米金利低下でドル安進行:ドル円156円割れと金反発、ジュネーブ協議が焦点
TL;DR
昨日の振り返り
- 米国の長期金利低下を背景にドル売り基調が継続し、ドル円相場は156円の大台を割り込んで155円90銭付近まで下落しました。
- 中東の地政学リスクや米国の関税政策に対する不透明感から安全資産への需要が高まり、金相場をはじめとする貴金属が総じて反発しました。
- 香港政府が発表した新年度予算案では予想外の財政黒字が示され、テクノロジー分野への巨額投資方針が市場で好感されました。
今日の見通し
- ジュネーブで開催される米国とイランによる協議の行方が最大の注目材料であり、結果次第で金や原油市場に大きなボラティリティが生じる見込みです。
- アジア為替市場では日本銀行による早期追加利上げ観測が後退しているため、過度なリスクオフの円買いは抑制されると予想されます。
- 欧州中央銀行のラガルド総裁の発言や、米国の新規失業保険申請件数など、主要な経済指標の発表が相場の方向性を決定づける焦点となります。
アジア外国為替市場とマクロ経済の波及効果
本日の東京およびアジアの外国為替市場は、米国の長期金利低下を主因とするドル売りの流れが市場全体を牽引しています。前日のニューヨーク市場から引き継がれたドルの全面安の波紋はアジア時間にも波及し、市場参加者は米国の金融政策の将来の軌道に対する再評価を迫られています。
米金利低下と円相場の底堅さ
ドル円とクロス円の力学
午前中の東京市場において、ドル円相場は明確なドル売り地合いの継続により156円を割り込み、155円90銭付近まで下値を切り下げる展開となりました。米金利の低下はドル建て資産の利回り妙味を低下させ、ドルロングの巻き戻しを誘発しています。一方で、ユーロドルは1.18ドル台にしっかりと定着し、堅調な推移を見せています。特筆すべきは、中東の地政学的リスクが燻る中であっても、極端なリスク回避の円買いが直ちに拡大する可能性は低いと見られている点です。日本銀行による早期の追加利上げ観測が後退していることや、日経平均株価が堅調なスタートを切ったことで、株高に伴う円売り圧力が一定程度作用しています。また、豪州の消費者物価指数が市場予想を上回ったことを受け、豪ドル円は111円台前半まで急騰し、オセアニア通貨の強さが際立っています。
香港およびシンガポール市場の動向
香港予算案とシンガポール金融セクターの展望
アジアの主要な金融ハブである香港の動向も、域内全体のリスクセンチメントに多大な影響を与えています。香港のポール・チャン財政長官が発表した予算案では、過去3年間にわたる厳しい財政赤字を抜け出し、想定より早く営業黒字を達成する見通しが示されました。人工知能や半導体技術に対する巨額の資金拠出方針が明確に打ち出されており、株式市場の好調を支えています。一方、シンガポール市場では、主要銀行であるUOBの決算が発表され、トレーディング収益の減少により一部で市場予想を下回る結果となったものの、資産の質は安定しており、アジア全体の金融システムに対する信頼感は維持されています。
貴金属市場における安全資産需要の再燃
地政学的リスクの増大とマクロ経済の不確実性という二つの強力な推進力を得て、貴金属市場は再び力強い上昇軌道に乗っています。法定通貨のボラティリティが高まる中、金融市場における価値の保存に対する考え方が変容しようとしています。
金および銀相場のモメンタム
地政学リスクと価値の保存機能
前日のニューヨーク先物市場において、金相場は前営業日比で大幅な反発を見せました。この価格上昇の根底には、米ドルの軟調な推移だけでなく、中東における地政学的緊張の激化があります。特に、ジュネーブで予定されている米国とイランによる協議の行方に対して、市場参加者は極度の警戒感を抱いており、究極の安全資産である金への資金流入が加速しています。また、銀やプラチナも金相場に追随する形で力強い続伸を記録しました。米国半導体大手の好決算を背景に、電子部品や先端技術に不可欠な素材としての産業用需要への期待が、銀価格を強力に下支えしています。
| 指標・銘柄 | 現在値・価格 | 前日比の動向 |
| 米ドル円 | 155.90円付近 | 156円割れのドル安進行 |
| ユーロドル | 1.18ドル台 | ドル全面安を背景に堅調 |
| NY金先物(4月限) | 5226.2ドル | +49.9ドルの大幅反発 |
| NY銀先物(5月限) | 91.63ドル | +3.5ドルの急伸 |
| 国内金店頭小売価格 | 28736円/g | +47円の価格上昇 |
日本国内の貴金属価格も、国際的なドル建て価格の上昇が為替レートの円高圧力を凌駕し、店頭小売価格で1グラムあたり28736円へと値上がりしています。国内においても、インフレヘッジとしての実物資産の重要性が再認識される結果となっています。
2026年2月26日のトレード戦略
本日の市場においては、為替市場と貴金属市場の双方でボラティリティの高まりに備えた慎重な立ち回りが求められます。
為替市場のドル円相場については、米国の長期金利低下を背景としたドルの上値の重さを考慮し、156.20円から156.40円のゾーンでの戻り売り戦略が優位性を持つと考えられます。ただし、日銀の早期利上げ観測が後退しているため、155円台前半から半ばにかけては国内実需の押し目買いが入りやすく、短期的なレンジ内での利益確定を徹底することが推奨されます。歴史的な高値水準にある豪ドル円に関しては、111.50円付近に厚い売り注文が控えているため高値掴みを避け、110円から110.50円周辺のサポートラインでの押し目買いを狙うのが基本シナリオとなります。
金市場のトレードにおいては、米国とイランによる協議の結末に大きく依存する状況です。5031ドル付近の強固なサポートラインを背にした買い戦略が基本となりますが、方向性を事前に決め打ちするのではなく、ブレイクアウト戦略を採用してストップロスをタイトに設定することが不可欠です。欧州中央銀行総裁の発言や米国の経済指標発表時刻の前後には流動性が急激に変化するリスクがあるため、ポジションサイズの管理を徹底し、突発的な価格変動から資金を保護することを最優先に据えてください。
免責事項: 本レポートに含まれる情報は、情報提供のみを目的としており、投資助言を意図するものではありません。実際の取引においては、ご自身のリスク許容度に合わせて判断を行ってください。

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