週間相場振り返り 2026/09/13 – 09/19

今週の気になった値動き、データ、ニュース、論文などをまとめます。

今週の相場を動かした3つの軸

1.主要中央銀行の政策差と「利上げ後」のメッセージ

FRB、日銀がともに0.25ポイント利上げした一方、BOEは3.75%で据え置きました。為替市場を動かしたのは決定そのもの以上に、その後の政策経路です。

FRBの経済見通しは年内もう1回の利上げを示し、ドルと米短期金利を押し上げました。一方、日銀は利上げしたものの、反対票と次回利上げ時期の不透明さから「期待ほどタカ派ではない」と受け止められ、円はむしろ下落。BOEも次回利上げを明確に示さず、ポンド売りとなりました。


FRB・FOMC声明、FRB・経済見通し、BOE・9月会合

 

2.原油100ドル台と米10年債利回り5%

週前半、サウジアラビアの供給網や中東航路への攻撃を背景にWTIは一時106ドル付近まで上昇しました。エネルギー価格がインフレを長引かせるとの見方から、米10年債利回りは2023年以来となる5%台へ上昇。日本10年債も3%を超え、ドイツ、英国などへ国債売りが波及しました。

週末にはサウジ供給回復への期待で原油は反落しましたが、WTIは100.30ドル、ブレントは103.87ドルと高水準を維持しました。

Reuters・世界的な国債売り、Reuters・金と原油・金利

 

3.円ポジションの急転換と世界的なリスク圧縮

CFTCの円先物では、非商業部門のネットポジションが1週間で10万9,563枚改善し、円買い越しが12万枚を超えました。それでも日銀会合後は、政策の先行きが期待ほどタカ派でないとの判断から円売りが優勢でした。

同時に、9月16日までの1週間に世界株式ファンドから232億1,000万ドル、米国株ファンドから314億4,000万ドルが流出。金利・原油・政策不確実性を背景に、投資家は株式全体へのエクスポージャーを落としつつ、金や一部テクノロジー株、暗号資産を選別する動きとなりました。

Reuters・世界のファンドフロー 

 

 

今週の外為市場

【14日】

●東京

FOMCでの利上げ確率が約9割まで高まるなか、ドル円は154.14円付近で推移しました。ユーロドルは1.1557ドル、ポンドドルは1.3492ドル付近。ユーロ円は178.47円、ポンド円は208.20円付近で、豪ドル円は一時109.67円まで下げた後、110円台へ戻しました。

●ロンドン

中東情勢を背景にWTI原油が一時103ドル付近、米10年債利回りが4.96%付近へ上昇し、ドル買いが優勢となりました。ドル円は154.74円まで上昇し、ユーロドルは1.1534ドル、ポンドドルは1.3473ドル付近へ下落。フランスの財政・政治不安もユーロの上値を抑えました。

●NY

米10年債利回りが一時5%を超え、ドル円は155円付近へ上昇しました。ただし、その後は金利低下に伴って154円台へ反落。ユーロドルは1.15ドル台半ば、ポンドドルは1.3465ドル付近から1.35ドル前後へ戻しました。

 

【15日】

●東京

FOMCが利上げサイクルを継続するとの見方からドル買いとなり、ドル円は154.91円付近へ上昇しました。ユーロドルは1.1532ドル、ポンドドルは1.3475ドル、豪ドル米ドルは0.7117ドル付近まで下落。ユーロ円は178.69円、ポンド円は208.87円、豪ドル円は110.46円付近でした。

●ロンドン

WTI原油が106ドル付近、米10年債利回りが5.039%付近へ上昇し、ドル円は155.24円まで買われました。ただし155円に設定されたNYカットのオプションが意識され、154.80円付近へ反落。弱い英雇用関連指標を受けてポンドドルは1.3464ドル付近まで下げました。

●NY

米10年債利回りが再び5%を超え、ドル円は155円台へ上昇しました。一方、日銀が翌年3月までに複数回利上げするとの織り込みが円売りを抑えました。ユーロドルは1.15ドル台半ば、ポンド円は209円前後で推移しました。

