ドル円164円攻防、Gold続伸|原油急落・FOMCとアジア株安【2026年7月28日】

原油急落とFOMCを背景に、164円を試すドル円とGold・Silver・Platinumの値動きを表した市況イメージ 昨日の振り返りと今日の見通し

TL;DR

昨日の振り返り

  • ドル円はロンドン時間の163円台前半から163円台後半へ戻し、164円を意識する展開が続きました。
  • NY金先物8月限は4,077.00ドルへ続伸した一方、WTI原油9月限は82.61ドルへ7.50%急落しました。
  • 米国とイランの攻撃停止を受けて米国債利回りは低下しましたが、ドル円の押し目買いは崩れませんでした。

 

 

今日の見通し

  • ドル円は163.25円から164.10円を主な観察レンジとし、164円突破の定着と介入警戒の強まりを確認します。
  • FOMC初日を迎え、今夜は米消費者信頼感指数や住宅価格関連指標が米金利とドルを動かす可能性があります。
  • Gold、Silver、Platinumは原油安・米金利低下が支援材料ですが、アジア株急落とドル高が上値を抑える可能性があります。

 

 

原油急落でもドル円は164円を意識、Goldは時間外で反落

ドル円は米金利低下にもかかわらず163円台後半を維持し、164円突破が焦点です。GoldはNY市場で続伸しましたが、東京時間には反落しています。本日はFOMCを控えた金利観測に加え、原油急落とアジアの半導体株安が為替・貴金属へどう波及するかを分けて見る必要があります。  

 

  

ドル円は163円台後半、金利低下への反応は限定的

7月27日のNY市場ではドルの買い戻しが優勢となり、ドル円はロンドン時間の163円台前半から163円台後半へ戻しました。米国とイランが攻撃を停止し、原油価格と米国債利回りが下落したため、一時はドル円にも戻り売りが入りました。しかし下値での買い意欲は根強く、約40年ぶりの高値圏にある164円が引き続き意識されています。

東京時間午前もドル円は163.70円台を中心に推移しました。みんかぶの理論価格は163.26円、割高ゾーンは163.78円超、割安ゾーンは162.74円未満とされています。10時06分の三菱UFJ銀行の公表仲値は163.82円でした。理論価格だけで方向を決めることはできませんが、163.80円前後では短期的な過熱と実需のドル需要が交錯しやすい状況です。

ドル円の確認水準 意味
164.00円 心理的節目、上抜け定着の確認点
163.78円 理論価格ベースの割高ゾーン上限
163.25円前後 欧州時間の押し安値と理論価格に近い支持帯
162.75円前後 理論価格ベースの割安ゾーン

米国債市場では2年債利回りが4.318%、10年債が4.647%、30年債が5.132%へ低下しました。10年物期待インフレ率も2.202%へ下がっています。原油安がインフレ懸念を和らげたためですが、ドル円が大きく下がらなかった事実からは、日米金利差がなお大きいことや、為替介入が実施されていないことが円売りを支えていると考えられます。

米国債 利回り 前営業日比
2年債 4.318% -1.3bp
10年債 4.647% -3.0bp
30年債 5.132% -2.5bp
10年物期待インフレ率 2.202% -4.4bp

 

 

原油は82.61ドルへ急落、停戦期待はまだ暫定的

WTI原油9月限は前営業日比6.70ドル安、7.50%安の82.61ドルで終了し、一時81.83ドルまで下落しました。米国がイランへの空爆を停止し、イランも報復攻撃を見送ったことで、一時的な停戦と対話再開への期待が高まりました。

ただし、イラン側は正式な交渉や合意の存在を否定しています。東京時間10時13分にはWTIが81.72ドルまでさらに1.08%下落しましたが、外交協議が不調に終われば供給懸念が再燃する余地があります。したがって、現在の原油安を恒久的な地政学リスク後退と断定するのは早いでしょう。

原油安は米インフレ懸念と米金利を抑えるため、通常はドル円の上値を抑え、利息を生まないGoldを支えます。一方で、停戦期待による安全資産需要の後退はGoldに逆風です。今回は「金利低下の追い風」と「有事需要後退の向かい風」が同時に作用しています。    

 

 

GoldはNYで続伸、東京時間は売り優勢

COMEXのNY金先物8月限は6.20ドル高の4,077.00ドルで終了しました。米国とイランの攻撃停止を受けて時間外取引で買われたものの、フーシ派によるサウジアラビア攻撃やドル高が上値を抑えました。安全資産需要だけでなく、米金利低下とポジション調整が混在した上昇とみるのが妥当です。

東京時間10時13分には、COMEX金先物12月限が4,116.20ドルと前日比0.49%下落し、東京金先物も1グラム21,871円と0.94%下落しました。国内地金価格でも金と銀が下がり、プラチナは横ばいでした。

国内地金 店頭小売価格 前営業日比 店頭買取価格
23,731円/グラム -145円 23,374円
345.29円/グラム -10.78円 328.24円
プラチナ 9,574円/グラム 0円 9,151円

金と銀がともに下落し、プラチナが横ばいであることから、東京時間は貴金属全体への強い買いよりも、前夜の上昇に対する利益確定が優勢です。円安は国内価格を支える要因ですが、海外価格の反落を完全には相殺していません。    

