TL;DR
昨日(週末)の振り返り
- 18日のドル円は、日銀が政策金利を1.00%から1.25%へ引き上げた直後こそ円買いが入ったものの、植田総裁が追加利上げの具体的な時期を示さなかったことで円売りが優勢となり、一時158.05円まで上昇しました。その後は「日銀がレートチェックを実施」との報道で156円台まで急反落しています。
- NY市場では米2年債利回りが4.74%台、米10年債利回りが4.99%台まで上昇。Fedの追加利上げ観測がドルを支える一方、NY金先物は4424.90ドルまで上昇し、地政学リスクとインフレヘッジ需要が下値を支えました。
- 原油は週末前にいったん下落し、NY原油は100.30ドルで終了しました。ただし中東情勢は不安定なままで、週明けは供給懸念と外交期待の双方が原油を大きく動かしています。
今日の見通し
- 日本はシルバーウイークで休場。流動性が薄いなか、ドル円は早朝156.72円まで下げた後に157.10円まで上昇し、157円前後で推移しました。先週のレートチェックを受け、158~160円方向では円買い介入への警戒が強まりやすい状況です。
- Goldはアジア時間に4368~4380ドル前後。Silverは66.31ドル、Platinumは1801ドル前後で、貴金属全体は高値圏を維持しています。米金利上昇は逆風ですが、中東情勢とインフレ不安が下値を支えています。
- Brentは101.7ドル前後、WTIは98.15ドルまで下落。サウジからの輸出回復期待と米・イラン外交への期待が売り材料ですが、ホルムズ海峡周辺の輸送リスクが消えたわけではありません。本日は重要指標が少なく、為替介入観測、原油、米金利のヘッドラインが主役です。
18日のドル円は日銀利上げ後も円安、最後はレートチェックで急反落
事実
18日の最大材料は日銀金融政策決定会合でした。日銀は政策金利を1.00%から1.25%へ引き上げ、31年ぶりの高水準としました。外為どっとコムの21日付レポートによると、声明では基調的な物価上昇率の上振れリスクを認め、必要に応じて追加利上げを続ける姿勢を示しました。一方で、2人の審議委員が据え置きを主張したこと、植田総裁が次回利上げの具体的なペースや時期を示さなかったことが円売りにつながりました。
ドル円は欧州時間に158.05円まで上昇しました。しかしNY時間に日本経済新聞が「日銀が金融機関にレートチェックを実施」と報じると、為替介入への警戒から156円台後半まで急落しました。レートチェックは、実際の為替介入に先立って当局が市場参加者へ相場水準を照会する行為で、即座に介入を意味するわけではありませんが、円売りポジションを縮小させる効果があります。
18日の米債市場では米2年債利回りが4.7433%、10年債利回りが4.9961%まで上昇しました。Fedが9月会合で利上げした後も追加利上げ観測が残っているため、日米金利差がすぐに縮小するとの期待は後退しています。日銀が利上げしても円高が持続しなかった最大の理由は、日銀の追加利上げペースが不透明な一方、米国の高金利が長引くとの見方が強いことです。
分析
日銀が利上げしたにもかかわらずドル円が158円近くまで上昇した値動きは、「政策金利の絶対水準」よりも「次の一手」を市場が重視していることを示します。1.25%への引き上げ自体はほぼ織り込み済みで、投資家が期待していたのは年内の追加利上げを強く示唆するメッセージでした。それが得られなかったため、発表直後の円買いは続きませんでした。
一方、158円台からの急反落は、円安方向にも明確な制約があることを示しています。160円近辺では日本の通貨当局による介入への警戒が強く、投機筋も大きな円売りポジションを維持しにくい状況です。したがって当面のドル円は「金利差が支える円安」と「介入警戒が抑える上値」の間で大きく振れやすい相場になっています。

本日のドル円は157円前後、日本休場で介入警戒がより重要
事実
21日8時時点のドル円は157.06円。OANDAによると、早朝は先週末のレートチェックを警戒して156.72円まで下げた後、中東情勢の緊迫化と原油上昇を受けて157.10円まで反発しました。Reutersのアジア市場記事では、その後156.67円付近まで戻す場面も報じられており、薄商いの中で値幅が出ています。
