ドル円157円台へ反発、Gold4050ドル|介入警戒・原油5%安【2026年8月4日】

協調介入後に157円台へ反発したドル円と、原油急落の中で方向を探るGold・Silver・Platinumを表した2026年8月4日の市況画像 日々の相場見通し

TL;DR

昨日の振り返り

  • ドル円は東京時間に協調介入への警戒から155.23円まで下落した後、ニューヨーク時間に157円台へ反発しました。
  • COMEX金先物は0.40%安の4,090.50ドルへ続落した一方、WTI原油は米国の対イラン大規模攻撃見送りを受け5.11%安の80.34ドルとなりました。
  • 米10年債利回りは4.684%へ低下し、S&P500は1.48%上昇しましたが、Goldはドル安一服と米イラン協議の不透明感から上値を伸ばせませんでした。

 

 

今日の見通し

  • ドル円は157円台を中心に、156.50円と158.00円が短期の分岐点です。介入警戒が残るため、戻りを一方向に追わず値動きの定着を確認します。
  • Goldは4,050ドル、Silverは58ドルが判断基準です。原油安と米金利低下は支えですが、地政学的な安全資産需要の後退が上値を抑える可能性があります。
  • 日本時間21時30分の米貿易収支、23時のJOLTS求人件数・製造業新規受注が、ドル、米金利、Goldの次の方向を決める材料です。

 

 

 

ドル円157円台への反発とGold4050ドル、原油急落を検証

ドル円は協調介入後の安値155.23円から157円台へ戻しましたが、1週間物ボラティリティーは12.97%と高水準です。Goldは4,050ドル前後でもみ合い、原油は前日比5%超安となりました。本日は介入警戒と日米金利差、米イラン協議による原油安という三つの経路を分けて確認する必要があります。    

 

 

ドル円は155.23円から157円台へ買い戻し

前日のドル円は東京時間に一時155.23円まで下落しました。日米当局が7月31日の協調介入を確認し、必要なら追加実施をためらわない姿勢を示したため、ドル円の買い持ちを縮小する動きが続きました。その後は156.50円前後へ反発し、ニューヨーク時間には157円台を回復しています。

8月4日朝のドル円は157.30円台で始まり、三菱UFJ銀行の公表仲値は157.42円でした。155円台で円買いが一巡した後、日米金利差を意識した押し目買いと、介入後の短期ポジション調整が入ったとみられます。ただし、本日以降に追加介入が行われるかは確認できず、戻りの持続性を断定できません。

ドル円の確認点 水準・指標 市場での意味
前日の安値 155.23円 協調介入後の下値基準
反発の中心 156.50円前後 短期の押し目・戻りの分岐
4日公表仲値 157.42円 東京実需の参照水準
上値の確認帯 158.00円前後 介入警戒が再び強まりやすい水準
1週間物ボラティリティー 12.97% 平常時より大きな値幅を織り込む
1カ月物ボラティリティー 9.63% 介入リスクが月内にも残る

ドル円の1週間物ボラティリティーは前日の15%台から低下したものの、なお13%前後です。したがって、157円台回復だけで相場が平常化したとは判断できません。介入前の160円台へ戻るには、158円を越えるだけでなく、米金利上昇を伴いながら追加介入を誘発せず定着する必要があります。

米国債を介入原資として売却すれば米長期金利を押し上げるとの懸念がありますが、日本側は米国債を担保にドル資金を調達するFIMAレポの活用に言及しています。米国債の現物売却を抑えられれば、市場への金利上昇圧力を軽減できます。ただし、具体的な調達額や実施状況は確認されていないため、効果の大きさは決めつけられません。  

 

  

Goldは続落後に4050ドル前後で下げ渋り

COMEX金先物12月限は前日比16.50ドル安、0.40%安の4,090.50ドルで終了しました。米国がイランへの大規模攻撃を見送ったことで時間外では買いが先行しましたが、イラン側が米国との協議を否定し、ドル安も一服したため戻り売りが優勢になりました。

