米金利でFXトレード

データ分析

金利見てますか?

  • 米ドルをトレードするなら金利を見ろ
  • いやいらんやろ

どちらも聞きますね。個人的にはデイトレでは見てはいるものの、そこまで判断には使ってません。ただ、絶対見るなと言われると「えっチラ見もしちゃダメ?」とは思います😂スイングでは確実に見てます。

 

※なんか、Nano bananaがすごそうなアイキャッチ画像を作ってくれましたが、そんな
 大した話ではありません。 

 

 

この記事の結論

  • US10Y単独でUSDJPYを回してもエッジは薄い。
  • US2Y単独の方が少しましだが、まだ弱い。
  • イールドカーブ単独は補助変数向きで、主役にしづらい。
  • 複合レジーム化して初めて形になりやすい。

 

 

 

US10YだけでUSDJPYをやってみた

まずは雑に4週間でUS10Yが +10bps 以上上がっていればUSDJPYを買い、-10bps 以下下がっていればUSDJPYを売る。シグナルは毎週金曜、約定は翌営業日、保有は5営業日です。

     US10Y単独でUSDJPYを売買した場合のEquity Curve。見た目は横ばい寄りで、強い優位性は出ませんでした。
指標
トレード数204
勝率49.5%
累積リターン2.0%
年率換算リターン0.32%
Sharpe0.08
最大ドローダウン-15.8%

結論として、US10YだけでUSDJPYを機械的に回しても、綺麗な資産曲線にはなりません。1,2年上手くいくことがあっても、5,6年見るとエッジはかなり薄いです。

 

 

 

US2Yにしてみた

次に見るのは2年金利です。理由は単純で、FXは長期金利だけでなく、政策金利期待の影響を強く受けるからです。特にUSDJPYのようなペアでは、短期ゾーンの金利の方が感応度が高い場面があります。

     US2Y単独でUSDJPYを売買した場合。US10Y単独よりは少しましですが、使えるものではありません。
指標
トレード数175
勝率52.0%
累積リターン4.9%
年率換算リターン0.76%
Sharpe0.14
最大ドローダウン-13.3%

 

US2Y単独はUS10Y単独より改善?しました。ただし、回せるレベルには程遠いですね。

 

 

ここまで見えてくること

  • US10YよりUS2Yの方が、少なくともUSDJPYの短中期トレードには近い可能性がある。
  • ただし短期金利だけでも文脈を捨てすぎている。
  • 次は「どちらが高いか」ではなく「形がどう変わったか」を見たくなる。

 

 

 

イールドカーブもやってみた

次に試したのが、10年 - 2年 のイールドカーブ変化です。感覚的には面白そうです。スティープ化なら景気期待やリスクオン、フラット化や逆イールド深掘りなら警戒感、といった解釈ができます。

    イールドカーブ単独でAUDJPYを売買した場合のEquity Curve。単独シグナルとしてはかなり不安定でした。
指標
トレード数157
勝率52.2%
累積リターン-22.2%
年率換算リターン-3.91%
Sharpe-0.41
最大ドローダウン-30.6%

ここは示唆的です。イールドカーブは説明変数として重要そうに見えるのに、単独で売買シグナルにすると扱いが難しい。つまり、カーブは「方向を直接決める主役」ではなく、「US10YやUS2Yの動きに文脈を与える補助情報」として使う方が自然です。

 

 

単独の説明変数としては弱くても、補助変数としては有効

ここがEDAとして面白いポイントです。成績が悪いから価値がない、ではありません。むしろ、単独で使うと崩れることで、「カーブはフィルターとして使うべき」という設計上のヒントをくれます。

 

 

 

そこで3つをまとめて複合レジームにする

US10Y単独も、US2Y単独も、イールドカーブ単独も、どれか1本だけで強い戦略にはなりませんでした。だからこそ、今回の本命は組み合わせです。

  • DGS2: 政策金利期待に近い短期金利の代理
  • DGS10: 長期金利、景気やインフレ期待を含みやすい
  • curve_10y_2y = DGS10 - DGS2: イールドカーブの傾き

この戦略では、局面ごとに使う通貨ペアも変えています。金利急上昇ならUSDJPY、じり高ならUSDCHF、ソフトランディング寄りならAUDUSD、急低下のリスクオフならAUDJPY売りという割り当てです。ここが単独EDAとの一番大きな違いです。

金利の状態局面の解釈トレード対象Buy or Sell
急上昇ドル高が出やすい局面USDJPYBuy
じり高政策差を取りやすい局面USDCHFBuy
じり安ソフトランディング寄りのリスクオンAUDUSDBuy
急低下強いリスクオフAUDJPYSell
    US10Y、US2Y、イールドカーブを組み合わせたレジーム戦略。

指標
週数327
トレード数136
トレード実行率41.6%
勝率60.3%
平均トレード収益0.34%
累積リターン56.1%
年率換算リターン7.34%
年率ボラティリティ6.52%
Sharpe1.12
最大ドローダウン-6.44%

 

この数字は、少なくとも今回のEDAではかなり重要です。単独指標では横ばいか不安定だったのに対し、複合レジームでは改善がはっきり出ています。つまり、金利を見ること自体がエッジなのではなく、どの種類の金利変化がどの通貨ペアに効きやすいかを仕分けることがエッジ だと解釈できます。知らんけど。

 

 

ただし、過信は禁物

  • 価格データはFREDやYahoo Financeの日足であり、本番用としては粗い。
  • 閾値は固定だが、まだwalk-forwardで十分に詰めたわけではない。

それでも、単独指標より複合レジームの方が筋が通っている、というEDA上の結論は十分に価値があります。

 

 

 

Take away

定量分析に興味がある初心者にとって、この一連の成果物は単にFXの話ではありません。再現可能なリサーチの型です。

 

学習テンプレートになる

  1. まず市場でよく言われる仮説をひとつ選ぶ。今回は「USDJPYは米金利を見ろ」でした。
  2. 次に一番単純な説明変数で試す。今回はUS10Yです。
  3. ダメなら隣接する説明変数を見る。今回はUS2Yです。
  4. さらに文脈変数としてイールドカーブを見る。
  5. 最後に単独指標を組み合わせて、複合レジームにする。

この順番の良さは、なぜ改善したのかを説明しやすいことです。いきなり大量の特徴量を入れてしまうと、どれが効いているのかがわからなくなります。

 

 

 

まとめ

USDJPYトレードで「米金利を見ろ」という言い方自体は雑に間違っていません。ただし、US10Yだけ見ても十分ではない。US2Yの方が少しましで、イールドカーブ単独はさらに難しい。そして最終的には、US10Y、US2Y、イールドカーブを組み合わせて、局面ごとに通貨ペアを変える複合レジームの方がかなり自然です(少なくとも今回やったパターンにおいては)。

つまり今回の結論は、「金利を見るべきか」ではなく「どの金利情報を、どの通貨ペアに、どう割り当てるかを見ろ」です。

 

コメント

タイトルとURLをコピーしました