ドル円157円台、Gold4300ドル突破|ホルムズ合意観測・米雇用統計待ち【2026年8月6日】

ホルムズ海峡の航行正常化観測を開けた水路で表し、上昇したGold・Silver・Platinumと157円台のドル円を示す2026年8月6日の市況画像 日々の相場見通し

TL;DR

昨日の振り返り

  • ドル円は157.31円から157.88円の狭い範囲で往来し、日米協調介入後の買い戻しと追加介入への警戒が拮抗する中、157.75円で終了しました。
  • COMEX金先物は4,305.20ドルへ3.67%急伸し、SilverとPlatinumも上昇しました。ホルムズ海峡の航行正常化観測による原油安、ドル軟化、米金利の上昇一服が支えです。
  • WTI原油は75.22ドルへ続落し、米10年債利回りは4.611%でほぼ横ばいでした。原油の供給不安後退が期待インフレ率を押し下げました。

 

 

今日の見通し

  • ドル円は157.30円から158.05円を初期レンジとし、200日移動平均線付近の158.05円と前日安値157.31円を分岐点として確認します。
  • Goldは4,300ドル台を維持できるか、Silverは62ドル台、Platinumは1,760ドル前後で上昇が続くかが焦点です。原油反発と米金利上昇が同時に起きれば利益確定に注意します。
  • 21時30分の米新規失業保険申請件数を確認しつつ、翌日の米雇用統計を前に方向を固定しません。豪州貿易黒字とアジア株安が豪ドルへ与える影響も見極めます。

 

 

 

ドル円157円台とGold4300ドル、ホルムズ合意観測後の焦点

ドル円は157円台で方向感を欠く一方、Goldは4300ドル台へ急伸しました。主因は単純な安全資産買いではなく、ホルムズ海峡の航行正常化観測で原油と期待インフレ率が低下し、金利面の逆風が和らいだことです。ただし海峡では新たな爆発音の報告もあり、原油反発時の巻き戻しに注意が必要です。

 

ドル円は157円台で介入後の均衡を探る

8月5日のドル円は157.75円で始まり、157.88円まで上昇した後、157.31円まで下落し、157.75円で終了しました。始値と終値が同じで、値幅も57銭にとどまっています。日米協調介入後の円高が一服した一方、158円台では再介入や当局発言への警戒が残り、一方向へ傾きにくい状態です。

通貨ペア 始値 高値 安値 終値
USDJPY 157.75円 157.88円 157.31円 157.75円
EURUSD 1.1531ドル 1.1559ドル 1.1527ドル 1.1553ドル
EURJPY 181.87円 182.29円 181.54円 182.26円
AUDJPY 111.15円 111.36円 110.85円 111.34円

ニューヨーク市場ではドル円が157円台で上下し、200日移動平均線が位置する158.05円付近が上値の目安として意識されました。原油安や米長期金利の上昇一服は円高・ドル安方向の材料ですが、相場の反応は限定的でした。これは介入直後に積み上がった円買いポジションの調整と、翌日の米雇用統計を待つ姿勢が重なったためと考えられます。

東京時間朝も157.70円前後で始まり、仲値は157.59円でした。前日終値から大きく離れていないため、午前の値動きだけで新しいトレンドが始まったとは判断しにくい状況です。157.31円を割れば介入後の円高方向が再び意識され、158.05円を明確に超えれば買い戻しが続く可能性があります。ただし、158円台では当局関連の報道による急反転を常に想定します。

 

 

Goldは4300ドル突破、原油安が金利面を改善

COMEX金先物12月限は4,305.20ドルで終了し、前日比152.60ドル、3.67%上昇しました。東京時間10時34分には時間外取引で4,333.90ドルまで上昇しています。現物Goldも一時4,285.84ドルと約7週間ぶりの高値を付け、Silverは62.16ドル、Platinumは1,764.10ドルまで上昇しました。

海外市場 確認値 変化・位置づけ
COMEX金先物12月限 4,305.20ドル +152.60ドル、+3.67%
現物Gold 4,285.84ドル 東京時間早朝で+1.0%
現物Silver 62.16ドル +0.1%
現物Platinum 1,764.10ドル +1.7%、6月以来の高値圏
WTI原油9月限 75.22ドル -0.55ドル、-0.73%

