今週の気になった値動き、データ、ニュース、論文などをまとめます。
今週の相場を動かした3つの軸
1.強い米景気指標と追加利上げ観測
9月の米総合PMI速報値は58.4と、8月の56.0から上昇し、2021年7月以来の高水準となりました。サービス業が58.7、製造業も56.7へ加速し、新規受注と価格圧力の強さが確認されました。
これを受けて米5年債利回りは5%を超え、10年債も5%台へ上昇。ドル円は158.40円付近から159円台へ、ユーロドルは1.13ドル台へドル高が進み、金や金利上昇に弱い資産には逆風となりました。
S&P Global・米国9月PMI速報 S&P Global
2.原油価格と中東情勢が金利・為替を左右
週前半は、サウジアラビアの供給回復やイランによるホルムズ海峡再開提案への期待から原油が急落。WTIは一時88ドル台まで下げました。しかし、イラン側の強硬な発言や攻撃・通航リスクを受けて96ドル近くまで反発し、米長期金利とドルを押し上げました。
週末には米国・イラン間の緊張緩和期待で再びWTIが92ドル台へ下落しました。エネルギー輸入国の円には、原油安が支援材料、原油高が売り材料として即座に反映される展開でした。
Reuters・週初の原油下落、Reuters配信・週末の原油市場
3.日米の円安けん制と介入警戒
ドル円が159円台へ上昇すると、日本政府による強いけん制に加え、日米首脳会談でトランプ大統領が円安に懸念を表明したことが伝わりました。高市首相も円の過小評価を問題視し、ドル円は週末に156円台まで急落しました。
米金利上昇というドル買い材料が残る一方、159~160円では日米協調介入への警戒が強く、ドル円は上下双方の値幅が大きくなっています。
今週の外為市場
【21日】
●東京
祝日のため東京市場は休場でした。アジア時間のドル円は156円台半ばを中心に推移し、介入警戒から積極的な上値追いは限定的でした。
●ロンドン
原油と米国債利回りの低下、株高によるリスク選好を背景に円売りが優勢となりました。ドル円は156.50円台から157.30円付近へ上昇し、ユーロ円は180.50円超、ポンド円は210.50円超まで買われました。
●NY
FRB高官のタカ派発言でドル円は157円台を維持しましたが、円高に備えたオプション需要と介入警戒が上値を抑えました。ドイツ政局やフランスの格下げを背景にユーロは重く、ユーロドルは1.14ドル台後半で推移しました。
【22日】
●東京
祝日のため東京市場は休場でした。薄商いのなか、前日の円売りに対する持ち高調整が中心となりました。
●ロンドン
イランが7日以内のホルムズ海峡再開を提案したとの報道で原油が急落。ドル円は157.78円付近から156.83円付近へ下落し、ユーロ円は180円を割りました。ドル指数は底堅い一方、ユーロとポンドは方向感を欠きました。
●NY
ドル円は157円台へ戻しました。ユーロドルはECBの当面の据え置き観測から1.1430ドル付近へ下落し、ポンドドルも英財政不安とBOEの緩和観測を背景に1.33ドル台前半で上値を抑えられました。
【23日】
●東京
秋分の日で東京市場は休場でした。アジア時間は中東情勢と米金利をにらみながら、157円台を中心とする取引でした。
●ロンドン
FOMC後のタカ派的な米金融政策見通しからドル買いが進み、ドル円は157.34円付近から157.92円付近へ上昇。ユーロドルは1.14ドル台前半、ポンドドルは1.32ドル台後半へ下落しました。原油は一時90ドルを下回りました。
●NY
米PMIが予想を大きく上回り、米5年債利回りが5%を突破。ドル円は158.40円付近まで上昇し、ユーロドルは1.13ドル台、ポンドドルは1.32ドル台前半へ下落しました。
【24日】
●東京
片山財務相の円安けん制でドル円は158.37円付近から157.80円付近へ下落しましたが、原油高と米長期金利上昇を受けて158.40円付近へ反発しました。豪ドル円も豪雇用指標後に111.50円付近まで戻しました。
●ロンドン
イランの強硬姿勢を背景に原油と米国債利回りが上昇し、円売りが再開。ドル円は158.80円付近、ユーロ円は180.60円台、ポンド円は210円超まで上昇しました。
●NY
ドル円は一時159円台へ乗せ、200日移動平均線を上回りました。ユーロドルは4日続落して1.13ドル台後半、ポンドは英国の予算・財政リスクを背景に軟調でした。
【25日】
●東京
ドル円は158.95円付近まで上昇した後、片山財務相らの円安けん制を受けて157.95円付近へ下落しました。ユーロ円は180.85円付近から179.83円、ポンド円は210.12円付近から208.94円へ反落しました。
●ロンドン
円買いとドル売りが優勢となり、ドル円は157円台後半へ下落。ベイリーBOE総裁のタカ派寄りの発言でポンドドルは1.3250ドル付近、ユーロドルは1.14ドル台へ上昇しました。米10年債利回りは5.17%付近でした。
●NY
日米首脳会談でトランプ大統領が円安に懸念を示したことが伝わり、ドル円は一時156円台まで急落しました。高市首相も円の過小評価を問題視し、実弾介入への警戒から円が全面高となりました。
