ドル円157円台後半、Gold4080ドル|原油急落・米雇用指標【2026年8月5日】

原油急落と米雇用指標を焦点に、157円台後半のドル円と上昇したGold・Silver・Platinumを表した2026年8月5日の市況画像 日々の相場見通し

TL;DR

昨日の振り返り

  • ドル円は157.18円から157.96円まで上昇し、ベッセント米財務長官の発言で157円台前半へ押された後、157.75円で終了しました。
  • WTI原油は75.77ドルへ5.69%急落し、エネルギー起点のインフレ懸念が後退する中、GoldとSilverは上昇、Platinumも海外市場で大きく買われました。
  • 米国株高と原油安を受けてアジアのリスク選好が改善し、豪ASX200は朝方に過去最高値を更新、豪ドルは0.7045ドル付近を維持しました。

 

 

今日の見通し

  • ドル円は157.20円から158.00円を初期レンジとし、追加介入への警戒と原油安による米金利低下余地の双方を確認します。
  • Goldは4080ドル前後、Silverは59.60ドル前後、Platinumは1730ドル前後を起点に、21時15分の米ADP雇用統計と23時の米ISM非製造業指数を待つ展開です。
  • 米国とイランの協議進展が原油をさらに押し下げる場合は貴金属に金利面の追い風となる一方、地政学的な安全資産需要の後退が上値を抑える可能性もあります。

 

 

 

ドル円157円台後半とGold反発、原油急落後の分岐点

ドル円は介入後の買い戻しで157円台後半を回復しましたが、158円台では当局への警戒が残ります。貴金属では原油急落によるインフレ懸念の後退がGoldとSilverを支え、Platinumも強く反発しました。本日は米雇用・サービス業指標が、米金利とドルを通じて次の方向を決める可能性があります。

 

 

ドル円は買い戻されても介入前の地合いには戻らず

8月4日のドル円は157.18円で始まり、157.96円まで上昇した後、157.18円まで押し戻され、157.75円で終了しました。ユーロドルは1.1509ドルから1.1534ドル、ユーロ円は180.88円から181.99円の範囲でした。ドル円の始値と安値が同じだったため、日中の中心は円売りの買い戻しでしたが、158円手前では伸び切れなかったことが分かります。

通貨ペア 始値 高値 安値 終値
USDJPY 157.18円 157.96円 157.18円 157.75円
EURUSD 1.1509ドル 1.1534ドル 1.1502ドル 1.1531ドル
EURJPY 180.90円 181.99円 180.88円 181.88円

ニューヨーク時間には、ベッセント米財務長官が日本による円の過小評価是正への取り組みに言及し、ドル円は157.20円台まで下落しました。その後は157円台後半へ戻っています。発言後の下落が一時的だった事実だけで、介入警戒が後退したとは判断できません。ドル円1週間物のインプライド・ボラティリティーは11%台で、通常時より大きな変動を市場が織り込んでいます。

朝の157.70円台は、前日終値とほぼ同じです。ここから158円を試すには、米金利上昇や海外勢の円売り再開が必要です。一方、157.20円を割る場合は、単なる利益確定なのか、追加介入を警戒した円買いなのかを、ユーロ円や豪ドル円の動きと合わせて確認する必要があります。

 

 

原油5.69%安がGoldと米金利を支える

NY原油先物9月限は75.77ドルで終了し、前日比4.57ドル、5.69%下落しました。時間外では82.33ドルまで上昇した後、通常取引で75.16ドルまで急落しています。カタールを仲介役とする米国・イラン間の協議や、ホルムズ海峡の航行正常化への期待が供給不安を後退させました。

市場 確認値 変化 市場で意識された材料
WTI原油9月限 75.77ドル -5.69% ホルムズ海峡の航行正常化期待
現物Gold 4,081.09ドル +0.1% ドル軟化、原油安、米雇用指標待ち
現物Silver 59.61ドル +0.2% Gold上昇とリスク選好
現物Platinum 1,732.00ドル -0.2% 前日の急伸後の小幅調整