Goldの上昇は、ホルムズ海峡の航行再開に向けた暫定合意観測が原油を押し下げ、エネルギー起点のインフレ懸念を和らげたことが大きな材料です。米国債市場では2年債利回りが4.185%、10年債が4.611%、30年債が5.164%と、いずれも小幅低下しました。10年物期待インフレ率も2.217%へ低下しています。利息を生まないGoldにとって、実質金利上昇への警戒が後退することは支援材料です。

一方で、ホルムズ海峡の緊張緩和は本来、安全資産需要を弱める材料でもあります。今回Goldが上昇したことから、短期的には安全資産需要の後退より、原油安・ドル軟化・利上げ観測後退という金融条件の改善が上回ったとみられます。ただし、米国とイランの合意は最終確定しておらず、イラン側からは米国の行動次第との慎重な発信もあります。東京時間には航行中の石油タンカーから爆発音が聞こえたとの報告もあり、原油が反発すればGoldの金利面の追い風が弱まる可能性があります。

 

 

国内の金・銀・プラチナもそろって大幅高

田中貴金属が8月6日9時30分に公表した国内小売価格は、金が1グラム24,068円、銀が359.48円、プラチナが9,980円でした。前営業日比は金が1,136円、銀が14.19円、プラチナが85円の上昇です。東京金先物も1グラム22,229円と2.46%上昇しました。

国内地金 店頭小売価格 前営業日比 店頭買取価格
24,068円/グラム +1,136円 23,711円
359.48円/グラム +14.19円 342.43円
プラチナ 9,980円/グラム +85円 9,557円

国内金の上昇幅が大きいのは、海外Goldの急伸に加え、ドル円が157円台を維持しているためです。円建て価格はドル建て金価格とドル円の双方に左右されるため、海外Goldが高値圏でもドル円が急落すれば上昇が抑えられます。国内価格を取引判断に使う場合は、海外価格の騰落と為替効果を分けて確認する必要があります。

SilverとPlatinumは工業用途を持つため、Goldほど金利だけで説明できません。Platinumが6月以来の高値圏へ上昇した一方、東京・韓国・香港株は朝方に下落しました。株安が長引けば工業需要への懸念が再び上値を抑える可能性があります。Goldが高値を更新してもSilverとPlatinumが追随しない場合は、貴金属全体への資金流入ではなく、Gold固有の買いが中心と判断します。

 

 

豪州貿易収支は黒字転換、AUDは0.7056ドル付近

豪州統計局が公表した6月の財貿易では、季節調整済みの収支が前月から42億9,600万豪ドル改善しました。5月の30億1,800万豪ドルの赤字から計算すると、6月は約12億7,800万豪ドルの黒字へ転じたことになります。輸出は非貨幣用Goldを中心に9.6%増加し、輸入は燃料・潤滑油を中心に0.2%減少しました。

ABCの豪州市場速報では、朝方のASX200は9,273付近と0.5%高、豪ドルは0.7056米ドル付近、鉄鉱石は94.50ドルと0.7%高でした。貿易黒字への転換は豪ドルにとって支援材料ですが、今回の改善には値動きの大きい非貨幣用Goldの輸出が寄与しています。単月の黒字だけで豪州の基調的な外需が全面回復したとみなすのは慎重であるべきです。

また、東京時間午前には日経平均が一時1,300円安、韓国株が5%超下落し、香港株も急反落しました。豪州株が上昇する一方で北アジア株が下落しており、アジア全体を一括してリスクオンと評価できません。AUDUSDが0.70ドル台を維持できるか、AUDJPYが前日安値110.85円を割らないかが、中国・資源価格とリスク選好を測る確認点です。

 

 

本日は米失業保険、翌日の雇用統計待ち

本日の主な予定は、15時のドイツ製造業新規受注、18時のユーロ圏小売売上高、21時30分の米非農業部門労働生産性と新規失業保険申請件数です。米新規失業保険申請件数は20.2万件が予想され、前回は19.7万件でした。翌日には米雇用統計が予定されているため、本日の指標で大きく動いてもポジション調整で反転する可能性があります。

