2026年9月22日 昨日の振り返りと今日の見通し

2026年9月22日のドル円・Gold・Silver・Platinum・原油市場を表現した東京朝景の市況アイキャッチ 日々の相場見通し

TL;DR

昨日の振り返り

  • 21日のドル円は156.81円で始まり、介入警戒から156.58円まで下げた後、欧米時間に157.53円まで反発し、157.36円で終了しました。日銀が先週1.25%へ利上げしたにもかかわらず、追加利上げペースへの慎重な見方とFedの追加利上げ観測が円の重石になっています。
  • Goldは高金利長期化観測が逆風となり、NY金先物12月限は21日のNY時間に4380ドル前後まで下落しました。22日朝の現物Goldは4344.29ドル、Silverは66.19ドル、Platinumは1792.76ドルで、GoldよりSilver・Platinumがやや底堅い動きです。
  • 原油は前日に大幅下落し、Brentは100ドル台、WTIは95ドル台まで低下しました。米・イラン対話への期待が供給不安をやや和らげ、原油安と米金利低下がアジア株のリスク選好を支えています。

 

 

今日の見通し

  • ドル円は157円台を中心とした持ち合いを基本シナリオとします。米ドル自体は強いものの、157円後半は先週のレートチェックが意識される水準で、158円方向では政府・日銀の介入警戒が急速に高まりやすい状況です。
  • Goldは4340ドル台を中心に、米金利と原油の綱引きを見ます。Fedの10月追加利上げ確率は約55~56%まで上昇しており上値は重い一方、原油低下でインフレ懸念が和らぎ、米金利が下がれば4400ドル方向への反発余地があります。
  • 日本市場は休場で流動性が低く、通常より小さな注文で値幅が出る可能性があります。アジア株はテック主導で上昇しており、豪ドルはRBA追加利上げ観測を背景に0.7120ドル前後で底堅く推移しています。

 

 

ドル円157円台、日銀利上げ後も円安が続く理由

事実

21日のドル円は始値156.81円、高値157.53円、安値156.58円、終値157.36円でした。日本が祝日で休場だったアジア時間には、政府・日銀による為替介入への警戒から156.58円まで下落しましたが、欧米時間に入るとドル買いが再び優勢になりました。

Reutersによると、22日朝のドル円は157.33円付近。日銀は先週、政策金利を31年ぶりの高水準へ引き上げましたが、2人の反対票が出たことや、追加利上げを急ぐ明確なガイダンスが示されなかったことが円の弱さにつながっています。市場では10月会合で日銀が1.5%へ追加利上げする確率を約30%しか織り込んでいません。

対照的にFedは先週利上げしたうえ、インフレとの戦いは終わっていないとの姿勢を維持しています。Reutersでは10月にさらに25bp利上げする確率が約55%、別のアジア市場記事では56%とされています。米10年債利回りは4.93%近辺で、日米金利差はなお大きい状態です。  

 

  

分析

日銀が利上げしたのに円高にならないのは、政策金利の絶対水準ではなく「次にどちらが速く動くか」を市場が見ているからです。日銀が1.25%へ引き上げても、Fedが追加利上げを続けるなら金利差は大きく縮まりません。Reutersが引用した市場関係者は、日米の金利差が約275bp残る限り、円を調達して高金利通貨を買うキャリー取引が支えられやすいと指摘しています。

ただし、円安をそのまま追いかけるのも危険です。先週、当局がドル円のレートチェックを行ったと報じられ、157円後半は強い介入警戒ゾーンになっています。外為どっとコムも、本日の見通しで「ドル買いセンチメントは強いが、157円後半では上値を追いにくい」としています。

したがって今日のドル円は、上方向のファンダメンタルズと下方向の政策リスクがぶつかる相場です。157円台では金利差によるドル買いが入りやすく、158円に近づくほど介入警戒による売りが入りやすい。この非対称性を意識しておく必要があります。

日銀利上げ後も円安が続く理由
日銀利上げ後も円安が続く理由

 

 

Goldは4344ドル、高金利長期化が上値を抑える

事実

Reutersによると、22日1時51分GMT時点の現物Goldは4344.29ドル、米金先物は4381.80ドルでした。Silverは0.3%高の66.19ドル、Platinumは0.3%高の1792.76ドルです。

Goldの最大の逆風はFedの追加利上げ観測です。先週のFOMCで25bp利上げが実施された後も、セントルイス連銀のムサレム総裁は追加利上げが必要になる可能性が高いとの見方を示し、シカゴ連銀のグールズビー総裁も長期化した供給ショックを無視できないと述べています。高金利環境では、利息を生まないGoldの相対的な魅力が低下します。

一方、Goldを下支えする材料もあります。原油がここ数日で大きく下落したことで、エネルギー起点のインフレ懸念がやや後退しています。The Business Timesではシンガポール時間8時23分時点でGoldが4361.89ドル、Silverが66.56ドルまで戻しており、押し目買いも確認されています。  

 

   

分析

短期的にはGoldの方向を単独チャートだけで判断するより、米10年債利回り、ドル指数、原油の3つをセットで見る方が有効です。米10年債が4.9%台から低下し、ドル指数も反落するなら、Goldは4400ドル方向を再び試す余地があります。

