ドル円164円攻防、Gold4050ドルへ反落|原油100ドル・介入警戒【2026年7月24日】

原油急騰とドル円164円攻防、Goldなど貴金属の下落を表現した2026年7月24日の市場イメージ 昨日の振り返りと今日の見通し

TL;DR

昨日の振り返り

  • ドル円は163.00円から163.99円まで上昇し、163.86円で終了しました。WTI原油の6.17%高と米国債利回り上昇がドル買いを支えました。
  • COMEX金先物8月限は前日比2.45%安の4,050.20ドルへ反落し、Silverもシンガポール時間に57.62ドルまで下落しました。安全資産需要よりドル高と金利上昇の影響が優勢でした。
  • ECBは政策金利を据え置きましたが、エネルギー価格によるインフレ上振れを警戒しました。ユーロドルは1.1364ドルまで下落し、ドル高が主要通貨全体へ広がりました。

 

 

今日の見通し

  • ドル円は163.50円から164.30円を基本レンジとし、164.00円を維持できるかを確認します。米財務省と日本当局の牽制を受け、上抜け後の急反落にも注意が必要です。
  • Goldは4,000ドルから4,100ドルが判断帯です。原油と米金利が高止まりすれば戻りは限定されやすく、米金利低下とドル反落がそろえば買い戻しが入りやすくなります。
  • 日本時間22時45分の米PMI速報値と23時の米新築住宅販売件数に注目します。週末を控え、中東情勢に関する報道で原油、ドル、Goldが同時に大きく動く可能性があります。

 

 

原油100ドルとドル円164円攻防、Gold反落をどう読むか

ドル円は164円に迫り、Goldは4,050ドル台へ反落しました。本日の焦点は、地政学リスクそのものより、原油高が米インフレ・米金利・ドルへ伝わる経路です。一方、円の大幅な過小評価を指摘した米財務省報告と日本当局の牽制は、164円台での上値追いに新たなリスクを加えています。

 

 

ドル円は163.99円まで上昇、原油と米金利がドルを支える

7月23日のドル円は163.15円で始まり、安値163.00円、高値163.99円、終値163.86円でした。ほぼ1円の値幅を伴って上昇し、164円の心理的節目に接近しています。ユーロドルは1.1436ドルから1.1364ドルへ下落し、ドル買いが円だけに限定されていない点も重要です。

通貨ペア 始値 高値 安値 終値
USDJPY 163.15円 163.99円 163.00円 163.86円
EURUSD 1.1412ドル 1.1436ドル 1.1364ドル 1.1377ドル
EURJPY 186.17円 186.66円 186.04円 186.43円
AUDJPY 114.15円 114.48円 113.97円 114.18円

ドル高の背景には、原油高と米金利上昇がありました。WTI原油先物9月限は92.19ドルへ6.17%上昇し、ブレント原油もアジア時間に100ドルを上回りました。紅海とホルムズ海峡の輸送リスクが同時に意識され、供給制約が長引くとの警戒が強まっています。

米2年債利回りは4.349%、10年債利回りは4.695%へ上昇しました。米新規失業保険申請件数が市場予想を大きく下回り、労働市場の底堅さも金利を押し上げています。原油高によるインフレ懸念と強い雇用関連データが重なり、早期利下げではなく追加利上げの可能性が意識されやすい環境です。

市場 確認水準 前日比
WTI原油9月限 92.19ドル +5.36ドル、+6.17%
米2年債利回り 4.349% +5.1bp
米10年債利回り 4.695% +4.1bp
米30年債利回り 5.165% +2.0bp
10年物期待インフレ率 2.262% -1.9bp

期待インフレ率が小幅に低下した点から、市場全体が持続的なインフレ再加速を確信したとはいえません。現在の金利上昇は、原油高だけでなく、強い米雇用関連データと債券ポジションの調整が重なった結果と考える方が慎重です。

 

 

米財務省と日本当局の牽制が164円台の追随リスクを高める

米財務省は半期為替報告で日本を引き続き監視対象とし、複数年の円安が円の大幅な過小評価につながっていると指摘しました。さらに、円相場の過度な変動は望ましくなく、日本の金融政策正常化がインフレ期待の安定と為替変動の抑制に役立つとの見方を示しています。