シンガポール時間4日7時20分の現物Goldは4,052.81ドルでほぼ横ばい、Silverは0.1%安の58.11ドルでした。PlatinumとPalladiumも小幅安です。一方、東京時間10時18分にはCOMEX金先物が4,098.90ドルへ0.21%反発し、東京金先物も1グラム=20,994円と0.16%上昇しました。

貴金属 海外の確認価格 方向 国内小売価格 国内前日比
Gold 現物4,052.81ドル/オンス ほぼ横ばい 22,782円/グラム +158円
Silver 現物58.11ドル/オンス -0.1% 337.70円/グラム +5.06円
Platinum 小幅安 下落 9,312円/グラム -53円

田中貴金属が9時30分に公表した国内価格は、金と銀が上昇し、Platinumは下落しました。前日は海外3金属が同方向に動いたのに対し、本日はGold・SilverとPlatinumの相対強弱が分かれています。円安への戻りが国内金と銀を支えた一方、Platinumには工業需要や需給固有の弱さが残った可能性があります。

原油安はインフレ期待と米金利を下げやすく、利息を生まないGoldには追い風です。しかし、原油安の原因が中東情勢の緊張緩和なら、安全資産需要は後退します。今回は二つの効果が相殺しているため、Goldが原油と単純な逆相関で上昇するとは限りません。  

 

  

WTI原油5.11%安と米金利低下の意味

WTI原油9月限は4.33ドル安の80.34ドルで終了しました。トランプ米大統領がイランへの大規模攻撃計画を撤回し、協議再開の見通しを示したことが下落の主因です。東京時間10時18分には80.79ドルへ0.56%反発していますが、前日の急落分に比べれば戻りは限定的です。

米国とイランの説明は一致していません。米国側は協議とホルムズ海峡の再開に期待を示す一方、イラン側は協議の存在を否定しています。したがって、80ドル台への下落を恒久的な供給正常化の織り込みとみなすのは早計です。交渉不調や攻撃再開が報じられれば、原油と期待インフレ率が急反発する可能性があります。

米国債市場では2年債利回りが4.246%へ4.6bp、10年債利回りが4.684%へ5.1bp低下しました。10年物期待インフレ率も2.261%へ2.3bp低下しています。原油安が金利低下へ波及した形ですが、ドル円は下落せず157円台へ戻りました。この組み合わせは、為替市場では金利より介入後のポジション調整が優勢だった可能性を示します。

米国市場 前日の確認値 前日比
米2年債利回り 4.246% -4.6bp
米10年債利回り 4.684% -5.1bp
10年物期待インフレ率 2.261% -2.3bp
WTI原油 80.34ドル -5.11%
S&P500 7,601 +1.48%

S&P500は原油安と中東情勢の緊張緩和期待を受け1.48%上昇し、過去最高値まで0.1%に迫りました。株高が続けばSilverとPlatinumの工業需要面には支えとなりますが、地政学リスクが再燃すれば株価と両金属はGoldより不安定になりやすい点に注意が必要です。    

 

 

豪ドルは家計支出、アジア株はまちまち

豪州6月の家計支出は前年同月比6.0%増となり、伸びが加速しました。AUDUSDは0.7000前後を維持し、東京時間午前の豪ASX200指数は1.09%上昇しています。豪州の内需の底堅さと資源株への買いは豪ドルを支える材料ですが、原油急落はエネルギー輸出国通貨に逆風となるため、上方向を一つの材料だけで判断できません。

アジア・豪州市場 11時15分時点 騰落率
香港ハンセン指数 25,887.23 -0.47%
上海総合指数 3,801.40 -0.22%
台湾加権指数 43,868.47 +1.11%
韓国総合指数 6,230.07 -0.44%
豪ASX200指数 9,117.90 +1.09%

豪州株と台湾株が上昇する一方、香港、上海、韓国は下落しました。アジア全体への一方向のリスク選好ではありません。SilverとPlatinumを取引する場合、米株高だけでなく、中国・香港株が下げ止まるかを確認した方が工業需要の評価に適しています。    

 

 

