TL;DR
昨日の振り返り
- 25日のドル円は159.11円で始まり、159.05〜159.49円の狭いレンジで推移して159.19円で終了しました。ジャクソンホール会議を控え、方向を決める材料が乏しい一日でした。
- 米新築住宅販売と消費者信頼感は市場予想を下回る一方、住宅価格は予想を上回りました。原油安も重なって米10年債利回りは4.63%台へ低下し、ドル指数は98.9台で伸び悩みました。
- Goldは前日に付けた3カ月超の高値近辺でいったん上昇が一服しましたが、26日朝も4,650ドル台を維持しています。SilverとPlatinumはアジア時間に小幅上昇しています。
今日の見通し
- 豪7月CPIは前年比3.5%、前月比1.0%、トリム平均3.6%とすべて予想を上回りました。AUDUSDは一時0.7182ドルと6月3日以来の高値を付け、RBA追加利上げ観測が再び強まっています。
- ドル円は159円台前半を中心に様子見が続きやすいものの、21:30 JSTの米PCE、GDP改定値、耐久財受注が同時発表されるため、米金利次第でレンジ離脱に注意します。
- Goldは4,650ドル、Silverは69ドル、Platinumは1,850〜1,860ドルを短期の分岐として確認します。原油急落はインフレ懸念を和らげる一方、中東の安全資産需要を弱めるため、金利の反応を優先します。
豪CPI上振れでAUD高、ドル円159円台とGold4650ドルを読む
8月26日の東京市場は、朝までの「ジャクソンホール待ち」から、豪CPI発表後に豪ドルだけが明確に動く展開へ変わりました。ドル円は159円台前半で膠着していますが、AUDUSDは0.7182ドルまで上昇しています。Goldは4,650ドル台、原油は80ドル台前半へ下落しており、今日は豪州のインフレと今晩の米PCEが金利見通しを挟んで為替・貴金属を動かす構図です。
25日のドル円は159.05〜159.49円、米指標は強弱まちまち
26日朝に公表されたみんかぶの四本値では、25日のドル円は始値159.11円、高値159.49円、安値159.05円、終値159.19円でした。値幅は44銭にとどまり、週末のジャクソンホール会議を前に積極的な売買が控えられました。
米国では6月S&Pケースシラー住宅価格が前年比2.1%と予想1.8%を上回った一方、7月新築住宅販売は60.7万件と予想62.0万件を下回り、8月コンファレンスボード消費者信頼感も89.4と予想90.2を下回りました。リッチモンド連銀製造業指数も4と予想7に届いていません。
| 指標・市場 | 結果 | 市場予想・比較 |
|---|---|---|
| USDJPY 25日 | 159.05〜159.49円 | 終値159.19円 |
| 米新築住宅販売 | 60.7万件 | 予想62.0万件 |
| 米消費者信頼感 | 89.4 | 予想90.2 |
| 米20都市住宅価格 | 前年比2.1% | 予想1.8% |
| 米10年債利回り 26日朝 | 4.63%台 | 原油安とともに低下 |
| ドル指数 26日朝 | 98.918 | 狭いレンジ |
弱い指標だけで米金利低下を説明するのは単純化しすぎです。ReutersとシンガポールのBusiness Timesは、イランとオマーンの協議でホルムズ海峡再開への期待が出て原油が下落し、インフレ懸念が和らいだことも米債利回り低下の要因として挙げています。米10年債利回りは4.634%付近まで低下しました。
豪CPIは3.5%、AUDUSDは0.7182ドルへ急伸
今日最大のアジア材料は豪州の7月CPIです。前年比は3.5%で予想3.3%を上回り、前月比も1.0%と予想0.9%を上回りました。トリム平均は前年比3.6%で、3.5%への鈍化予想に反して前月から横ばいでした。
Reutersによると、燃料価格が前月比7.5%上昇したことなどが押し上げ要因です。基調インフレも粘着的で、市場が織り込む9月RBA利上げ確率は発表前の17%程度から36%程度へ上昇しました。Deutsche Bankは9月の25bp利上げを予想しています。

みんかぶによると、発表後のAUDUSDは一時0.7182ドルまで上昇し、6月3日以来の高値となりました。前週の豪雇用統計には弱さが残るため「CPI上振れ=9月利上げ確定」ではありませんが、少なくともRBAが早期にハト派へ転じるとの見方は後退しています。
豪ドルは中国景気や鉄鉱石など資源価格にも敏感です。今日は香港株が寄り付きで0.49%高、上海株が0.20%安と方向が分かれており、アジア全体のリスクオンが豪ドルを押し上げているわけではありません。国内インフレが豪ドル買いの中心材料とみる方が自然です。
Goldは4,652ドル、Silverは69ドル台、Platinumは1,850ドル台
Reutersは26日朝のGold現物を4,652.39ドル、12月限先物を4,709.20ドルと報じています。Goldは25日に一時4,696ドル台と3カ月超の高値を付けた後、4,700ドル手前で上昇がいったん止まりました。
同じReuters記事ではSilverが0.7%、Platinumが0.6%上昇しています。26日付の市場遅延値ではSilverが69.4ドル前後、Platinumが1,859ドル前後です。Goldだけが突出するのではなく、貴金属全体に買いが残っています。
ここで重要なのは、Goldを「地政学だけ」で見ないことです。米財務省の長期国債buyback拡大後はドルの価値や財政運営への懸念がGoldを支えました。一方、今日は原油安によってインフレ懸念が和らぎ、米長期金利が低下していることも非利息資産のGoldには追い風です。

原油80.48ドルへ急落、Goldへの影響は二方向
みんかぶによると、東京時間11時02分のWTI原油10月限は80.48ドルと2.28%安でした。ReutersのBrent原油も86.41ドルまで下落しています。背景にはイランとオマーンがホルムズ海峡の船舶通航再開に向けた暫定的な枠組みを協議しているとの期待があります。