 

【16日】

●東京

FOMCを前に持ち高調整が入り、ドル円は155.49円付近から155円前後へ下落しました。原油反落も円を支えました。ユーロドルは1.1532ドルから1.1552ドルへ上昇。英CPIは前年比3.1%と予想どおりで、ポンド円は209.48円付近まで上昇した後に伸び悩みました。

●ロンドン

ドル円は154.89円付近まで下げた後、155円台へ戻しました。ポンドドルは1.3495ドル付近まで上昇しましたが、英サービス物価の弱さが意識され1.346ドル付近へ反落。各通貨ともFOMCを控えて方向感が限られました。

●NY

FOMCは全会一致で0.25ポイント利上げし、政策金利を3.75~4.00%としました。金利見通しが年内さらに1回の利上げを示したためドル買いが加速し、ドル円は156円台へ上昇。ユーロドルは1.14ドル台、ポンドドルは1.33ドル台へ急落しました。

 

【17日】

●東京

FOMC後のドル買いが一服し、翌日の日銀会合を前に円買いが入りました。ドル円は156.32円付近から155.53円へ下落。ユーロ円は179.20円から178.48円、ポンド円は209.18円から208.24円付近へ軟化しました。

●ロンドン

BOEは6対3で政策金利を3.75%に据え置きました。エネルギー高による二次的な賃金・物価上昇がまだ明確でないとし、次回利上げを強く示唆しなかったため、英国債利回りが低下。ポンドドルは1.34ドル付近から1.3350ドル、ポンド円は207.92円付近へ下落しました。

●NY

WTI原油が一時100ドルを割り、ドル円は155円台半ばで推移しました。その後、原油が持ち直すと156円近くへ反発。BOE後のポンド売りは続き、ポンド円は207円台、ユーロドルは1.14ドル台で推移しました。

 

【18日】

●東京

日銀は政策金利を1.00%から1.25%へ引き上げましたが、2人が据え置きを主張したため、追加利上げへの確信が弱まり円売りとなりました。ドル円は157.33円付近へ上昇。ユーロ円は180.67円、ポンド円は210.26円付近まで買われました。

●ロンドン

植田総裁が「政策の局面は変わった」と述べるとドル円は157円台から156.50円付近へ下げましたが、次回利上げ時期を明示しなかったため158円台へ反発しました。ユーロ円は181.5円、ポンド円は211.1円付近まで上昇しました。

●NY

日銀が金融機関に為替水準を照会するレートチェックを行ったとの報道で、急速な円買いが入りました。ドル円は158円台から156円台へ下落し、日銀利上げ後の円売りが大きく巻き戻されました。

情報源:みんかぶFX「為替相場まとめ9月14日から9月18日の週」

  

  

 

今週の政治・経済・金融重要ニュース

1位 FRBが約3年ぶりに利上げ、年内さらに1回を示唆

発表日時:2026年9月17日03:00 JST

概要:FOMCは全会一致で政策金利を0.25ポイント引き上げ、3.75~4.00%としました。声明は、堅調な国内支出、強い生産性と設備投資、依然高いインフレを指摘。参加者の政策金利見通しは、2026年末までにもう1回の利上げを示しました。

為替・金融市場への影響:米短期金利とドルが上昇し、ドル円は156円台へ。ユーロドルは1.14ドル台、ポンドドルは1.33ドル台へ急落しました。長期金利は一時低下しましたが、週末には米10年債利回りが再び5%へ上昇しました。

今後の注目点:10月会合での追加利上げ確率は週末時点で約55%。PMI、失業保険申請、耐久財受注に加え、原油価格が財・サービス物価へ波及するかが焦点です。

情報源:FRB・FOMC声明、FRB・経済見通し、Reuters・市場反応

 