原油安は、エネルギー価格を通じたインフレ再加速の懸念を和らげます。その結果、米金融当局が追加利上げを急ぐ必要性が低下するとの見方が強まれば、米国債利回りとドルが下がり、利息を生まないGoldには追い風になります。ただし、米国とイランの緊張緩和はGoldの安全資産需要を弱める方向にも働きます。実際の相場では「原油安による金利低下期待」と「地政学リスクの後退」が相殺し合うため、原油だけでGoldの方向を決めないことが重要です。

ニューヨーク市場のGoldは前営業日に大きく反発し、東京時間朝も4080ドル前後を維持しました。Silverは59.61ドルへ小幅続伸した一方、Platinumは1732ドルへ0.2%下落しています。ただし、国内地金価格ではPlatinumの上昇が際立っており、前日の海外市場での反発が円建て価格へ反映されたと考えられます。

 

 

国内3金属はそろって上昇、Platinumが相対優位

田中貴金属が8月5日9時30分に公表した店頭小売価格は、金が1グラム22,932円、銀が345.29円、プラチナが9,895円でした。前営業日比はそれぞれ150円、7.59円、583円の上昇です。Platinumの上昇幅が最も大きく、海外価格の反発に円安水準が重なった影響が表れています。

国内地金 店頭小売価格 前営業日比 店頭買取価格
22,932円/グラム +150円 22,576円
345.29円/グラム +7.59円 328.24円
プラチナ 9,895円/グラム +583円 9,473円

国内価格は海外価格とドル円の掛け合わせで動くため、現物Platinumが東京時間に小幅安でも、前営業日比の小売価格が大幅高になることがあります。短期売買では、国内価格だけを見て海外相場の方向を推測せず、ドル建て価格とドル円を分けて確認する必要があります。

Goldは4080ドル付近を維持できれば、4100ドル、次いで前日の先物高値帯が意識されます。Silverは60ドルが心理的抵抗、Platinumは1730ドル前後が短期の分岐点です。株高が続けば工業用途を持つSilverとPlatinumには支援材料ですが、米指標が強く米金利が上昇すれば、三金属とも上値を抑えられる可能性があります。

 

 

豪州株の最高値とAUD0.7045ドルが示すリスク選好

オーストラリアでは、ASX200が東京時間9時05分に9,207.30ポイント、前日比0.67%高となり、過去最高値を更新しました。ABCの市場速報では、豪ドルは0.7045米ドル付近、資源株を含む素材セクターは1.9%高でした。原油安で追加利上げ観測が後退したとの見方に加え、米国株高と重要鉱物関連株への買いが相場を支えています。

この組み合わせは、典型的な全面的リスク回避ではありません。Goldが上昇していても株式と豪ドルが安定しているため、Gold高の中心は恐怖による逃避需要より、原油安とドル・金利見通しの変化である可能性があります。SilverやPlatinumにとっても、アジア株高は工業需要への不安を和らげる材料です。

一方、香港株は寄り付きで0.15%高、上海株は0.19%安と方向が分かれました。中国人民元の基準値は1ドル6.7889元と前日から元高方向に設定され、中国のサービス業PMIも材料になっています。豪ドルが0.70ドル台を維持できるかは、中国関連指標と資源価格への市場評価を測る手掛かりになります。

 

 

米ADP雇用統計とISM非製造業が次の方向を決める

本日の米国時間は、21時15分にADP雇用者数、22時45分にサービス業PMI確報値、23時にISM非製造業景気指数、23時30分に週間石油在庫統計が予定されています。雇用とサービス業が強ければ追加利上げ観測が戻り、ドル円を支える一方でGoldには逆風となります。弱ければ米金利とドルが低下し、Gold・Silverを押し上げる可能性があります。