原油安はGoldに二つの逆方向の作用を持ちます。第一に、エネルギー価格低下はインフレ期待と米金利を押し下げやすく、Goldにはプラスです。第二に、中東の緊張緩和を意味する場合、安全資産需要は弱まりGoldにはマイナスです。
26日朝はGoldが4,650ドル台を維持しているため、現時点では金利低下の追い風が地政学プレミアム縮小の逆風を相殺していると考えられます。ただし今晩PCEが強ければ、このバランスは簡単に逆転します。
日本のサービス価格3.6%は円の下支え材料
シンガポールのBusiness Timesが26日に報じた日銀データでは、7月の企業向けサービス価格指数は前年比3.6%上昇し、6月の改定値3.4%から加速しました。賃金上昇を企業が価格へ転嫁している兆候であり、日銀の近い時期の追加利上げを支持する材料です。
それでもドル円は159円台前半にあります。これは日本のインフレ材料だけで円高方向を決められないことを示します。米長期金利が低下しても159円を割り込めない場合は、日米金利差、円キャリー、輸入エネルギー負担などの円売り要因がまだ強いと判断できます。
今晩21:30はPCE・GDP・耐久財受注が同時発表
本日の最大イベントは21:30 JSTです。7月PCE価格指数は前年比3.6%が予想され、前月の3.7%からわずかに鈍化する見通しです。コアPCEは前年比3.3%で横ばい予想です。同時に第2四半期GDP改定値と7月耐久財受注も発表されます。
Gold市場では9月FOMCの据え置き確率が約64%まで高まっています。PCEが予想以下なら追加利上げ観測が後退しやすく、米金利低下・ドル安・Gold高の組み合わせが基本です。逆にPCEが強ければ、ジャクソンホールでウォーシュFRB議長がタカ派姿勢を維持するとの警戒が強まり、米金利とドルが反発しやすくなります。
本日のトレード戦略
外国為替の戦略
ドル円は158.80〜159.60円を主要監視レンジとします。25日安値159.05円を割れば158円台後半が次の確認帯、25日高値159.49円を上抜けば159.60〜159.80円を確認します。
上方向の条件は、米PCEが予想を上回り、米10年債利回りが4.70%方向へ反発することです。159.50円を明確に上抜いて定着すれば160円が再び視野に入ります。ただし160円近辺では日本当局の介入警戒が急速に高まりやすいため、高値追いは避けます。
下方向では、PCEが予想以下となり米10年債利回りが4.60%を割る場合に159円割れを確認します。158.80円も下回れば158.50円近辺までの下値拡大に注意します。
AUDUSDは0.7150〜0.7200ドルを監視します。豪CPI後の0.7182ドルを上抜いて維持できれば0.7200ドルが心理的な節目です。逆に0.7150ドルを割り、米PCEが強くドル全面高になる場合は、豪CPIの効果がいったん出尽くした可能性があります。
無効化条件は、米金利とドルが逆行するケースです。財政不安などを背景に金利が上昇してもドルが売られる場合は、通常の金利差モデルをいったん外します。
貴金属の戦略
Goldは4,650ドルを短期の中心ピボットとします。4,650ドルを維持し、米PCE後に米金利が低下する場合は4,680〜4,700ドルの再試行を確認します。4,700ドルを明確に上抜けば上昇モメンタムが再加速する可能性があります。
強気シナリオの無効化は、4,630ドル割れと米長期金利上昇が同時に進む場合です。Goldが下落しても金利が低下している場合は、単なる高値圏の利益確定の可能性が残ります。
Silverは69ドルが分岐です。69ドル台を維持しGoldが4,700ドルを突破する場合は70ドル方向を確認します。69ドル割れと株安が重なる場合は、工業需要の側面からGoldより弱くなる可能性があります。
Platinumは1,850ドルを下値の確認点とします。1,850ドルを保ち、Silverと株式市場が安定するなら1,880〜1,900ドル方向を確認します。1,850ドル割れは短期上昇シナリオの無効化条件です。
原油はWTI80ドルを確認します。80ドル割れが米金利低下を伴うならGoldには追い風ですが、中東緊張緩和を主因にGoldまで売られる場合は安全資産需要の後退を優先します。
引用文献
- Dollar moves in a narrow range ahead of inflation data, Jackson Hole
- Gold holds steady as investors focus on US inflation data
- Australia inflation runs hot in July, adding to rate hike risk
- Asian stocks hesitant before Nvidia, oil slips on Hormuz hopes
- Gold edges up after four-day gain as traders eye US Treasury moves
- Asian stocks set to gain as oil extends declines; traders await Nvidia’s earnings
- Japan’s corporate services inflation accelerates in July
- Silver: Performance & Quotes
- Cours Platine
- 25日の為替市場の四本値(ドル円・ユーロドル・ユーロ円)
- 〖本日の見通し〗ジャクソンホール会議をにらみ、主要通貨は様子見ムード継続か
- 豪経済指標〖消費者物価指数〗
- 豪ドルは対ドルで6月3日以来の高値、豪CPIを受けて=東京為替
- 東京金 NY金時間外しっかりも、円高もあり東京金はマイナス圏
- NY原油 時間外取引 イランとオマーンの合意を受けて大幅安
- 本日の予定〖経済指標〗
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