ドル円159円台とGold4400ドル|米CPI通過・PPIと日銀観測【2026年8月13日】

米物価指標の波及を示す透明なプリズム、円とドルの抽象的な流れ、異なる質感のGold・Silver・Platinumとアジア都市を描いた2026年8月13日の市況 日々の相場見通し

TL;DR

昨日の振り返り

  • ドル円は米CPI直後に158.60円へ下落したものの、終値159.42円まで切り返し、物価鈍化だけでは円高トレンドを作れませんでした。
  • Gold先物は4467.50ドルへ0.59%上昇し、現物Gold、Silver、Platinumも米利上げ確率の低下を受けて買われました。
  • 原油はWTI82ドル台、Brent88ドル台で高止まりし、地政学リスクとインフレ圧力という二つの経路を残しました。

 

 

今日の見通し

  • 21時30分JSTの米7月PPIが最大材料で、上振れなら米金利・ドル高、下振れならGold・Silver支援という基本経路を確認します。
  • 日本の7月国内企業物価は前年比7.2%と高水準を維持しており、日銀の早期利上げ観測が強まれば159円台のドル円を抑える可能性があります。
  • RBAの過去3回の利上げは需要を冷やし始めており、AUDは0.7062ドル付近を軸に、米PPIと中国・香港市場の方向を見ます。

 

 

 

米CPI通過後のドル円・Goldと今日のPPI

13日の結論は、米CPI直後のドル安が続かなかったため、ドル円159円台を一方向に追わず、今夜の米PPI後に米10年債利回りとドルが同じ方向へ進むかを確認することです。Goldは4400ドル台を維持していますが、SilverとPlatinumは工業需要の影響が大きく、アジア株の強弱も合わせて判断します。    

ドル円は158.60円から159.42円へ往って来い

12日のドル円は159.29円で始まり、高値159.54円、安値158.60円、終値159.42円でした。米7月CPIを受けて一時158円台へ下げた後、159円台半ばまで戻っています。CPIが前月比0.1%上昇と予想通りだったことで、9月の米利上げ確率は約40%へ低下しましたが、利上げ観測が消えたわけではありません。

12日の為替 始値 高値 安値 終値
USDJPY 159.29 159.54 158.60 159.42
EURUSD 1.1542 1.1563 1.1520 1.1526
EURJPY 183.84 183.97 183.16 183.75

値動きが往って来いになった事実は、弱めの物価だけでドルを継続的に売る参加者が十分ではなかったことを示します。ただし、これはドル高再開を保証しません。CPI発表後も米10年債利回りは4.688%付近で、日銀の早期利上げ観測も円を下支えしています。ドル円では米金利上昇と日銀観測の綱引きが続きます。

13日朝のピボットでは159.19円が中心、159.77円が第一抵抗、158.83円が第一支持です。計算上の参考値であり、売買を保証する水準ではありませんが、前日安値158.60円と高値159.54円に近い帯が短期の分岐になっています。160円に近づくほど為替介入への警戒も強まり、値動きが急変しやすい点に注意が必要です。     

 

 

米CPIは鈍化、次は21時30分の米PPI

米7月CPIは前月比0.1%上昇と市場予想に一致し、前年比では3.4%へ鈍化しました。インフレ再加速への警戒をわずかに和らげ、Goldなど利息を生まない資産を支えました。一方、CPIは消費者段階の物価であり、企業の投入・販売価格を示すPPIが強ければ、利上げ観測は再び戻り得ます。

米労働統計局の予定では7月PPIは13日8時30分ET、JSTでは21時30分に発表されます。市場では前月比0.1~0.2%程度の上昇が意識されていますが、予想値は情報会社によって差があります。このため、数字の絶対値より、発表後5~15分で米2年・10年債利回り、ドル円、Goldが同じ物語を示すかを優先します。

PPI上振れで米金利とドルが上昇する場合、ドル円は159.77円から160円を試しやすく、Goldには機会費用上昇が逆風になります。PPI下振れで米金利とドルが低下する場合、ドル円は158.83円から158.60円を試し、Gold・Silverを支えやすくなります。発表値が強くてもドル円が159.77円を超えられない、または弱くてもGoldが4400ドルを維持できない場合は、初動と逆方向への戻りを警戒します。

米CPI通過後に米PPIの上振れ・下振れが金利、ドル円、Goldへ波及する二つの経路
米CPI通過後に米PPIの上振れ・下振れが金利、ドル円、Goldへ波及する二つの経路

 

 

Gold続伸、SilverとPlatinumは相対強弱が分かれる

COMEX金12月限は4467.50ドルで引け、前日比26.40ドル、0.59%上昇しました。Reutersによる現物Goldは米国時間に4406.64ドルへ0.9%上昇し、13日アジア時間には4419.28ドル付近でした。100日移動平均線を上回ったとの報道もあり、短期のテクニカル買いが加わった可能性があります。ただし、移動平均突破だけで上昇継続を断定しません。

Silverは13日アジア時間に65.50ドル付近で、6月22日以来の高値を付けたと報じられました。PlatinumもCPI後に上昇しましたが、13日午前の更新値は1751~1754ドル付近で、前日終値からは弱含む場面がありました。GoldとSilverが前営業日比で上昇した一方、Platinumは朝の株式・資源市場により反応が分かれています。

貴金属 13日午前の参考値 当日の読み方
Gold 4419.28ドル 米金利低下と地政学需要が支援
Silver 65.50ドル Gold追随に加え工業需要を確認
Platinum 1751~1754ドル 自動車・中国需要で相対的に変動

