買いの持続性を慎重に見た方がよいでしょう。      

 

 

Goldは4220ドル台へ下落、原油と金利が同時に逆風

事実

Reutersによると、本日10時台の現物Goldは4223.95ドルで前営業日比1.5%安。Silverは62.64ドルで2.6%安、Platinumは1741.45ドルで2.1%安でした。The Business Timesでも、シンガポール時間朝のGoldは4260ドル台から下げており、投資家が10月Fed利上げを約65%織り込むなかで高金利が重石になっています。

一方、OANDAによると25日のGold CFD終値は4284.97ドルで前日比11.17ドル高、3営業日ぶりの上昇でした。25日は米長期金利低下とドル安が買い材料になったものの、週明けは原油反発で再び環境が逆転しました。

The Business Timesは、Goldを「原油・米国債利回り・Goldの三つ巴」と整理しています。Brentが上がると地政学リスクによる安全資産買いがGoldを支える一方、原油高がインフレ期待と長期金利を押し上げれば、Goldの機会費用が上昇します。  

 

   

分析

現在のGoldは、単純な「中東緊張=買い」では捉えにくい状態です。むしろ地政学リスクが原油を押し上げ、その結果として米金利まで上がるなら、Goldにはネットで逆風になる可能性があります。

短期では4230ドル近辺が最初の重要水準です。ここを明確に割ると4200ドル方向への調整を警戒します。反対に原油が反落し、米金利とドルが同時に低下すれば、4350ドル、さらに4400ドル方向への戻り余地があります。The Business Timesが示す50日移動平均4350ドル、100日移動平均4400ドルは、反発時の分かりやすい上値目標になります。      

 

 

原油は再び106ドル台、中東協議が最大の変動要因

事実

Reutersによると、Brent原油は本日106.49ドルで2.1%高、WTIは93.84ドルで1.5%高です。米国がイランの和平案を拒否したことを受け、週末に後退した地政学プレミアムが再び上乗せされています。

一方で中東主要産油国の9月輸出量は日量1280万バレルまで回復し、戦争開始後の最高水準となる見込みです。ホルムズ海峡経由の輸送も回復しているため、供給面が一方向に悪化しているわけではありません。原油は「外交交渉」と「実際の輸送量」の双方で大きく振れやすい状態です。    

分析

Brent100ドルは引き続き重要な分岐です。100ドルを大きく下回れば供給正常化を織り込む動きが強まり、Goldのインフレ逆風と円の交易条件悪化が同時に緩和します。逆に106~110ドルへ再上昇すると、Fed追加利上げ観測と円売りの両方を強めやすくなります。

ドル円とGoldを同時に取引する場合、原油は共通の先行材料として見る価値があります。原油上昇+米金利上昇ならドル円は上方向、Goldは下方向という組み合わせが最も分かりやすいシナリオです。

 

      

アジア市場と豪ドルは明日のRBAを意識

事実

Reutersによると、本日のアジア株は全体として軟調です。韓国KOSPIは2.4%安、MSCIアジア太平洋株指数(除く日本)は0.6%安、中国CSI300は1.4%安。一方、日経平均はおおむね横ばいです。原油高と金利上昇がリスク資産の重石になっています。

AUDUSDの前営業日終値は0.7023、ピボットは0.7023、抵抗1が0.7043、支持1が0.7004です。AUDJPYは東京午前に110.78円付近まで上昇しました。明日13時30分にはRBA政策金利が発表され、市場予想は4.35%から4.60%への25bp利上げです。    

分析

豪ドルはRBA利上げ観測が支えになりますが、中国株安とグローバルなリスクオフが上値を抑えています。AUDJPYでは、豪ドル材料以上に円側の原油・介入警戒の影響が大きくなりやすいでしょう。

AUDUSDは0.7004~0.7043を短期レンジ、AUDJPYは110.75円前後を中心に111.26円と109.95円を上下の目安として確認します。RBA前日のため、本日中にポジションを大きく傾ける必要性は低いと考えます。      

 

 

今日確認しておきたい材料

事実

本日は米国の主要経済指標が少ない日です。日本では8時50分に日銀7月会合議事録と企業向けサービス価格指数が公表済み。今後は21時15分にボウマンFRB副議長、23時にラガルドECB総裁の発言が予定されています。

今週は明日のRBAに続き、米JOLTS求人、ISM製造業景気指数、そして金曜日の米9月雇用統計が控えています。Reutersの市場予想では非農業部門雇用者数は8.5万人増、失業率は4.1%が見込まれています。    

 

 

分析

今日の値動きは経済指標よりも、原油・債券・要人発言・中東ヘッドラインが中心になりやすいでしょう。指標の空白日ほど、一つの速報で値が飛びやすくなるため、特に158円台のドル円とGoldの4230ドル付近では飛びつきを避けたいところです。

本日のドル円・Gold 3シナリオ
本日のドル円・Gold 3シナリオ

 

 

本日のトレード戦略

外国為替の戦略

ドル円は157.72円を短期の中心として、158.51円と156.50円を最初の分岐にします。158.51円を明確に上抜ければ159.73円が次のテクニカル目標ですが、158円台後半では口先介入や実弾介入への警戒が急激に高まります。上抜け直後を追うより、いったん押した後に158.50円を維持できるかを確認する方が安全です。

下方向は156.50円割れで155.71円を意識します。円安けん制の追加発言、原油急落、米金利低下が重なれば円買いが加速しやすくなります。ただし日米金利差は依然大きいため、156円台前半で反発が入る可能性も考慮します。

AUDUSDは0.7004~0.7043、AUDJPYは109.95~111.26を短期レンジとして監視します。明日のRBAを控えるため、豪ドルはイベント前のポジション調整にも注意します。  

 

   

貴金属の戦略

Goldは4230ドルを第一の基準とします。4230ドルを割り込み、Brentと米長期金利が同時に上昇する場合は4200ドル方向への調整を警戒します。逆に4230ドルを維持し、原油・米金利・ドルが低下するなら、4350ドル方向への反発を検討します。

Silverは62.5~63ドル近辺で下げ止まれるか、Platinumは1740ドル近辺を維持できるかが焦点です。Goldより値動きが大きいため、Silverは通常よりポジションサイズを落とします。Platinumは1800ドルを回復できれば相対的な底堅さが戻ります。

本日は方向そのものより、原油と米金利が同じ方向に動くかを優先して確認します。両方が上がるならドル高・Gold安、両方が下がるならドル安・Gold高というシンプルな組み合わせを基本にします。

     

引用文献

免責事項: 本レポートに含まれる情報は、情報提供のみを目的としており、投資助言を意図するものではありません。実際の取引においては、ご自身のリスク許容度に合わせて判断を行ってください。

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