2位 日銀が1.25%へ利上げ、それでも円は158円台へ下落

発表日時:2026年9月18日正午ごろJST

概要:日銀は政策金利を0.25ポイント引き上げ、31年ぶりの高水準となる1.25%としました。決定は7対2で、2人は景気への影響を理由に据え置きを主張しました。

為替・金融市場への影響:利上げ自体は織り込み済みでした。反対票と植田総裁の慎重な先行き説明が重視され、ドル円は158円台、ユーロ円は181円台、ポンド円は211円台へ上昇。その後、日銀のレートチェック報道でドル円は156円台へ急反落しました。日経平均は決定後に約1.4%上昇しました。

今後の注目点:日銀が実際に追加利上げを急ぐか、レートチェックが介入準備へ進むか、原油高が輸入物価を通じて国内インフレを押し上げるかです。

情報源:日本銀行・金融市場調節方針の変更、Reuters・日銀決定、AP・日銀と日本株

 

3位 米10年債利回りが5%突破、原油高と利上げ観測が世界の債券を圧迫

発生日時:2026年9月14~18日JST

概要:中東の供給懸念で原油が一時上昇し、FRBの利上げ継続観測、財政赤字、国債供給の増加が重なりました。米10年債利回りは2023年以来となる5%台、日本10年債は30年ぶりの3%台、ドイツ10年債は2009年以来の3.57%台へ上昇しました。

為替・金融市場への影響:ドルを支える一方、長期金利に敏感な株式や信用市場には逆風となりました。世界株式ファンドからは232億1,000万ドルが流出しました。

今後の注目点:米10年債が5%を定着させるか、原油が再び週中高値を試すか、国債入札に十分な需要が集まるかです。

情報源:Reuters・世界的な債券売り、Reuters・ファンドフロー

 

4位 BOEは3.75%で据え置き、タカ派的な追加利上げ示唆を欠きポンド下落

発表日時:2026年9月17日20:00 JST

概要:BOEは6対3で政策金利を3.75%に据え置きました。3人は4.00%への利上げを主張しましたが、多数派はエネルギー高が賃金や国内サービス物価へ二次的に波及している明確な証拠はまだないと判断しました。

為替・金融市場への影響:次回利上げへの明確な誘導がなかったことから英国債利回りが低下し、ポンドドルは1.33ドル台、ポンド円は207円台まで下落しました。

今後の注目点:エネルギー価格の持続性、賃金、サービスCPIです。BOEはインフレ上振れリスクを認めており、据え置きが利上げ終了を意味するわけではありません。

情報源:BOE・9月金融政策委員会

 

5位 世界株式ファンドから9か月ぶりの大規模流出

公表日時:2026年9月18日JST

概要:9月16日までの1週間に、世界株式ファンドから232億1,000万ドルが流出しました。米国株ファンドは314億4,000万ドルの流出で、4週連続の資金流出。マネーマーケットファンドからも774億2,000万ドルが流出しました。

為替・金融市場への影響:高金利、原油高、政策不確実性を背景に、広範な株式リスクを落とす動きが鮮明になりました。S&P500は週間0.1%安、NYダウは1.7%安。一方、ナスダックは半導体株に支えられて0.7%上昇しました。

今後の注目点:株式から流出した資金が国債、金、暗号資産へ向かうか、それとも現金化が続くかです。フランスの財政不安と米長期金利も欧米株の重荷になります。

情報源:Reuters・世界のファンドフロー、AP・米国株週間実績

 

 

 

ファンダ

投機筋ポジション

CFTCデータは2026年9月15日火曜日時点です。16日のFOMC、17日のBOE、18日の日銀会合は反映されていません。

対象先物非商業ロング非商業ショートネットネット前週差読み方
Japanese Yen237,951枚117,592枚+120,359枚+109,563枚円買い越しが急拡大。ロング増加とショート解消が同時進行
UST 10Y NOTE580,778枚1,402,014枚−821,236枚+13,547枚大幅売り越しは継続したが、ネットショートは小幅縮小
Gold258,059枚27,721枚+230,338枚−1,622枚大幅買い越しを維持したが、小幅に縮小

情報源:CFTC・Japanese Yen futures only、CFTC・UST 10Y NOTE futures only、CFTC・Gold futures only

 