 

 

アジア株急落はSilverとPlatinumの重荷

東京時間11時15分時点では、韓国総合株価指数が9.57%安、台湾加権指数が3.79%安となり、韓国市場ではサーキットブレーカーが発動しました。日経平均も一時2,900円超下落し、6万2,000円を割り込んでいます。一方、香港ハンセン指数は0.81%高でした。

アジア株価指数 11時15分時点 騰落率
香港ハンセン指数 25,408.96 +0.81%
上海総合指数 3,837.05 -0.56%
台湾加権指数 41,977.97 -3.79%
韓国総合株価指数 6,109.51 -9.57%
豪ASX200指数 8,864.00 -0.34%

中国の半導体企業CXMTの成長が韓国・台湾の半導体企業に対する競争懸念を強め、ハイテク株に売りが広がっています。SilverとPlatinumは工業用途を持つため、株安が景気・設備投資への警戒へ広がる場合、Goldより弱くなりやすい点に注意が必要です。

豪州のMarketIndexは、朝時点のGoldを4,077.74ドルで0.64%高、WTIを81.86ドルで9.52%安、豪ドル米ドルを0.6989ドルでほぼ横ばいと報じました。ASX200先物は0.22%安の想定で、その後、素材株は2.2%下落しています。原油安はエネルギー輸入コストには追い風ですが、資源株と豪ドルには必ずしも好材料ではありません。    

 

 

FOMC初日と米消費者信頼感指数を確認

本日はFOMCが始まり、結果発表は翌日に予定されています。政策金利の据え置きが中心予想ですが、短期金融市場では利上げの可能性も一部織り込まれています。市場は声明と会見に備えて、米指標に対する金利反応を敏感に受け止める可能性があります。

日本時間 米国の予定 前回・予想
21:30 卸売在庫・速報値 前回 +0.1%
22:00 住宅価格指数 前回 -0.1%
22:00 S&Pケース・シラー住宅価格指数 前回 前年比+1.14%
23:00 リッチモンド連銀製造業指数 前回 4.0
23:00 コンファレンスボード消費者信頼感指数 予想92.0、前回91.2

米指標が強く、2年債利回りが4.32%台から上向けば、ドル円は164円を試しやすくなります。反対に消費者信頼感や住宅指標が弱く、10年債利回りが4.60%方向へ低下すれば、163.25円付近への調整が考えられます。ただし、株安が加速すると安全資産としてドルが買われ、米金利低下とドル高が同時に起きる可能性があります。      

 

 

 

本日のトレード戦略

外国為替の戦略

ドル円の基本レンジは163.25円から164.10円とします。164円は心理的節目であり、日本当局の発言や実弾介入への警戒が強まりやすいため、上抜け直後を追うよりも、164円台を維持できるか確認する方針が適しています。

条件 条件付き戦略 目標の目安 無効化条件
164.00円を上抜け、米2年債利回りも上昇 164円を支持へ転換できるか確認 164.30円、164.50円 163.75円割れ
163.25円を下抜け、米金利も低下 戻りが163.25円以下に抑えられるか確認 163.00円、162.75円 163.55円回復
株安でドルと円が同時に買われる ドル円より豪ドル円・ユーロ円を監視 直近安値 株価の急反発
原油が急反発 米金利の反応を待つ 方向確認後に対応 原油と金利の逆行

豪ドル米ドルは0.6989ドル前後を基準とし、0.7000ドル回復とASX素材株の下げ止まりがそろう場合に反発余地があります。アジア株安が続き0.6950ドルを割る場合は、豪ドルの戻りが限定される可能性があります。21時30分、22時、23時の指標前後は値幅拡大に備え、通常よりポジション量を抑えるのが現実的です。    

 

 

貴金属の戦略

Goldは4,050ドルから4,120ドルを短期の観察帯とします。4,077ドルはNY終値、4,116ドルは東京時間の12月限、4,100ドルは心理的節目です。限月が異なるため価格を単純比較せず、それぞれの基準内で方向を確認します。

銘柄 上昇シナリオ 下落シナリオ 無効化条件
Gold 米10年債利回り低下、4,100ドル台維持 ドル高と4,050ドル割れ 反対側の節目へ定着
Silver Gold安定、アジア株下げ止まり 株安継続、国内価格の下落拡大 Goldと株価の同時反発
Platinum ASX・韓国株反発、国内9,574円維持 工業需要懸念、株安拡大 アジア株の急反発

Goldは米10年債利回りが4.60%方向へ低下し、ドルも軟化する場合に買い戻しを検討できます。一方、ドル円が164円を明確に超え、ドル指数も上昇する場合は、金利が低下してもGoldの上値が抑えられる可能性があります。

SilverとPlatinumはアジアの半導体・素材株との連動を重視します。株価が下げ止まらない段階で反発だけを追うのは避け、Goldの安定と株価反発の両方を確認します。原油が急反発した場合も、インフレ懸念から米金利が上がるのか、地政学リスクからGoldが買われるのかを分けて判断する必要があります。    

 

 

引用文献

 

 

免責事項: 本レポートに含まれる情報は、情報提供のみを目的としており、投資助言を意図するものではありません。実際の取引においては、ご自身のリスク許容度に合わせて判断を行ってください。

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