TL;DR
昨日の振り返り
- ドル円は米PPI下振れで159.02円まで下げたものの159.50円で終了し、米利上げ観測の後退だけではドル安が続きませんでした。
- Gold先物は4420.40ドルへ1.05%反落し、SilverとPlatinumも直近上昇後の利益確定と工業需要への警戒で下落しました。
- WTI原油は81.25ドルへ2.43%下落し、インフレ圧力を和らげる一方、需要見通しへの慎重さを映しました。
今日の見通し
- 21時30分JSTの米7月小売売上高が最大材料で、強ければ米金利・ドル、弱ければGoldを支える基本経路を確認します。
- ドル円は159.00~160.00円を中心に、前日高値159.57円突破と159.02円割れのどちらが先かを見ます。
- 香港株安と豪州株下落が続けば、Goldより工業需要の影響が大きいSilver・Platinum・AUDの上値が重くなる可能性があります。
米PPI鈍化後のドル円・Goldと米小売売上高
14日の結論は、米PPIが予想を下回ってもドル円が159円台を維持したため、物価鈍化だけでドル売りを決めず、今夜の米小売売上高後に米金利、ドル、株式が同じ方向へ進むかを確認することです。Goldは利益確定で反落し、SilverとPlatinumはアジアの工業需要懸念も重なっています。
ドル円は米PPI下振れでも159円台を維持
13日のドル円は159.42円で始まり、高値159.57円、安値159.02円、終値159.50円でした。米7月PPIは前年比4.7%で、市場予想4.9%と前回5.5%を下回りました。コア前年比は4.2%で前回4.7%から鈍化したものの、予想4.1%はわずかに上回りました。
| 13日の為替 | 始値 | 高値 | 安値 | 終値 |
|---|---|---|---|---|
| USDJPY | 159.42 | 159.57 | 159.02 | 159.50 |
| EURUSD | 1.1526 | 1.1545 | 1.1512 | 1.1528 |
| EURJPY | 183.75 | 183.95 | 183.46 | 183.88 |
| AUDJPY | 112.58 | 112.64 | 112.22 | 112.58 |
発表直後、米10年債利回りは4.66%付近へ小幅に低下し、ドル円も159円台前半へ下げました。しかし反応は短く、終値は始値を上回りました。9月利上げ確率は30~35%程度へ低下しましたが、年内の追加利上げ観測は残り、ドルを一方向に売る材料にはなりませんでした。
この値動きから、159.00円近辺には押し目買いがある一方、159.57円から160円には介入警戒があると整理できます。PPI下振れでも下落が続かなかった事実はドル円の底堅さを示しますが、160円突破を保証しません。今夜の小売売上高が弱ければ、前日安値159.02円を改めて試す可能性があります。
21時30分の米小売売上高は消費と金利を動かす
米国勢調査局の公表予定では、7月の小売・飲食サービス売上高は14日8時30分ET、JSTでは21時30分に発表されます。市場予想は前月比0.1%増、前回は0.2%増です。予想値は情報会社で差があるため、発表値だけでなく、自動車を除く指標やGDP算出に使われるコントロールグループも確認します。
小売売上高が強ければ、雇用統計で生じた景気不安を和らげ、米金利とドルを押し上げる可能性があります。ドル円は159.57円、次に159.80~160.00円を試しやすくなります。Goldにはドル高と金利上昇が逆風ですが、株高が強まればSilverとPlatinumは工業需要期待で下げ渋る場合があります。
弱い小売売上高では、米金利とドルが低下し、ドル円は159.02円から158.80円を試す可能性があります。Goldには追い風ですが、景気不安が強まればSilverとPlatinumはGoldほど上昇しない可能性があります。強弱どちらでも、発表後5分から15分の米10年債利回りと株価反応を確認します。

Goldは4420.40ドルへ反落、4500ドル手前で利益確定
COMEX金12月限は4420.40ドルで引け、前日比47.10ドル、1.05%下落しました。現物Goldは一時4449.39ドルまで上昇した後、4354.58ドル付近へ1.2%下落しました。直近1週間で約9%上昇し、4500ドルが意識される中、利益確定売りが優勢になったと報じられています。
PPI鈍化は本来Goldを支えやすい材料ですが、発表後も下落したため、短期ポジションの偏りやテクニカルな売りが物価要因を上回った可能性があります。材料と価格が逆方向に動いた場面では、PPI鈍化だけを根拠に押し目買いを急がず、4400ドル回復と米金利低下が同時に起きるかを見ます。
Silverは前日比1.04%安の64.873ドルで引けたとの報道があり、14日アジア時間は63.7~64.0ドル付近へ下落しました。Platinumも1709~1713ドル付近へ下げ、前日比約1%安でした。三金属がそろって下げていますが、Goldは利益確定、SilverとPlatinumは工業需要・株式の影響が大きく、原因を一つに固定しません。
| 貴金属 | 14日午前の参考値 | 注目点 |
|---|---|---|
| Gold | 4313~4317ドル | 4400ドル回復の有無 |
| Silver | 63.7~64.0ドル | 64.87ドル回復と香港株 |