情報源:みんかぶFX「為替相場まとめ9月21日から9月25日の週」
外国為替・世界情勢ニュースTOP5
1位 強い米PMIで米金利とドルが上昇
発表日時:2026年9月23日22:45 JST
概要:米総合PMI速報値は58.4、サービス業は58.7、製造業は56.7へ上昇。景気拡大の加速に加え、新規受注と販売価格の上昇も確認されました。
為替・金融市場への影響:米5年債利回りは5%を超え、10年債も5%台へ上昇。ドル円は158円台後半から159円台を試し、ユーロドルは1.13ドル台へ下落しました。
今後の注目点:9月雇用統計とコアPCEが強ければ、10月FOMCの追加利上げ観測が一段と強まります。一方、雇用減速が鮮明なら、急速に積み上がった金利上昇が巻き戻される可能性があります。
情報源:S&P Global S&P Global
2位 日米の円安けん制でドル円が159円台から156円台へ
発生日時:2026年9月25日JST~26日未明JST
概要:トランプ大統領が日米首脳会談で円安への懸念を示したことが明らかになり、高市首相も過度に割安な円を問題視しました。
為替・金融市場への影響:ドル円は159円付近から156円台まで急落。ユーロ円やポンド円も下落し、強い米景気指標による円安の相当部分が巻き戻されました。
今後の注目点:159~160円でレートチェックや実弾介入に進むか、米財務省が再び日本と共同歩調を取るかが焦点です。
情報源:Reuters配信
3位 ホルムズ海峡を巡り原油が88~96ドル台で乱高下
発生日時:2026年9月21~25日JST
概要:イランによる海峡再開提案への期待で原油が急落した後、イランの強硬姿勢や攻撃・通航リスクで急反発。週末には米・イラン交渉期待から再び下落しました。
為替・金融市場への影響:原油高の局面では期待インフレ、米長期金利、ドルが上昇し、円やインドルピーなど輸入国通貨が下落。原油安の局面では反対の動きとなりました。
今後の注目点:ホルムズ海峡の実際の通航量、米・イラン協議、サウジアラビアの代替輸送能力です。政治的発言だけでなく、船舶データと実際の輸出量を確認する必要があります。
情報源:Reuters・原油市場、Reuters配信・週末の動向
4位 米中首脳会談、貿易休戦を2か月延長
発生日時:2026年9月23~25日米国時間
概要:トランプ大統領と習近平国家主席はワシントンで会談し、11月10日に期限を迎える貿易休戦を2か月延長しました。ただし、関税、レアアース、農産物、台湾、AI規制について大きな合意は示されませんでした。
為替・金融市場への影響:首脳会談前には人民元が1ドル=6.6950元付近と約3年半ぶりの高値へ上昇。休戦延長は株式市場の下支えとなりましたが、合意内容が限定的だったため反応は持続しませんでした。
今後の注目点:延長期間内に関税削減、レアアース供給、米国産農産物購入で具体策をまとめられるかです。
情報源:Reuters・会談の総括、新華社・習主席の発言 MarketScreener
5位 ノルウェーは利上げ、スイスは据え置き
発表日時:2026年9月24日JST
概要:ノルウェー中銀は政策金利を4.25%から4.50%へ引き上げ、必要なら追加利上げを行う姿勢を示しました。一方、スイス国立銀行は政策金利を0%に据え置きました。
為替・金融市場への影響:ノルウェークローネは金利面で支えられました。スイスフランは据え置き自体より、SNBが必要に応じて為替市場で行動するとの文言が上値を抑える材料となりました。
今後の注目点:原油・ガス価格がノルウェーの物価へ与える影響と、スイスフラン安・エネルギー高がSNBの物価見通しを変えるかです。
ファンダ
投機筋ポジション
CFTCデータは2026年9月22日火曜日時点です。24~25日の米中首脳会談、米長期金利上昇、日米の円安けん制は反映していません。
| 対象先物 | 非商業ロング | 非商業ショート | ネット | ネット前週差 | 読み方 |
|---|---|---|---|---|---|
| Japanese Yen | 192,274枚 | 120,292枚 | +71,982枚 | −48,377枚 | 円買い越しは維持したが、ロング減少とショート増加で大幅縮小 |
| UST 10Y NOTE | 601,677枚 | 1,413,429枚 | −811,752枚 | +9,484枚 | 大幅な売り越しは継続。ロング増加がショート増加を上回り、ネットショートはわずかに縮小 |
| Gold | 253,982枚 | 28,129枚 | +225,853枚 | −4,485枚 | 大幅買い越しは維持したが、ロング削減で強気度はやや後退 |
US10Yは、指定ページ中の 「UST 10Y NOTE」・商品コード043602 の行を使用しています。「ULTRA 10-YEAR U.S. T-NOTES」など別商品の行ではありません。
情報源:CFTC・Japanese Yen、CFTC・UST 10Y NOTE、CFTC・Gold
JPY

