TL;DR
昨日の振り返り
- ドル円は159.29円で始まり、158.93~159.39円の狭い範囲を往来して159.28円で終了し、介入後の反発は一服しました。
- RBAは政策金利を4.35%に据え置きましたが、追加利上げを議論し、必要なら再利上げする姿勢を示したため豪ドルは底堅く推移しました。
- Gold先物は4441.10ドルへ0.48%上昇した一方、現物GoldとSilverには高値後の利益確定が入り、貴金属内で方向が分かれました。
今日の見通し
- 21時30分JSTの米7月CPIが最大材料で、総合前月比0.1%、コア0.2%という予想からの差がドル円と米金利を動かします。
- 原油はWTI83ドル台、Brent89ドル台へ上昇し、地政学リスクによるGold需要とインフレによる金利上昇を同時に生む点に注意します。
- RBAのタカ派姿勢は豪ドルを支えますが、香港株安と米CPI前の持ち高調整がAUDJPY、Silver、Platinumの上値を抑える可能性があります。
米CPI前のドル円・GoldとRBA後の豪ドル
12日の結論は、米CPIまではドル円159円台の狭い値動きを追わず、発表後に米2年債利回り、原油、ドルが同じ方向へ動くかを確認することです。Goldは4400ドル、Silverは65ドル、Platinumは1760ドル近辺が分岐点です。RBAのタカ派姿勢は豪ドルを支えますが、米CPIが強ければ米ドル高が上回る可能性があります。
ドル円は159円前半で方向待ち
11日のドル円は始値159.29円、高値159.39円、安値158.93円、終値159.28円でした。前日に157円台から159円台へ急反発した後、値幅は46銭に縮小しました。協調介入後の円高を半分以上戻した一方、160円へ近づくと追加介入への警戒が強まり、買い上がる動きも限られています。
EURUSDは1.1544で始まり、1.1531まで下落した後、1.1542で終了しました。ドルが全面高になったわけではなく、米CPI前に主要通貨が持ち高を傾けにくかったと整理できます。AUDJPYは112.37円から112.47円へ小幅に上昇し、高値112.57円、安値112.08円でした。RBA後でも値幅は限定的で、政策金利据え置き自体が織り込まれていたことを示します。
| 11日の主要通貨 | 始値 | 高値 | 安値 | 終値 |
|---|---|---|---|---|
| USDJPY | 159.29 | 159.39 | 158.93 | 159.28 |
| EURUSD | 1.1544 | 1.1550 | 1.1531 | 1.1542 |
| EURJPY | 183.89 | 183.92 | 183.57 | 183.85 |
| AUDJPY | 112.37 | 112.57 | 112.08 | 112.47 |
12日午前のドル円理論価格は158.47円、割高ゾーンは159.55円より上、現値は159.24円とされました。独自モデルなので売買を保証する水準ではありませんが、159.55円超では円安の行き過ぎと介入警戒が重なりやすい参考になります。一方、理論価格だけを理由に売るのではなく、CPI後の米金利と159円維持を確認します。
米CPIは総合よりコアと金利反応を確認
米7月CPIは21時30分JSTに発表されます。市場予想は総合が前月比0.1%上昇、コアが0.2%上昇です。弱い7月雇用統計を受け、9月の米利上げ予想は五分五分に近い状態です。CPIが少し予想を上回るだけでも、原油高と組み合わさって利上げ観測が強まる可能性があります。
強いCPIでは米2年債利回り上昇、ドル高、Gold下落が基本経路です。ただし中東情勢が同時に悪化すれば、安全資産需要でGoldが下げ渋る場合があります。弱いCPIでは米金利とドルが低下し、Gold・Silverを支えやすくなりますが、景気不安が強まればPlatinumや豪ドルはGoldほど上がらない可能性があります。
重要なのは発表値だけでなく、発表後5~15分の市場反応です。総合が予想通りでもコアが上振れし、2年債利回りが上がればドル高シナリオを優先します。反対にCPIが強くても利回りが上がらず、ドル円が159.55円を超えられない場合は、材料出尽くしを警戒します。

原油高は円と貴金属に逆向きの効果
WTI原油9月限の11日終値は83.20ドルで、前日比1.07ドル、1.30%上昇しました。12日アジア時間はWTI83.94ドル、Brent89.60ドル付近まで上昇しています。ホルムズ海峡を巡る米国とイランの交渉難航に加え、船舶への攻撃や北朝鮮のミサイル発射が地政学リスクを高めました。
原油高は日本の輸入負担を通じて円安要因になりやすく、ドル円を支えます。米国ではインフレ期待と利上げ観測を強め、米金利とドルを押し上げる可能性があります。この場合、Goldには金利上昇という逆風が加わります。一方、供給不安や軍事衝突はGoldへの安全需要を生むため、同じ原油高でも二つの経路が反対方向に働きます。
原油とGoldが同時に上昇しても、因果を一つに決めません。原油高、米金利低下、Gold上昇なら地政学需要が優勢です。原油高、米金利上昇、Gold停滞ならインフレ経路が優勢です。ドル円では原油と米金利がともに上昇する場合、159.55円から160円を試しやすくなります。
Goldは4400ドル、SilverとPlatinumは工業需要も見る
NY金先物12月限は4441.10ドルで引け、前日比21.40ドル、0.48%上昇しました。12日アジア時間の現物Goldは4387~4401ドル付近で0.5~0.7%高と報じられています。前日に4400ドルを割る利益確定が出た後、米CPIと地政学リスクを前に買い戻されています。