日本時間 予定 主な確認対象
21:15 米ADP雇用者数 ドル、米2年債利回り
22:45 米サービス業PMI確報値 景気認識、ドル
23:00 米ISM非製造業景気指数 雇用・価格指数、米金利
23:30 米週間石油在庫統計 WTI原油、インフレ期待

上昇シナリオは、ADPとISMが市場予想を上回り、ドル円が157.96円を超える場合です。158円台へ定着すれば158.30円から158.50円が次の確認帯ですが、介入関連報道が出れば上昇が急反転するリスクがあります。Goldは米金利上昇時に4080ドルを維持できるかが焦点です。

下落シナリオは、米雇用・サービス業指標が弱く、原油も75ドル台以下に沈む場合です。ドル円が157.20円を割れば156.80円から156.50円方向を試しやすくなり、Goldは4100ドルを回復する可能性があります。ただし、緊張緩和が急速に進む場合は安全資産需要が後退し、金利低下だけではGoldが上がらないことも想定します。

 

 

 

本日のトレード戦略

外国為替の戦略

ドル円の基本レンジは157.20円から158.00円です。前日高値157.96円と心理的節目158.00円を同じ抵抗帯として扱い、上抜けだけでなく15分から30分程度維持できるかを確認します。下値はベッセント発言後の157.20円、その下は157.00円と156.80円です。

条件 条件付き対応 目標の目安 無効化条件
157.96円を上抜け、米金利も上昇 押し戻し後に158円を維持するか確認 158.30円、158.50円 157.70円割れ
157.20円を下抜け、米金利も低下 戻りが157.20円以下に抑えられるか確認 156.80円、156.50円 157.50円回復
介入・レートチェック報道 初動を追わずスプレッド正常化を待つ 直近安値を基準に再評価 報道否定と全戻し
豪ドルが0.70ドルを維持 AUDUSDの押し目を観察 0.7050、0.7100ドル 0.6980ドル割れ

21時15分、23時、23時30分の前後は値幅が拡大しやすいため、ポジション量を通常より抑えます。ドル円だけでなく、米2年債利回り、ドル指数、ユーロ円を併せて見れば、ドル買いと円売りのどちらが主因かを区別しやすくなります。

 

  

貴金属の戦略

Goldは4070ドルから4100ドル、Silverは59.20ドルから60.00ドル、Platinumは1700ドルから1750ドルを初期判断帯とします。原油安が続いて米金利も低下する場合はGoldとSilverに追い風ですが、原油反発と強い米指標が重なれば逆風です。

銘柄 上昇条件 下落条件 無効化条件
Gold 4100ドル回復、米10年債利回り低下 4070ドル割れ、ドルと米金利上昇 反対側の節目へ定着
Silver 60ドル突破、Goldと株価が安定 59.20ドル割れ、株安へ転換 59.70ドル回復
Platinum 1750ドル突破、アジア株高継続 1700ドル割れ、資源株反落 1730ドル回復

Goldは地政学リスク後退と金利低下が逆方向に作用するため、原油だけを根拠に方向を決めません。Silverは60ドル付近で利益確定が出る可能性を考慮し、Goldが4100ドルを超えられない場合の追い買いは慎重にします。Platinumは国内価格が大幅高となった後で値幅が大きいため、1730ドルを挟んだ値固めを待ちます。

原油、米2年債利回り、ドル指数のうち二つ以上が同じ方向へ動くことを確認してから、貴金属のシナリオを選びます。米指標後にGoldが上昇してもSilverとPlatinumが追随しない場合は、安全資産需要に偏った動きとみなし、工業系金属の上昇余地を過大評価しない方針が適切です。

 

 

引用文献

 

 

 

免責事項: 本レポートに含まれる情報は、情報提供のみを目的としており、投資助言を意図するものではありません。実際の取引においては、ご自身のリスク許容度に合わせて判断を行ってください。

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