| Platinum | 1709~1713ドル | 1700ドル維持と中国需要 |
原油2.43%安はインフレと需要の両面を見る
WTI原油9月限は81.25ドルで引け、前日比2.02ドル、2.43%下落しました。米原油在庫の増加と、先週からの上昇後の利益確定が重荷になりました。Brentも87.07ドルへ下落しました。一方、ホルムズ海峡の通航制約やイエメンのフーシ派による攻撃は供給リスクとして残っています。
原油安は米インフレ期待を抑え、米金利とドルを低下させる経路ではGoldに追い風です。しかし、需要減速のシグナルとして株安につながれば、SilverとPlatinum、AUDには逆風になります。同じ原油安でも、米金利低下と株高ならインフレ緩和、米金利低下と株安なら景気不安が中心と判断します。
日本にとって原油安は輸入コストの低下を通じて円を支える可能性がありますが、短期のドル円は米小売売上高と米金利の影響が大きいと考えられます。原油だけを理由にドル円の方向を決めず、159円維持と米10年債利回りを組み合わせます。
香港・豪州市場は工業系金属とAUDの確認材料
14日の香港株は0.70%安で始まり、上海株は0.08%高でした。韓国株と日経平均が上昇する一方、香港ではテック企業の決算が重荷になり、アジア全体は一様なリスクオンではありません。SilverとPlatinumをGoldと同じ安全資産として扱うのではなく、香港株と人民元の安定も確認します。
豪州株は14日に約1.2%下落し、ASX200は9079付近でした。鉄鉱石は95ドル付近から弱含み、AUDUSDは0.7057付近です。前日のRBAケント総裁補発言は引き締め効果を強調しており、追加利上げ観測だけでAUDを買うより、豪州株、鉄鉱石、中国市場を併せて見ます。
AUDJPYは13日に112.22~112.64円で推移し112.58円で終えました。小売売上高が強くドル円が上昇しても、豪州株と中国市場が弱ければAUDUSDは上がりにくく、AUDJPYの上昇は円安だけに依存します。反対に弱い米小売でドル安となり、中国株が安定すればAUDUSDの方が素直に反応しやすくなります。
上昇・下落シナリオと週末リスク
ドル円の上昇シナリオは、小売売上高が予想を上回り、米金利が上昇し、159.57円を明確に超える場合です。159.80円、160.00円を確認しますが、160円接近では介入警戒が高まるため、急上昇をそのまま追わない方が安全です。
下落シナリオは、小売売上高が弱く、米金利低下と159.02円割れが重なる場合です。158.80円、158.50円を確認します。Goldは4400ドル回復が上昇再開の条件です。弱い小売でも4400ドルを回復できなければ、利益確定が続いていると判断します。
週末前は持ち高調整が出やすく、中東情勢や介入関連の見出しで流動性が急に低下する可能性があります。発表直後の一方向の動きより、15分程度経過後も米金利と価格が同方向を保つかを優先します。
本日のトレード戦略
外国為替の戦略
ドル円の主要レンジは158.50~160.15円です。21時30分JSTの米小売売上高後、159.57円を超え、米10年債利回りも上昇する場合は159.80円、160.00~160.15円を確認します。上昇シナリオは159.02円割れで無効です。
159.02円を割り、米金利も低下する場合は158.80円、158.50円を確認します。下落シナリオは159.57円回復で無効です。160円付近では介入警戒、週末の薄商いでは急反転を想定し、ポジションを小さくします。
AUDUSDは0.7000~0.7100ドル、AUDJPYは111.80~113.00円を観察帯とします。強い米小売では0.7030割れを警戒し、0.7075回復で弱気を無効とします。弱い米小売と中国株安定が重なり0.7060を維持すれば0.7080~0.7100を確認し、0.7030割れで強気を無効とします。
貴金属の戦略
Goldは4280~4425ドルを観察帯とします。米小売売上高が弱く、米金利とドルが低下し、4400ドルを回復する場合は4420~4425ドルを確認します。強気は4350ドル割れで無効です。強い小売で4310ドルを割れば4280~4300ドルを警戒し、4380ドル回復で弱気を無効とします。
Silverは62.80~65.20ドルを観察帯とします。64.87ドルを回復し、Goldと香港株が同時に上昇すれば65.20ドルを確認します。強気は63.50ドル割れ、弱気は64.87ドル超えで無効です。Platinumは1670~1750ドルを中心に、1700ドルを維持し、中国・豪州株が安定すれば1730~1750ドルを確認します。強気は1690ドル割れ、弱気は1730ドル超えで無効です。
引用文献
- 13日のドル円・ユーロドル・ユーロ円四本値
- 13日の豪ドル円などクロス円四本値
- 米PPI鈍化後もドル円は159円台
- 米PPI前年比4.7%、米金利は小幅低下
- NY金は4420.40ドルへ反落
- WTI原油は81.25ドルへ2.43%下落
- Goldは2カ月高値後に利益確定
- 米小売売上高の公式発表予定
- Platinum・Gold・Silverの14日更新値
- 豪州株は14日に約1.2%下落
免責事項: 本レポートに含まれる情報は、情報提供のみを目的としており、投資助言を意図するものではありません。実際の取引においては、ご自身のリスク許容度に合わせて判断を行ってください。


コメント