片山財務相も、必要に応じて断固たる措置を果断に行う姿勢を改めて示しました。東京市場の公表仲値は164.01円でしたが、その後のドル円は163.70円台へ下げています。発言や報告だけでトレンドが反転したとは判断できないものの、164円を超えた直後の買いは、介入やポジション調整による急落を受けやすくなっています。

日本の6月消費者物価指数は前年比1.7%、生鮮食品を除くコア指数は1.6%で、いずれも市場予想と一致し、前月から加速しました。予想どおりのため発表直後の反応は限定的でしたが、原油高が続けば、今後の国内物価と日銀の政策判断に上振れ圧力がかかります。

ドル円が164円台へ上昇しても、米金利が上昇せず、ユーロドルやドル指数にもドル高が波及しない場合は、円売りだけが過熱している可能性があります。反対に、米2年債利回りが4.35%を上回り、ドル指数も上昇する場合は、164円台定着の条件が整いやすくなります。

 

 

Goldは2.45%安、SilverとPlatinumも国内価格が下落

COMEX金先物8月限は101.70ドル安の4,050.20ドルで終了しました。前日に4,150ドル台へ反発した後、その上昇分の多くを失っています。シンガポール時間7時35分の現物Goldは4,049.25ドル、Silverは57.62ドルでした。Silverは前日に3.6%下落しており、Goldより工業需要と株安の影響を受けやすい状態です。

貴金属 確認価格 変化 基準
COMEX Gold 8月限 4,050.20ドル -101.70ドル、-2.45% NY終値
現物Gold 4,049.25ドル ほぼ横ばい 7月24日7時35分、シンガポール
現物Silver 57.62ドル 前日3.6%安後に横ばい 7月24日7時35分、シンガポール
国内金小売 23,655円/グラム -391円 9時30分公表
国内銀小売 346.17円/グラム -9.35円 9時30分公表
国内Platinum小売 9,471円/グラム -217円 9時30分公表

国内価格は円安による下支えがあるにもかかわらず、金、銀、Platinumがそろって下落しました。海外価格の下落が円安効果を上回ったことを示しています。Platinumは同一時刻の信頼できる海外価格を確認できなかったため、国内価格を判断材料とし、正確性を優先して海外スポット価格は記載していません。

地政学リスクが高まってもGoldが下落しているのは、安全資産需要が消えたからではありません。現在は、原油高から米金利上昇とドル高へつながる経路が、安全資産買いを上回っています。Goldが反発するには、4,000ドルを維持するだけでなく、米10年債利回りが4.70%付近から低下し、ドル高も一服することが望まれます。

SilverとPlatinumは株式市場の影響にも注意が必要です。香港ハンセン指数は1.05%、豪ASX200指数は0.58%、韓国総合株価指数は4.23%下落しました。世界景気と工業需要への警戒が強まれば、GoldよりSilverとPlatinumの戻りが弱くなる可能性があります。

 

 

アジア株安と豪ドル、週末の二つのシナリオ

アジア市場では、原油高と米ハイテク株安が重なり、主要株価指数が総じて下落しました。豪州では、前日の強い雇用統計と原油高を受けて年内利上げ観測が再び強まり、債券利回りが上昇しています。一方、豪ドル円は114.18円で終了し、前日の上昇を大きく伸ばせませんでした。金利面は豪ドルを支えますが、株安と中国景気への警戒は上値を抑えます。

アジア株価指数 11時17分時点 騰落率
香港ハンセン指数 24,947.22 -1.05%
上海総合指数 3,855.76 -0.54%
台湾加権指数 44,235.34 -1.37%
韓国総合株価指数 6,796.50 -4.23%
豪ASX200指数 8,788.10 -0.58%

上昇シナリオは、WTI原油が92ドル台を維持し、米PMIが予想を上回り、米2年債利回りが4.35%を上回る場合です。ドル円が163.99円を明確に超えれば、164.30円、続いて164.50円が意識されます。ただし、164円台では日本当局と米財務省の牽制があるため、上昇速度が急なほど追随のリスクも高まります。