米10年債

Gold

重要経済指標・休場
今週

来週
はや10月ですか・・・今年も3分の2が終わろうとしている。ということで米雇用統計ですね。

来週注目のシナリオ
1.米PCE・雇用統計が強く、追加利上げ観測が上昇
想定材料:コアPCE、ISM、雇用者数、平均時給がそろって上振れ。
反応しやすい資産:ドル、米2年・10年債、金、グロース株。
確認条件:米10年債が5.2%台を維持し、ドル円が159円を再び試すか。
崩れる条件:雇用者数や賃金が弱く、失業率が明確に上昇する場合。
2.円安再開に対して日米当局が実際に行動
想定材料:ドル円が159~160円へ急反発し、レートチェックまたは介入が観測される。
反応しやすい資産:円、クロス円、日本株、米国債。
確認条件:短時間での円安加速と、財務省・米財務省からの具体的な発言。
崩れる条件:ドル円が156~158円の範囲に収まり、当局発言も一般論にとどまる場合。
3.RBA追加利上げで豪ドル高
想定材料:RBAが利上げし、エネルギー高やサービス物価を理由に追加引き締め余地を残す。
反応しやすい資産:豪ドル、豪州債、豪ドル円、中国関連資産。
確認条件:豪ドル円が今週高値圏の111.50円付近を明確に上回るか。
崩れる条件:利上げしても声明が景気減速を重視し、今回で打ち止めと受け止められる場合。
4.中東緊張緩和で原油・長期金利が低下
想定材料:ホルムズ海峡の通航回復や米・イラン協議の具体化。
反応しやすい資産:原油、円、金、米長期債、航空・運輸株。
確認条件:WTIが90ドルを割り、米10年債利回りも5%を下回るか。
崩れる条件:船舶攻撃や制裁強化により、WTIが96ドル超へ戻る場合。
週間マーケット・ダッシュボード
サマリ
| 資産 | 週初・週間レンジ | 週末水準 |
|---|---|---|
| USD/JPY | 156.81 | 約157.27 |
| EUR/USD | 1.1482 | 約1.1399 |
| GBP/USD | 1.3386 | 約1.3250 |
| S&P500 | 7,692 | 7,743.41 |
| NASDAQ総合 | 26,723 | 27,068.72 |
| NYダウ | 51,942 | 51,828.62 |
| 日経平均 | 65,476 | 66,364.20 |
| 米10年債利回り | 5.167% | 約5.17% |
| 日本10年債利回り | 2.975% | 一時約3.115% |
| Gold・現物 | 4,379ドル | 4,284ドル |
| WTI原油 | 96.75ドル | 92.45 |
| Brent原油 | 99.54ドル | 97.41ドル |
| Bitcoin | 81,162ドル | 83,974ドル |
情報源:米国株終値、日経平均ヒストリカルデータ、WTIヒストリカルデータ、Goldヒストリカルデータ
各指数
今週は多くの市場で上昇しました。日経もかなり良かった。