本日は日本がシルバーウイークで休場です。日本の市場参加者が少ないため通常より流動性が低く、少額の注文でも価格が動きやすくなります。さらに過去には日本の祝日に為替介入が実施された例があるため、先週のレートチェックと重なって円売りを積み上げにくい環境です。
Reutersによると、円は先週約2%下落しました。日銀が利上げしたにもかかわらず円安が進んだことから、市場の焦点は次の利上げ時期へ移っています。対して米国では10月の追加利上げ確率が約55%まで上昇しており、ドルを支える材料となっています。
分析
今日のドル円は157円を中心に考えます。外為どっとコムは156.20~157.80円を本日の予想レンジとしており、157.8~158円方向では介入警戒が一段と強まりやすいでしょう。158円を明確に超えても、160円に近づくほど政府・日銀の発言や実際の介入で急落するリスクが増えます。
反対に156円台前半へ下落する場合、介入警戒だけでなくドル金利の低下が伴っているかを確認したいところです。米金利が高止まりしたままドル円だけが下落する場合は、円買いが一巡すると反発しやすくなります。今日は東京市場が休場のため、通常以上に「ブレイクしたから追う」より「ブレイク後に定着するかを見る」ことが重要です。
Goldは4370~4380ドル、金利高でも安全資産需要が下支え
事実
Reuters配信の記事によると、21日早朝の現物Goldは4368.33ドル、Silverは66.31ドル、Platinumは1801.20ドルでした。その後Reutersのアジア市場記事ではGoldが4380ドル付近まで戻しています。Goldは先週、原油安でインフレ懸念がやや和らいだことで1週間ぶりの高値まで反発しており、本日も4300ドル台後半を維持しています。
Goldにとって最大の逆風は金利です。Fedは9月に利上げを実施し、市場では10月の追加利上げ確率が約55%まで上昇しています。利息を生まないGoldは通常、米金利が上昇すると相対的な魅力が低下します。
一方で、中東ではフーシ派によるサウジアラビアへの攻撃やホルムズ海峡周辺の緊張が続いています。地政学リスクは安全資産需要を通じてGoldを支えます。SilverとPlatinumも高値圏を維持しており、単純な貴金属全面安にはなっていません。
分析
Goldは4350ドル前後を目先の下値、4400ドルを上値の重要な分岐とします。米金利がさらに上昇しドル高が強まれば、4400ドル手前で上値を抑えられやすくなります。逆にドルが軟化し、中東情勢が再び悪化する場合は4400ドル台回復を試す可能性があります。
Silverは66ドル台を維持できるかがポイントです。Goldよりボラティリティが大きいため、同じ金額のリスクを取る場合はポジションサイズを小さくする必要があります。Platinumは1800ドル近辺が重要で、ここを維持する限り相対的な底堅さを評価できます。
原油は101ドル台へ反落、ただし供給不安は消えていない
事実
Reutersによると、Brent原油は21日に2.08%安の101.71ドル、WTIは2.14%安の98.15ドルまで下落しました。背景には、サウジアラビアからの輸出回復や、国連総会を機に米国とイランの外交が進展するとの期待があります。
一方で、ホルムズ海峡の船舶通行量は大きく減少したままです。Reutersは週末に同海峡を通過した商品船が約12隻にとどまり、前週末の35隻から減少したと報じています。紛争前には1日約125隻の大型商船が通過していたため、供給網が正常化したとは言えません。
分析
原油が100ドル前後まで下落したことは、世界的なインフレ懸念をやや和らげる材料です。これはGoldには金利低下を通じてプラスになり得ますが、同時に地政学的な安全資産需要を弱めるため、一方向には効きません。
ドル円にとっては原油高が日本の輸入負担を増やし円安要因になるため、Brentが再び105~110ドルへ上昇するかは重要です。逆に100ドルを明確に割り込み、供給正常化が進めば円安圧力はやや弱まります。
アジア市場と今週の焦点
事実