金融政策は実績と市場予想を分ける必要があります。

  • FRB実績:3.75~4.00%へ利上げ。市場は週末時点で10月の追加利上げを約55.4%織り込みました。
  • 日銀実績:1.25%へ利上げ。会合前には翌年3月までの複数回利上げが意識されていましたが、反対票と慎重な会見後に織り込みが後退しました。
  • BOE実績:3.75%で据え置き。3人が利上げを主張したものの、直後の市場は声明を予想ほどタカ派的でないと評価しました。

CFTCは取引所先物の非商業部門だけを集計しています。JPYは現物為替市場全体、UST 10Y NOTEは米国債市場全体、Goldは世界の金保有全体を表すものではありません。ポジション変化だけから値動きの原因は断定できません。

JPY

米10年債

Gold

 

 

重要経済指標・休場

今週

予想通り、英:据え置き、米日:利上げでした。

 

来週

日本はシルバーウィークで月火水と祝日休場です。連休明けの木曜日のボラに注意しましょう。

  

 

来週注目のシナリオ

1.米景気指標が強く、10月追加利上げが中心シナリオになる

想定材料:製造業・サービス業PMI、失業保険、耐久財がそろって強い。
反応しやすい資産:ドル、米2年・10年債、金、グロース株。
確認条件:米10年債利回りが5%台へ定着し、ドル円が158円台を再び試すか。
崩れる条件:PMIの価格指数や雇用が弱く、10月利上げ確率が50%を明確に下回る場合。

 

2.日銀の円安けん制が強まり、円キャリーが再び巻き戻される

想定材料:ドル円が158円台を回復し、追加のレートチェックや政府・日銀の強い発言が出る。
反応しやすい資産:円、クロス円、日本国債、輸出株。
確認条件:ドル円が18日の急落後の安値圏である156円台を割り、155円方向へ進むか。
崩れる条件:当局対応が発言にとどまり、米金利上昇で158円台を明確に上抜ける場合。

 

3.原油供給不安が再燃する

想定材料:ホルムズ海峡、紅海、サウジの輸送・生産設備に新たな障害が発生。
反応しやすい資産:原油、米国債、円、カナダドル、ノルウェークローネ、航空・運輸株。
確認条件:WTIが106ドル、ブレントが110ドル付近の週中高値を再び試すか。
崩れる条件:供給回復や協調備蓄放出が具体化し、WTIが100ドルを明確に下回る場合。

 

4.SNBが据え置きながらフラン高への警戒を強める

想定材料:SNBが0.00%を維持し、必要に応じた為替介入や追加緩和の可能性を強調。
反応しやすい資産:スイスフラン、ユーロ/フラン、スイス国債。
確認条件:政策声明でフランの評価や介入方針が変更されるか。
崩れる条件:インフレリスクを優先し、フラン高を明確に容認する場合。 

 

  

週間マーケット・ダッシュボード

サマリ

資産週初・週間レンジ等週末水準週間変化
USD/JPY約154.14円、週高値158円台156円台約+1.5%
EUR/USD約1.1557ドル1.14ドル台後半約−0.7%
GBP/USD約1.3492ドル1.33ドル台後半約−0.9%
S&P5007,6117,650.50−0.1%
NASDAQ総合2601826,522.55+0.7%
NYダウ52,75651,682.64−1.7%
日経平均63,659約65,01918日は+1.38%、週間は確認できず
米10年債利回り4.949%約5.00%週初差は確認できず
日本10年債利回り2.978%正確な終値を確認できず上昇
Gold現物4,3384,390.11ドル/oz4週ぶり週間上昇、騰落率は確認できず
WTI原油102100.30ドル+0.2%
Brent原油103103.87ドル−0.7%
Bitcoin76,737約81,300ドル週間は確認できず、18日は約+5.9%

情報源:みんかぶFX、AP・米国株指数、Reuters・欧州株、Reuters・金、Reuters・米国株とBitcoin

 

各指数

ダウが-1.7%だった意外は小じっかり。日経は木金と給湯しました。

  

Gold

Goldはどの通貨建てでもしっかり上昇しました。

 

FX通貨ペア

 

各国国債利回り

英国は政策金利を据え置きかつタカ派な追加利上げを示唆しなかったため、インフレ期待が和らぎ利回りは下げました。

 

 

ヒートマップ(週間騰落)

米株
赤が多いものの、値嵩株が緑でトータルはトントン。

 

世界株
世界の値嵩株は下落したものが多い。


 

日本株
かなり好調。みんな利上げを高評価している?