Gold
ほぼ横ばい。米国債利回り次第ですが、来週も小幅下落でみています。

FX通貨ペア
円安方向に動きましたが、ベッセント氏と片山氏の電話内容が伝わるなどして再び円高方向となりました。

各国国債利回り
9月米総合PMI(58.4)の大幅な上振れや原油価格の一時急反発を受け、追加利上げ観測が強まり米国債利回りも↑。日本や欧州も芋づるで↑。

ヒートマップ(週間騰落)
米株
全体的には上。相変わらず強い。

世界株
こちらは騰落入り乱れています。

日本株
日経平均はアゲアゲですが。下げた銘柄が多い。キオクシアや東京エレクトロンのあげがデカかった。

クリプト
本格的に春が来たかかもしれん。

MQL5.com新作
Fisher Transform Indicator
ロナルド・フィッシャーの正規分布に従わない値の集合を、正規分布に近似する形に再構成するために用いられる手法をインジにしたもの。使いどころは難しいが、生レートをどう扱いやすい形にするかの参考にはなります。

HybridMicrostructure EA
Gold用スキャEAです。試してませんが、資産曲線はキレイ。FastAPIが必須なのでやる人は少なさそうだが、そういうところにエッジは落ちてるものなので、興味がある人は是非トライしてください。

AI関連
1.AnthropicがClaude Opus 5.5を発表
公開日:2026年9月22日
発表主体:Anthropic
概要:高度なコーディング、エージェント実行、コンピューター操作を重視した最上位モデルです。通常版に加え、約2.5倍高速なFast modeを用意しました。
従来技術との差:Anthropicは、Opus 5に近い、または上回る性能を保ちながら、API料金を入力100万トークン4ドル、出力20ドルとし、従来Opusより約40%低コストと説明しています。
重要性:高性能モデルを常時利用するエージェントでは、モデル単価と処理速度が実用性を左右します。性能競争が「最高点」だけでなく、推論コスト、速度、長時間作業へ移っていることを示します。
限界:TerminalBench 4で66.4%、OSWorldで81.8%などの数値は、主にAnthropicまたは協力企業による評価です。ベンチマークごとに推論量やツール条件が異なり、統一条件での独立検証はまだ限定的です。
公式発表:Anthropic「Claude Opus 5.5」
2.OpenAIがGPT‑6 SolとGPT‑6 LunaをAPI提供
提供開始日:2026年9月22日
発表主体:OpenAI
概要:Solは複雑な推論・コーディング・画像入力向け、Lunaは大量処理や低遅延用途向けの小型モデルです。いずれもテキストと画像を入力でき、APIで推論強度を調整できます。
従来技術との差:Solは入力100万トークン2ドル、出力10ドル。Lunaは入力0.10ドル、出力0.50ドルで、用途別に価格と能力を大きく分けています。
重要性:一つの最大モデルですべてを処理する構成から、難問はSol、分類・抽出・サブタスクはLunaという複数モデル構成へ移行しやすくなります。
限界:公式変更履歴では、統一された第三者ベンチマークや従来モデルとの詳細な比較条件が公開されていません。価格とAPI仕様は確認できますが、性能差は実用途での検証が必要です。
公式情報:OpenAI API Changelog
3.GoogleがGemini 3.8 LiveとLive Avatarを発表
公開日:2026年9月24日
発表主体:Google
概要:音声を聞きながら映像とツールを扱えるリアルタイムモデルです。会話を止めずに非同期でツールを実行でき、97言語で口の動きを合わせるLive Avatar機能も提供します。
従来技術との差:音声認識、LLM、音声合成、アバター生成を別々に直列処理する方式ではなく、音声・映像・ツール利用を統合して低遅延化しています。
重要性:顧客対応、遠隔教育、受付、実演販売など、画面上の人物と自然に会話するエージェントの実用化を進める可能性があります。
限界:現時点ではGemini Enterprise中心で、カスタムアバターも許可制です。遅延、97言語での品質、安全性はGoogleによる初期評価で、第三者の実環境比較は限定的です。
公式発表:Google「Gemini 3.8 Live with Live Avatar」
健康
食事開始が遅い人ほどメタボリック症候群や心血管疾患との関連が強い
公開日:2026年9月24日
研究主体:スウェーデンのMalmö Offspring Study研究チーム
研究デザイン:横断研究およびネステッド症例対照研究
対象者:18~75歳の成人3,812人。4日間の時刻付き食事記録、空腹時採血、追跡中の心血管疾患を解析しました。
主な結果:
- 最初の食事が1時間遅いごとに、メタボリック症候群のオッズが9%高い関連がありました。
- 1日のエネルギー摂取の中間時刻が遅い人では、その後の心血管疾患のオッズが31%高い関連がありました。
- 朝食を抜く人は総コレステロールが高く、男性ではLDLコレステロールも高い傾向でした。
- 一方、食事回数が多く、食事可能時間が長い人ほど、一部の代謝指標は良好でした。
なぜ重要なのか:単純に「食べる時間を短くすれば健康になる」とは限らず、食事窓の長さよりも、一日の前半から食べ始めてエネルギー摂取を遅い時間に偏らせないことが重要な可能性を示しました。
実生活への示唆:朝食を必ず食べれば病気を防げるとまではいえませんが、夕方から夜へ食事を集中させる生活を避け、食事時刻を一定にすることは検討に値します。
研究上の限界:食事を割り当てたRCTではなく、大部分は横断解析です。食事記録は4日間のみで、勤務時間、睡眠、運動、所得などの残余交絡を排除できません。長い食事窓が有益だという因果関係も確定していません。
原著:European Journal of Nutrition
その他、ニュース・雑学など
1.「火のアメーバ」が複雑な生命の耐熱記録を更新