逆に、Fed高官の発言で10月利上げ確率がさらに上昇し、米10年債が5%方向へ戻る場合は、Goldは4300ドル台前半への調整を警戒します。SilverはGoldよりも工業需要の影響が大きく、現在66ドル台を維持している点は相対的に強い材料です。Platinumも1790ドル台で底堅く、1800ドル回復の有無を見たいところです。    

 

   

原油100ドル、インフレ懸念はいったん後退

事実

Reutersによると、Brent11月限は22日朝に100.57ドル、WTI10月限は95.80ドル。より取引の多いWTI11月限は92.49ドルでした。前日のBrentは100.34ドルで引け、1日で3.4%下落しています。

原油安の背景は、国連総会に合わせた米・イラン対話への期待です。米国とイランは週末に互いをけん制しましたが、米大統領はイラン大統領との会談に前向きな姿勢を示しました。市場では、ここ数日の原油反落は供給不安そのものが消えたというより、外交進展への期待を先に織り込んだ動きとみられています。    

 

 

分析

原油が100ドル近辺まで下がったことは、Goldと株式には短期的な追い風です。原油高によるインフレ再燃懸念が後退すれば、Fedが追加利上げを急ぐ必要性が弱まり、米金利低下を通じてGoldを支えます。

一方、Brent100ドルは依然として高い水準です。中東情勢が悪化すれば、再び105ドル、110ドル方向へ跳ねる余地があります。その場合は「原油高→インフレ期待上昇→米金利上昇→ドル高・Gold上値抑制」という流れが復活します。今日も原油ヘッドラインは為替・貴金属の共通材料として優先度が高いでしょう。    

 

 

アジア株と豪ドル、リスク選好は改善

事実

Reutersによると、日本市場が休場の中、MSCIアジア太平洋株指数(除く日本)は1%超上昇。韓国株は約2%、台湾株は1.3%高となり、中国本土株と香港株も上昇しました。原油下落、米金利低下、AI関連株への買い戻しが支援材料です。

豪ドルは0.7120ドル前後で推移しています。市場ではRBAが来週利上げする確率を約90%織り込み、豪州も先進国の利上げサイクルに加わるとの見方が強まっています。    

 

 

分析

豪ドルは高金利期待が支えになる一方、中国景気とリスク選好に敏感です。AUDUSDが0.71ドル台を維持できれば、金利差要因から下値は比較的堅くなりやすいでしょう。ただしAUDJPYは円側の介入リスクが大きいため、豪ドルそのものが強くても急落する可能性があります。

日本休場で流動性が低い本日は、クロス円の値動きが通常より誇張される可能性があります。AUDJPYを触る場合はAUDUSDとUSDJPYを分けて確認し、円主導なのか豪ドル主導なのかを切り分けたいところです。      

 

 

本日のイベントと注意点

本日の主要経済指標は比較的少なく、15時の英国8月公共部門ネット負債、21時のハンガリー中銀政策金利、23時のユーロ圏消費者信頼感速報値と米リッチモンド連銀製造業指数などです。

そのため市場は経済指標より、Fed高官発言、米・イラン外交、中東情勢、為替介入関連のヘッドラインに反応しやすいと考えます。Reutersでは今週、複数のFed高官発言が予定されており、10月利上げ観測がさらに高まるかがドルとGoldの共通テーマです。

日本は休場で国内の価格発見が弱いため、ドル円が157円後半や158円へ上昇する場合には、値幅以上に当局発言やレートチェックの有無を重視します。

ドル円・Gold 本日の3シナリオ
ドル円・Gold 本日の3シナリオ

本日のトレード戦略

外国為替の戦略

ドル円は156.58~157.53円という前日レンジを最初の基準にします。157.53円を明確に上抜いて定着するなら158円方向を試す可能性がありますが、157円後半からは介入警戒が急速に強まるため、ブレイク直後の追い買いは慎重にします。

157円台で上値を抑えられる場合はレンジ取引を優先します。156.58円を割り、戻しても回復できない場合は156円前半から155円台への調整を警戒します。日本休場で流動性が低いため、通常よりポジションサイズを抑え、逆指値を必ず置く方針です。

AUDUSDは0.71ドル台維持を確認しつつ、RBA利上げ観測が支えになるかを見ます。AUDJPYは円の介入リスクが大きいため、USDJPYの方向を確認してから参加します。  

 

  

貴金属の戦略

Goldは4340ドル前後を短期の基準にします。米10年債利回りが4.9%台から低下し、ドル指数も弱含むなら4380~4400ドル方向への押し目買いを検討します。反対にFed追加利上げ観測が強まり、米10年債が5%へ向かう場合は4300ドル台前半への調整に備えます。

Silverは66ドル台を維持する限りGoldより相対的に強い状態とみますが、値幅が大きいためサイズは小さめにします。Platinumは1800ドル回復を確認できれば押し目買い候補、1790ドルを明確に割るなら様子見です。

今日は米金利、ドル指数、原油、介入関連ヘッドラインの4つを同時に確認し、単一材料だけでエントリーしないことを優先します。  

 

  

引用文献

 

 

免責事項: 本レポートに含まれる情報は、情報提供のみを目的としており、投資助言を意図するものではありません。実際の取引においては、ご自身のリスク許容度に合わせて判断を行ってください。

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