 

クリプト
クラリティ法案が否決されたのに真緑。そもそも期待してなかった?  

 

 

MQL5.com新作

今週は良作なし。 

 

 

AI関連

1.ClaudeがAnthropicのAI研究開発の26%で主導的役割

公開日:2026年9月17日
発表主体:Anthropic Institute

技術・発表の概要:Anthropicは、AIが自社のAI研究開発へどの程度関与しているかを測る3種類の指標を提案しました。2026年8月時点で、Claudeは社内AI研究開発の26%において人間との協働以上の「主導」段階にあり、90%超の業務に何らかの形で関与しているとしています。同時稼働する研究・開発エージェントは約3万でした。

従来との違い:一般的なベンチマークではなく、AI企業自身の研究開発がAIによってどの程度自動化されているかを、作業単位で測ろうとしています。監視された10億件超の判断のうち、約0.002%が自動監視で阻止されたとも報告しました。

なぜ重要なのか:AIが既存業務を代替するだけでなく、次世代AIの研究開発自体を加速させる段階へ進んでいることを、定量化しようとした点が重要です。

限界:数値はAnthropic自身の分類と内部データに基づきます。「主導」の定義は完全自律を意味せず、他社との共通尺度や第三者検証もまだありません。

公式発表:Anthropic Institute「Measuring the pace of AI development」

 

2.生命科学者向け「Life Sciences Verification Program」を開始

公開日:2026年9月17日
発表主体:Anthropic

概要:研究資格、セキュリティ、倫理審査体制を確認した組織へ、一般提供版より生物学関連の制限を緩和したMythos、Opus、Sonnetを提供するベータ制度です。通常利用と高リスク研究を分け、高リスク利用はプロジェクト単位で6か月ごとの再審査を行います。

従来との違い:全利用者への制限を一律に緩和するのではなく、利用者と研究目的を検証したうえでアクセス範囲を変更します。即時ブロック中心から、30日間のログを用いた利用パターン監視へ一部移行します。

なぜ重要なのか:創薬や生物研究でAIを高度利用する需要と、病原体・生物兵器への悪用防止を両立させる具体的なアクセス制度だからです。

限界:ベータ段階で、個人向けやHIPAA対応組織には未対応です。審査・監視が内部不正、アカウント乗っ取り、長期エージェントの逸脱をどこまで防げるかは独立検証されていません。

公式発表:Anthropic「Introducing the Life Sciences Verification Program」

 

3.AnthropicとAccenture、社内常駐型のAI評価制度を構築

公開日:2026年9月18日
発表主体:Anthropic、Accenture

概要:Accenture傘下のFacultyが、Anthropicのモデル評価、レッドチーム、アラインメント評価、安全策の検証を行います。評価担当者には従業員に近いアクセスを与え、訓練中のモデルや社内意思決定を継続的に調べる計画です。両社は5年間でそれぞれ少なくとも10億ドルを投資する予定です。

従来との違い:完成したモデルを外部から評価するだけでなく、モデルが形成される過程と運用判断を社内で観察する「embedded evaluation」です。

なぜ重要なのか:フロンティアAIの評価を公開前の一時的な試験から、開発工程全体の継続監査へ広げる試みです。

限界:アクセス範囲、報告義務、結果の公開方法について共通基準はまだありません。Anthropicが直接費用を負担するため、制度上の独立性をどう担保するかも未解決です。

公式発表:Anthropic「Partnering with Accenture on embedded evaluation」 

 

 