正式公開日:2026年9月22日
何を調べた研究なのか:米カリフォルニア州ラッセン火山国立公園の温泉から発見された新種のアメーバ、Incendiamoeba cascadensisの活動・増殖限界を実験しました。
主な結果:63℃でも細胞分裂し、64℃でも移動と摂食活動を継続。70℃にさらされた後も、温度を下げると回復しました。核を持つ真核生物として最高耐熱記録です。
どこが面白いのか:動物、植物、菌類と同じ「核を持つ複雑な細胞」が、一般的な低温調理を上回る温度でも動き、増殖できます。
役立つ可能性:耐熱酵素、タンパク質安定化、工業用微生物、合成生物学のほか、地球外生命を探す際の温度上限の見直しにつながります。
研究上の限界:一つの新種を実験室で培養した結果です。どの遺伝子やタンパク質が耐熱性に必須なのかは完全には特定されていません。研究は2025年にプレプリントが出ており、今週の新規性はCell誌での正式査読論文公開です。
原著:Cell「A geothermal amoeba sets a new upper temperature limit for eukaryotes」、Reuters解説 Reuters
2.歌うキツネザルは「ソプラノ歌手」の技法を使う
公開日:2026年9月21日
何を調べた研究なのか:マダガスカルの野生インドリ19頭について、83本の歌唱映像と音声を解析し、口の開き方と声の高さの関係を調べました。
主な結果:インドリは高い音を出すほど口を大きく開けていました。声道の共鳴周波数を音程に合わせ、音量と遠達性を高める「フォルマント・チューニング」を行っている可能性があります。
どこが面白いのか:人間のクラシック歌手が高音を遠くまで響かせる際に使うのと似た方法を、森のキツネザルが自然に利用している可能性があります。
役立つ可能性:人間の歌唱や音声の進化、霊長類の長距離コミュニケーション、絶滅危惧種の自動音響モニタリングに役立ちます。
研究上の限界:口の開きと基本周波数の相関を示した研究で、声道内部の共鳴を直接撮影・測定したわけではありません。映像は個体まで10~25メートル離れた野外撮影で、追跡誤差もあります。
今週は以上です。良い週末を!


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