下落シナリオは、中東情勢の緊張緩和や利益確定で原油が反落し、米PMIも予想を下回る場合です。ドル円が163.50円を割れば、前日の安値163.00円が次の支持候補です。Goldは米金利低下を伴えば4,100ドル方向へ戻しやすくなりますが、株価が急落する場合はSilverとPlatinumがGoldに追随できない可能性があります。

 

 

 

本日のトレード戦略

外国為替の戦略

ドル円の基本レンジは163.50円から164.30円です。164.00円は心理的節目であると同時に、前日の高値163.99円に重なります。東京時間の仲値164.01円を維持できなかったため、164円を一度超えただけでは上抜け確定とせず、15分足程度での定着と米金利の方向を確認します。

条件 条件付き戦略 目標の目安 無効化条件
164.00円超えで米2年債利回りも上昇 押し戻し後の164円維持を確認 164.30円、164.50円 163.80円割れ
163.50円割れで米金利も低下 戻りが163.50円以下に抑えられるか確認 163.20円、163.00円 163.80円回復
原油だけが急騰し円も買われる ドル円を追わず豪ドル円を併せて確認 方向確定後に対応 原油と米金利の逆行
介入を示唆する強い報道 初動を追わず流動性回復を待つ 値幅よりリスク管理を優先 当局による否定

ユーロドルは1.1364ドルから1.1435ドルを観察帯とします。1.1364ドルを割り、米金利が上昇する場合はドル高継続を確認できます。一方、1.1400ドルを回復し、欧州PMIも改善する場合は、ECB後のユーロ売りが短期的な調整だった可能性を検討します。

豪ドル円は113.95円から114.50円を初期レンジとします。強い豪雇用統計による金利面の支えと、原油高・アジア株安による景気面の逆風が衝突しています。114.48円を超えても中国・香港株が下落を続ける場合は追随を慎重にし、113.97円を割る場合は113.60円方向への調整を警戒します。

重要時刻は15時の英国小売売上高、16時30分から17時30分の欧州・英国PMI、22時45分の米PMI、23時の米新築住宅販売件数です。週末の軍事報道による窓開けを考慮し、通常よりポジション量を抑えます。

 

 

貴金属の戦略

Goldは4,000ドルから4,100ドルを判断帯とします。4,050ドル付近はCOMEX終値とアジア時間の現物価格が重なる水準です。4,050ドルを維持し、米10年債利回りが4.65%方向へ低下する場合は4,100ドルまでの買い戻しを検討できます。4,100ドル超えへの定着が確認できれば、前日高値圏への再接近が視野に入ります。

反対に4,050ドルを割り、WTI原油が92ドル台、米10年債利回りが4.70%近辺を維持する場合は、4,000ドルの再試行を警戒します。この弱気シナリオは、Goldが4,100ドルを回復し、米金利とドルがともに低下した場合に無効です。

Silverは57.62ドルを基準とします。58ドルを回復し、Goldとアジア株が安定する場合は短期反発を検討できます。57.50ドルを割り、株安が続く場合は工業需要への警戒が優勢になりやすく、初動の買いは避けます。58.50ドル回復が弱気シナリオの無効化条件です。

Platinumは海外スポット価格の同一条件比較を避け、国内小売価格9,471円とアジア株、豪ドル、中国市場を併せて確認します。Goldだけが反発しても株安が続く場合は、Platinumの買いを急ぎません。国内価格が9,688円を回復し、アジア株も下げ止まる場合に上昇シナリオを再評価します。

本日は「中東情勢悪化ならGold上昇」と単純化せず、原油、米2年債・10年債利回り、ドル指数のうち少なくとも二つが同方向かを確認します。また、週末をまたぐ場合は通常時よりポジションを小さくし、損切り注文だけでは吸収できない窓開けリスクも考慮します。

 

 

 

引用文献

 

 

免責事項: 本レポートに含まれる情報は、情報提供のみを目的としており、投資助言を意図するものではありません。実際の取引においては、ご自身のリスク許容度に合わせて判断を行ってください。

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