本日の重要時刻と二つのシナリオ

本日は米貿易収支とJOLTS求人件数が中心です。JOLTSが予想を上回れば米金利とドルが反発し、ドル円を支える一方、Goldの上値を抑える可能性があります。反対に弱い結果なら金利低下を通じてGoldを支えますが、景気懸念が強まる場合はSilverとPlatinumがGoldに劣後する可能性があります。

日本時間 予定 市場予想・注目点
21:30 米6月貿易収支 -730億ドル、前回-776億ドル
23:00 米6月JOLTS求人件数 750.0万人、前回759.4万人
23:00 米6月製造業新規受注 前月比0.3%、前回-1.3%
23:00 米6月耐久財受注確報値 前月比0.3%
時刻未定 米イラン関連報道 原油、米金利、Gold

ドル円上昇シナリオは、156.50円を維持し、JOLTS上振れと米金利上昇を伴って158.00円を越える場合です。次は158.50円から159.00円が意識されます。ただし、追加介入の警戒が強まるため、158円超を初動だけで追うのは慎重さが必要です。

下落シナリオは、157円台で戻りが止まり、米指標下振れと米金利低下を伴って156.50円を割る場合です。156.00円、次いで155.23円が確認帯です。Goldは4,070ドルから4,100ドルへ反発しやすくなりますが、中東の緊張緩和が進む場合は上昇幅が限られる可能性があります。  

 

 

    

本日のトレード戦略

外国為替の戦略

ドル円の観察レンジは156.00円から158.50円です。介入後の高いボラティリティーが続いているため、157.00円から157.50円の中間帯では方向を固定せず、節目を離れた後の定着を待つ方針が適しています。

条件 条件付き戦略 次の確認水準 無効化条件
158.00円超、米金利も上昇 押し戻し後に158円を維持できるか確認 158.50円、159.00円 157.40円割れ
156.50円割れ、米金利も低下 戻りが156.50円以下に抑えられるか確認 156.00円、155.23円 157.10円回復
介入観測で急落 初動を追わず公式確認と値幅を確認 直近安値 急落分の半値回復
原油だけが急反発 ドル円より米金利とAUDUSDを確認 方向一致後に対応 原油と金利の逆行

AUDUSDは0.7000を基準とします。豪州家計支出の強さとASX上昇が続き、0.7000を維持する場合は上値を確認します。原油反発を伴わず0.7000を割る場合は、豪州の内需材料より世界景気や資源価格への懸念が優勢になった可能性があります。AUDJPYは円の介入要因が大きいため、AUDUSDと同じ方向になるとは限りません。    

 

 

貴金属の戦略

Goldは4,040ドルから4,100ドルを短期レンジとします。4,070ドルを回復し、米10年債利回りが4.68%を下回り、ドルも下落する場合は4,100ドルへの反発を確認します。この上昇シナリオは4,040ドル割れ、または米金利とドルの同時上昇で無効です。

反対に4,040ドルを割り、米イラン協議の進展で安全資産需要が後退する場合は4,000ドルを警戒します。ただし、原油安で米金利も低下している場合、Goldの下落は短時間にとどまる可能性があります。下落シナリオは4,070ドル回復で無効とします。

Silverは58.00ドルが分岐点です。Goldが4,050ドルを維持し、中国・香港株が反発する場合は58.50ドル方向を確認します。58ドル割れとアジア株安が重なる場合は57.50ドルを警戒します。この弱気シナリオは58.50ドル回復で無効です。

Platinumは海外で小幅安、国内小売価格も53円安となり、GoldとSilverに劣後しています。Goldの反発だけを根拠にせず、ASX、中国・香港株、ドル円が同時に安定するまで初動を追わない方針が適しています。国内Platinumは9,312円を基準とし、海外価格の反発とドル円158円回復の両方が確認できない場合、円建て価格の上昇シナリオを無効とします。

 

 

 

引用文献

 

 

免責事項: 本レポートに含まれる情報は、情報提供のみを目的としており、投資助言を意図するものではありません。実際の取引においては、ご自身のリスク許容度に合わせて判断を行ってください。

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