Reutersによると、日本市場は休場ですが、韓国株は1.5%高、中国CSI300は0.6%高、MSCIアジア太平洋株指数(除く日本)は0.8%高となりました。AI関連需要が半導体株を支える一方、米金利上昇は株式の上値を抑える材料です。
今週は9月24日に米中首脳会談が予定されており、貿易関係やAI分野を中心に協議が行われる見通しです。本日は米国・日本ともに大きな高重要度指標が少ないため、為替は中東情勢、原油、米金利、通貨当局の発言に反応しやすくなります。
分析
今日は材料が少ない分、ヘッドライン一つで値が飛びやすい日です。特にドル円ではレートチェックや介入関連の速報、Goldでは中東情勢、原油ではサウジ供給と米・イラン外交のニュースに注意します。

本日のトレード戦略
外国為替の戦略
ドル円は156.20~157.80円を主要レンジとして監視します。157.80~158.00円へ上昇した場合は、介入警戒が強まるため高値を追いかけず、上値失速を確認してから判断します。160円に近づくほど当局リスクは大きくなります。
156円台前半へ下落した場合は、米金利も同時に低下しているかを確認します。金利が高止まりしているのにドル円だけが下落する場合は、円買い一巡後の反発余地があります。今日は薄商いのためポジションサイズを通常より抑え、逆指値を必ず置く方針です。
AUDJPYについても円側のボラティリティが大きいため、AUDUSDとUSDJPYを分けて確認します。豪ドル自体が強くても円買い介入が入ればAUDJPYは急落し得ます。
貴金属の戦略
Goldは4350~4400ドルを最初のレンジとします。4400ドルを上抜けて維持する場合は地政学リスクとドル安が優勢になったと判断し、押し目買いを検討します。4350ドルを明確に割る場合は米金利高の影響を警戒し、4300ドル方向への調整に備えます。
Silverは66ドル台を維持する限り底堅いとみますが、Goldより値動きが大きいためロットを抑えます。Platinumは1800ドルが分岐点です。原油はBrent100ドルを維持できるかを確認し、100ドル割れが定着すればインフレ懸念後退と円安圧力の低下を意識します。
今日は「ドル円157円前後」「Gold4350~4400ドル」「Brent100ドル」の3つを軸に、為替介入・米金利・中東情勢の変化を追います。値動きが速い日ほど、初動ではなくリテストを待つことを優先します。
引用文献
- Reuters「Volatile yen draws intervention watch, other currencies subdued」2026-09-21
- Reuters「Tech leads shares higher in Asia as oil slips」2026-09-21
- Reuters「Oil hits over 1-week low on hopes of boost to diplomacy in Iran war」2026-09-21
- Reuters「Vessels trickle through Strait of Hormuz as Mideast tension persists」2026-09-21
- Reuters配信(Metrobank)「Gold eases on inflation woes, rate hike fears」2026-09-21
- 外為どっとコム「ドル/円今日の見通し|日銀は期待ほどタカ派とならず 為替介入に警戒しつつ円安地合いは続く」2026-09-21
- 外為どっとコム「今日のFX予想:日銀は利上げで円売りも 介入警戒で上値重い」2026-09-21
- 外為どっとコム「東京為替見通し=ドル円、シルバーウィーク中の円買い介入に要警戒か」2026-09-21
- OANDA「東京外国為替市場概況・8時 ドル円、強含み」2026-09-21
- みんかぶFX「経済指標カレンダー」2026-09-21
免責事項: 本レポートに含まれる情報は、情報提供のみを目的としており、投資助言を意図するものではありません。実際の取引においては、ご自身のリスク許容度に合わせて判断を行ってください。


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