同日更新の市場データではSilverは65.07ドル付近で0.61%高、Platinumは1761.30ドル付近で0.36%高でした。11日はSilverが高値から反落したため、GoldとSilverの方向は一時分かれました。12日午前は三金属とも反発していますが、SilverとPlatinumには中国・香港株、太陽光、自動車など工業需要の影響があります。
| 貴金属 | 12日午前の参考値 | 前日比 | 分岐点 |
|---|---|---|---|
| Gold | 4400.87ドル | +0.70% | 4400ドル |
| Silver | 65.07ドル | +0.61% | 65ドル |
| Platinum | 1761.30ドル | +0.36% | 1760ドル |
香港株は0.60%安で始まり、上海株は0.01%安でした。米CPIや中国テック企業の決算を控えた警戒があり、工業需要を持つSilverとPlatinumにはGoldほど明確な追い風ではありません。香港株が下落したままGoldだけが上がる場合、安全資産需要が中心と判断します。香港株、人民元、鉄鉱石がそろって上昇すれば、SilverとPlatinumの追随に信頼性が増します。
RBAは据え置きでも追加利上げを排除せず
RBAは11日に政策金利を4.35%で据え置きました。予想通りの決定でしたが、理事会は利上げを議論し、ブロック総裁は追加利上げが十分あり得るとの認識を示しました。年末までの利上げ確率は会見後に上昇し、声明は据え置きながらタカ派と受け止められました。
オーストラリアではインフレが予想を下回り、住宅市場も減速しています。一方、消費と雇用は底堅く、原油高によるエネルギー価格の上振れリスクがあります。RBAは再利上げを確定したのではなく、インフレ期待を抑えるため選択肢を残したと考えるのが適切です。
AUDUSDは12日アジア時間に0.7064付近で、前日のRBA後も0.70台を維持しています。米CPIが弱ければ、RBAのタカ派姿勢と米金利低下が重なって0.71方向を試す余地があります。強いCPIでは米ドル高が優勢となり、RBA要因があっても0.70台前半へ戻る可能性があります。AUDJPYはドル円の介入リスクも含むため、AUDUSDより値動きが複雑です。
アジア市場の意味と二つのシナリオ
MSCIアジア太平洋株指数は0.5%高でしたが、日経平均は祝日明けにほぼ横ばい、香港株は下落しており、地域全体が一様に強いわけではありません。韓国株など半導体関連が支えても、中国テック株への警戒が残れば、豪ドルとPlatinumの上値は限定されます。
ドル円の上昇シナリオは、CPIが上振れし、米2年債利回りと原油が上昇し、159.55円を明確に上回る場合です。159.80~160.00円が次の確認帯です。ただし、介入警戒が強まるため、急上昇時は追随を小さくします。下落シナリオはCPIが弱く、158.90円を割る場合で、158.45~158.00円を確認します。
Goldの上昇シナリオは、CPIが予想以下で米金利とドルが低下し、4400ドルを維持する場合です。4425ドル、次に4441ドルが確認帯です。下落シナリオはコアCPI上振れと米金利上昇が重なり、4380ドルを割る場合です。SilverとPlatinumはアジア株が弱ければGoldより下落率が大きくなる可能性があります。
本日のトレード戦略
外国為替の戦略
ドル円の主要レンジは158.45~160.00円です。21時30分JSTの米CPI後、159.55円を上回り、米2年債利回りも上昇する場合は159.80円、160.00円を確認します。強気シナリオは158.90円割れで無効です。158.90円を割り、利回りも低下する場合は158.45円、158.00円を想定し、159.55円回復で弱気シナリオを無効とします。
AUDUSDは0.7010~0.7120ドルを観察帯とします。弱いCPIとRBAのタカ派姿勢がそろい、0.7064を維持すれば0.7100~0.7120を確認します。強気の無効化は0.7030割れです。強いCPIで0.7030を割れば0.7000方向を警戒し、0.7080回復で弱気を無効とします。AUDJPYは112.00~113.00円を見ますが、介入見出しが出た場合は水準よりポジション縮小を優先します。
貴金属の戦略
Goldは4360~4450ドルを観察帯とします。4400ドルを維持し、CPI後に米金利とドルが低下する場合は4425ドル、4441ドルを確認します。強気の無効化は4380ドル割れです。4380ドルを割り、米金利上昇が続く場合は4360ドルを警戒し、4410ドル回復で弱気を無効とします。
Silverは63.80~66.20ドルを観察帯とします。65.07ドルを維持し、Goldと香港株が同時に上昇すれば65.80~66.20ドルを確認します。強気の無効化は64.50ドル割れ、弱気の無効化は65.80ドル超えです。Platinumは1725~1790ドルを中心に、1761ドル維持と豪ドル・中国株の安定がそろえば1780~1790ドルを確認します。強気の無効化は1740ドル割れ、弱気の無効化は1780ドル超えです。
引用文献
- 11日のドル円・ユーロドル・ユーロ円四本値
- 11日の豪ドル円などクロス円四本値
- ドル円は159円台前半、米CPI待ち
- ドル円理論価格は158.47円
- NY金先物は4441.10ドルへ続伸
- WTI原油は83.20ドル、1.30%高
- 原油・Gold上昇、米CPI前の世界市場
- ドルは小動き、円159円台と豪ドル0.7064
- RBAのタカ派姿勢と追加利上げ警戒
- Gold・Silver・Platinumの12日更新値
免責事項: 本レポートに含まれる情報は、情報提供のみを目的としており、投資助言を意図するものではありません。実際の取引においては、ご自身のリスク許容度に合わせて判断を行ってください。


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