健康

睡眠は時間だけでなく、REM・規則性・夜間覚醒も将来の疾患と関連

公開日:2026年9月17日
研究主体:北京大学、首都医科大学など
研究デザイン:UK Biobankを使った前向き観察コホート研究・フェノームワイド関連解析
対象者:約9万5,559人。手首加速度計を7日間装着し、中央値8.9年間追跡

主な結果:加速度計から推定した睡眠指標と1,049種類の疾患を比較し、156件の有意な関連を確認しました。REM睡眠が多いことは83疾患、深い睡眠が多いことは7疾患の低い発症率と関連。睡眠の不規則性や入眠後の覚醒は複数疾患の高い発症率と関連しました。多くの疾患で最低リスクとなる睡眠時間は6~8時間に集中し、5時間未満の睡眠は37疾患の高いリスクと関連しました。

なぜ重要なのか:自己申告の睡眠時間だけでなく、日常環境での睡眠段階、夜間覚醒、規則性を約9.6万人規模で調べた点です。

実生活への示唆:まず6~8時間程度の睡眠機会を確保し、就寝・起床時刻を安定させ、夜間覚醒の原因を減らすことが合理的です。ただし、ウェアラブル端末の「REM睡眠を増やす」数値目標を直接推奨する研究ではありません。

研究上の限界:観察研究のため因果関係は証明できません。睡眠測定は7日間だけで、睡眠段階は脳波ではなく動作から推定されています。REM/NREM/覚醒の分類性能は中程度で、未測定交絡や逆因果の可能性も残ります。

原著:PLOS Medicine「Accelerometer-derived real-world sleep stages and risk of incident diseases」

 

やさしいがんの知識

知っている内容も多いものの、部位別死亡数は肺がんとか、必要な検査とか
ざっとがんの知識を得るのに適した資料です。

 

原著:やさしいがんの知識

 

  

その他、ニュース・雑学など

1.ザトウクジラの母親が、死産した子から離れず付き添った

公開日:2026年9月16日

何を調べた研究なのか:死産した子クジラに対する母親と随伴個体の行動を、ドローンと船上から記録した症例報告です。

主な結果:母親は少なくとも約90分間、子の近くを離れず、体や胸びれで押す、向きを変える、接触を維持する行動を示しました。ヒゲクジラ類で、死んだ子への長時間の付き添い行動を詳細に記録した初の報告とされています。

どこが面白いのか:大型鯨類が死をどのように認識し、社会的な結び付きを維持するのかを示唆する、非常に珍しい野外観察です。

役立つ可能性:クジラの認知・社会行動、船舶接近時の配慮、死産個体に付き添う母親の保護指針へつながる可能性があります。

研究上の限界:1例のみの症例報告です。観察された行動を人間と同じ「悲嘆」と断定することはできず、死を理解していたか、蘇生を試みていたかも確定できません。

原著:Discover Animals「First documentation of humpback whale post-mortem attendance of a stillborn」

2.ティラノサウルスの体温は約36.3℃だった

公開日:2026年9月16日

何を調べた研究なのか:モンタナ州で見つかったティラノサウルスの歯3本について、エナメル質中の炭素・酸素同位体の結び付き方を測定し、生前の体温を推定しました。

主な結果:推定体温は平均36.3±2.5℃でした。同じ地層から見つかったワニ類の歯は約30.9℃で、ティラノサウルスは外気に依存する爬虫類より、人間やゾウに近い体温を維持していたと推定されました。

どこが面白いのか:6,600万年前の恐竜の体温を、体温計ではなく歯の中の原子の組み合わせから測っています。

役立つ可能性:ティラノサウルスが寒冷地を含む広い地域で活動できた理由、必要な食物量、移動能力、生態系での役割を推定する材料になります。

研究上の限界:使用したティラノサウルスの歯は3本で、個体数も限られます。この結果をすべての恐竜へ一般化できず、化石保存過程が化学組成へ与える影響にも注意が必要です。

原著:Science Advances「The body temperature of Tyrannosaurus rex」、UCLA公式発表 

 

 

今週は以上です。良い週末を!

 

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