SilverとPlatinumは安全資産であるだけでなく工業用途を持ちます。アジア株が全面高なら両金属がGoldへ追随しやすい一方、中国・香港株が弱ければGoldだけが強い展開になり得ます。13日はMSCIアジア太平洋株指数が0.97%高、韓国株が4.4%高、日経平均が1.86%高でしたが、香港株は寄り付き0.59%安でした。地域全体を一括してリスクオンと決めつけないことが重要です。  

 

   

国内企業物価と日銀利上げ観測が円を支えるか

日本の7月国内企業物価は前月比0.1%上昇で、市場予想0.4%を下回りました。前年比は7.2%で、予想7.3%をわずかに下回りました。前月からの勢いは弱まりましたが、前年比7%台は企業間の価格転嫁圧力が強い状態です。

この結果は円に対して一方向ではありません。予想を下回った前月比は日銀の利上げを急がせない材料になり得ますが、高い前年比は基調的な物価圧力への警戒を残します。Reutersは卸売物価を背景に日銀の早期利上げ観測があると伝えており、ドル円が159円台後半へ上がる局面で円買いが入りやすい可能性があります。

日銀観測を理由に円高を断定するのは適切ではありません。米PPIが強く米金利が上昇すれば、日米金利差がドル円を押し上げる可能性があります。反対にPPIが弱く、日本の金利が高止まりすれば、158円台を再び試す条件が整います。米国要因と日本要因が同じ方向を向くかを確認します。  

 

   

RBAの利上げ効果とAUD、中国・資源価格

RBAのケント総裁補は13日、2026年に実施した3回の利上げが意図した通り金融環境を引き締め、支出と成長を冷やしているとの認識を示しました。住宅信用と新規住宅融資も鈍化しています。政策金利4.35%は中立金利推計の上限付近、基調インフレは3.6%で2~3%目標を上回っています。

市場は年末までに4.60%へ追加利上げする確率を約75%織り込んでいますが、ケント発言は利上げを確約したものではありません。過去の引き締め効果が強く出れば、追加利上げの必要性は低下します。AUDUSDは0.7062付近で安定しており、0.70台を保てるかが短期の確認点です。

原油はWTI82.58ドル、Brent88.35ドル付近で、前日から小幅に下落しました。米在庫増加が重荷となる一方、ホルムズ海峡を巡る緊張が下値を支えています。鉄鉱石は95ドル付近で横ばいでした。豪ドルにとって資源価格は強い追い風ではありませんが、急落でもありません。中国・香港株が弱いままなら、RBA要因だけでAUDを追うより、0.7060近辺の維持を確認します。    

 

 

アジア市場が示す二つの相場シナリオ

上昇シナリオは、米PPIが上振れし、米金利とドルが上昇、ドル円が159.77円を明確に上回る場合です。160円接近では介入警戒が高まるため、追随の規模を抑えます。Goldは4400ドルを割るかを見ますが、地政学リスクが強まればドル高でも下げ渋る場合があります。

下落シナリオは、PPIが下振れし、米金利が低下、ドル円が158.83円を割る場合です。前日安値158.60円、次に158.25円が確認帯です。Goldは4425~4468ドルを試しやすくなりますが、SilverとPlatinumは香港株・人民元が弱ければGoldほど上がらない可能性があります。

リスクは、原油と地政学のニュース、為替介入を巡る見出し、PPI後のポジション巻き戻しです。初動だけで因果を固定せず、米金利、ドル、原油、アジア株のうち少なくとも二つが同じ方向を示すまで待つ方が、短期の往って来いに巻き込まれにくくなります。      

 

 

 

本日のトレード戦略

外国為替の戦略

ドル円の主要レンジは158.25~160.15円です。159.19円を日中の中心、159.77円を上側の確認点、158.83円と前日安値158.60円を下側の確認点とします。21時30分JSTの米PPI後、159.77円を超え、米10年債利回りも上昇する場合は160.00~160.15円を確認します。上昇シナリオは159.19円割れで無効とします。

158.83円を割り、米金利も低下する場合は158.60円、158.25円を確認します。下落シナリオは159.54円回復で無効です。160円前後では介入見出しによる急落があり得るため、価格水準よりも持ち高縮小を優先します。

AUDUSDは0.7000~0.7120ドルを観察帯とします。PPI下振れと0.7062維持が重なれば0.7100~0.7120を確認し、0.7030割れで強気を無効とします。PPI上振れと中国・香港株安が重なり0.7030を割れば0.7000方向を警戒し、0.7080回復で弱気を無効とします。  

 

  

貴金属の戦略

Goldは4380~4480ドルを観察帯とします。4400ドルを維持し、PPI後に米金利とドルが低下すれば4425ドル、先物終値4467.50ドル付近を確認します。強気の無効化は4390ドル割れです。PPI上振れで米金利が上昇し、4400ドルを割る場合は4380ドルを警戒し、4430ドル回復で弱気を無効とします。

Silverは64.50~66.50ドルを観察帯とします。65.50ドルを維持し、Goldとアジア株がそろって上昇すれば66.00~66.50ドルを確認します。強気は64.90ドル割れで無効、弱気は66.00ドル超えで無効です。Goldだけが上昇し香港株が弱い場合、Silverの追随を前提にしません。

Platinumは1725~1785ドルを観察帯とします。1750ドル台を維持し、AUDと中国・香港株が安定すれば1770~1785ドルを確認します。強気は1740ドル割れで無効、弱気は1770ドル超えで無効です。Gold、Silverより工業需要の影響が大きいため、ドル安だけを上昇理由にせず、株式と資源価格の確認を加えます。

 

 

引用文献

 

 

 

免責事項: 本レポートに含まれる情報は、情報提供のみを目的としており、投資助言を意図するものではありません。実際の取引においては、ご自身のリスク許容度に合わせて判断を行ってください。

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