日本時間 予定 主な確認対象
15:00 ドイツ製造業新規受注 ユーロ、欧州景気
18:00 ユーロ圏小売売上高 ユーロ、欧州金利
21:30 米非農業部門労働生産性・単位労働費用 米金利、ドル、Gold
21:30 米新規失業保険申請件数 米雇用統計の事前確認、ドル円

上昇シナリオは、失業保険申請件数が予想を下回り、米2年債利回りが上昇してドル円が158.05円を超える場合です。158.30円から158.50円が次の確認帯ですが、当局警戒から上値追いは短時間に限定される可能性があります。Goldは米金利が上昇しても4,300ドルを維持できれば、押し目買いの強さを示します。

下落シナリオは、失業保険申請件数が増え、米金利とドルが低下し、ドル円が157.31円を割る場合です。157.00円、次いで156.60円が意識されます。Goldは4,350ドル方向を試す余地がありますが、ホルムズ海峡の合意が正式化されて安全資産需要が後退する場合は、金利低下と相殺される可能性があります。

 

 

 

本日のトレード戦略

外国為替の戦略

ドル円の基本レンジは157.30円から158.05円です。前日安値157.31円を下値支持、200日移動平均線付近の158.05円を上値抵抗として扱います。狭いレンジが続いた後は、抜けた方向へ短時間で値幅が拡大する可能性があるため、初動よりも節目を維持できるかを確認します。

条件 条件付き対応 目標の目安 無効化条件
158.05円を上抜け、米2年債利回りも上昇 押し戻し後に158円台を維持するか確認 158.30円、158.50円 157.75円割れ
157.31円を下抜け、米金利も低下 戻りが157.31円以下に抑えられるか確認 157.00円、156.60円 157.60円回復
介入関連報道で急落 初動を追わず流動性とスプレッド正常化を待つ 直近安値を基準に再評価 報道否定と全戻し
AUDUSDが0.7050ドルを維持 豪貿易黒字と資源価格の支えを確認 0.7080、0.7100ドル 0.7000ドル割れ

21時30分前後は、ドル円だけでなく米2年債利回りとドル指数を確認します。ドル円上昇時にユーロ円や豪ドル円も上昇すれば円売り主導、EURUSDが下落してドル円だけが上昇すればドル買い主導と区別できます。翌日の雇用統計を控えるため、指標後の方向を翌日まで持続すると決めつけない方針が適切です。

 

 

貴金属の戦略

Goldは4,280ドルから4,350ドル、Silverは61.50ドルから62.80ドル、Platinumは1,730ドルから1,790ドルを初期判断帯とします。前日の上昇幅が大きいため、高値更新だけを根拠に追わず、米金利と原油がGoldに整合するかを確認します。

銘柄 上昇条件 下落条件 無効化条件
Gold 4,350ドル突破、米10年債利回り低下 4,280ドル割れ、原油と米金利が同時上昇 4,320ドル回復・割れ
Silver 62.80ドル突破、Goldと株価が安定 61.50ドル割れ、アジア株安が継続 62.20ドル回復
Platinum 1,790ドル突破、資源株が反発 1,730ドル割れ、工業需要懸念が拡大 1,765ドル回復

Goldはホルムズ海峡の緊張緩和観測で上昇しているため、通常の「地政学リスク後退ならGold安」という関係と異なります。今回は原油安によるインフレ・金利見通しの改善が優勢でした。したがって、原油が反発し、期待インフレ率と米金利も上向く場合には、Goldが安全資産として買われても上昇幅が抑えられる可能性があります。

SilverとPlatinumはGoldへの追随に加え、アジア株の安定が必要です。Goldが4,350ドルを超えても日経平均、韓国株、香港株の下落が続く場合は、SilverとPlatinumの上昇余地を同じように見積もりません。原油、米2年債利回り、ドル指数のうち少なくとも二つが同方向を示すまで、貴金属の初動を追わない条件付き戦略とします。

 

 

引用文献

 

 

 

免責事項: 本レポートに含まれる情報は、情報提供のみを目的としており、投資助言を意図するものではありません。実際の取引においては、ご自身のリスク許容度に合わせて判断を行ってください。

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