ドル円159円台、Gold4420ドル続伸|原油91ドル・米金利上昇【2026年8月18日】

原油高から米金利とドル円へ向かう二つの市場フロー、Gold・Silver・Platinum、アジア都市を描いた2026年8月18日の市況 日々の相場見通し

TL;DR

昨日の振り返り

  • ドル円は米利上げ観測の後退で158.85円まで下げた後、円売りに押し戻され、159.46円で取引を終えました。
  • NY金12月限は4473.70ドルへ0.82%上昇し、ドル安と米イラン協議の不透明感が押し目買いを支えました。
  • WTI原油は84.50ドルへ2.55%上昇し、供給懸念を通じて米長期金利と日本国債利回りを押し上げました。

 

 

今日の見通し

  • ドル円は159円台半ばを中心に、158.85円の押し目と159.60円の戻り高値、160円の介入警戒を確認します。
  • Gold・Silver・Platinumは朝方そろって上昇していますが、原油高による安全資産需要と金利上昇のどちらが優勢かを見ます。
  • 21時30分JSTの米輸入物価・住宅着工、22時15分の鉱工業生産が、米金利・ドルと貴金属の次の方向を決める材料です。

 

 

 

原油91ドルと米金利上昇下のドル円・Gold

18日の結論は、ドル安だけを見てGold上昇やドル円下落を追わず、原油高で上昇する長期金利との綱引きを確認することです。ドル円は159.46円前後、Spot Goldは4424ドル前後で、今夜の米輸入物価、住宅着工、鉱工業生産が次の分岐点になります。    

 

 

ドル円は158.85円から159.46円へ往って来い

17日のドル円は159.25円で始まり、高値159.60円、安値158.85円、終値159.46円でした。弱い米雇用、物価、小売売上高を受けて米利上げ観測が後退し、ロンドン朝にはドル売りが優勢になりました。しかし158円台では買いが入り、NY時間には159円台へ戻しました。

17日の為替 始値 高値 安値 終値
USDJPY 159.25 159.60 158.85 159.46
EURUSD 1.1569 1.1614 1.1564 1.1580
AUDJPY 112.74 113.48 112.73 113.29

Reutersによると、9月FOMCで利上げとなる確率は35%で、1週間前の52.2%から低下しました。ユーロは1.1581ドル、ポンドは1.3548ドルと高値圏にあり、ドル全体は数カ月ぶりの安値付近です。それでもドル円が下げ切れないのは、日米金利差、円キャリー取引、弱い国内需要を踏まえた円売りが残るためです。

事実としてドル指数は弱い一方、ドル円は159円台へ戻りました。したがって「ドル安=ドル円下落」と単純化せず、円独自の弱さを分けて見ます。158.85円には直近の買い需要、159.60円には戻り高値、160円には介入警戒があり、今日もこの三段階が重要です。    

 

 

原油高が米金利と円相場へ伝わる経路

米イランの停戦期限が切れ、イランが攻勢を強める姿勢を示したことで供給不安が再燃しました。Brent原油は91.14ドルへ0.3%上昇し、17日のWTI原油9月限は84.50ドル、前日比2.10ドル、2.55%高で終えました。

原油高は二つの経路を持ちます。一つは供給ショックによるインフレ期待の上昇で、米10年債利回りは4.728%、30年債利回りは5.3146%と約20年ぶりの高水準へ上昇しました。日本の10年国債利回りも2.945%と1996年以来の高水準です。長期金利の上昇はGoldには保有コスト面の逆風ですが、日米金利が同時に上がる場合、ドル円への影響は利回り上昇幅の差で変わります。

もう一つは地政学リスクの上昇で、Goldには安全資産需要が入りやすくなります。原油高とGold高が同時でも、米金利も上がっているなら一方向の強気材料ではありません。Goldが金利上昇を無視して高値を維持できるかが、安全資産需要の強さを測る手掛かりです。

弱い米指標と原油高が長期金利、ドル円、Gold・Silver・Platinumへ波及する二つの経路
弱い米指標と原油高が長期金利、ドル円、Gold・Silver・Platinumへ波及する二つの経路

 

 

Goldは3日続伸、Silverが相対的に強い

18日10時30分JST前後のSpot Goldは4424.28ドルで0.2%高、Silverは66.40ドルで0.9%高、Platinumは1772.75ドルで0.2%高でした。Goldは3日続伸し、Silverの上昇率が最も大きくなっています。NY金12月限の前日終値は4473.70ドル、前日比36.40ドル、0.82%高です。

貴金属 18日朝の参考値 前日比 主な感応材料
Gold 4424.28ドル +0.2% 米金利、ドル、地政学
Silver 66.40ドル +0.9% Gold、中国需要、株式
Platinum 1772.75ドル +0.2% 自動車需要、中国・豪州株

Goldは弱いドルと利上げ観測後退、安全資産需要の三つに支えられています。一方で米10年債利回りが4.7%台へ上昇しているため、4420~4430ドルを維持できなければ金利面の逆風が強いと判断します。安全資産需要が優勢なら、金利上昇中でも押し目が浅くなります。

SilverはGoldより上昇率が大きく、現時点では全面的なリスク回避ではありません。アジア株が崩れず、人民元と工業金属が安定すれば66ドル台を維持しやすくなります。Platinumは上昇率が小さく、中国・自動車需要への慎重さが残っています。三金属を同じ理由で売買せず、SilverとPlatinumの相対強弱を中国株と合わせます。    

 

 

アジア株と豪ドルは資源高だけでは上がらない

アジア株はまちまちです。韓国KOSPIは休場明けに3%超上昇しましたが、日経平均は約0.3%下落しました。香港株は0.34%安、上海株は0.08%安で始まり、原油高と長期金利上昇が株式の上値を抑えています。

豪州ではASX200が9043前後で約0.3%安となり、5日続落が意識されています。鉄鉱石は94.95ドルで0.23%安です。BHPの決算では銅事業の寄与が注目されていますが、豪州市場全体は原油・銅高だけで上昇しておらず、金利と景気への警戒が残ります。

AUDはドル安を受けて対ドルで底堅く、17日のAUDJPYは112.73~113.48円で推移し113.29円で終えました。ただし鉄鉱石安とASX下落が続けば、AUDの上昇はドル安依存になります。原油高だけを資源国通貨買いの根拠にせず、銅、鉄鉱石、中国株が同方向かを確認します。    

 

 

今夜の米指標は物価と実体経済を分ける

21時30分JSTに米7月輸入物価指数と住宅着工件数、22時15分に鉱工業生産、23時に中古住宅販売成約指数が発表されます。輸入物価の市場予想は前月比0.1%、前年比7.0%、住宅着工は137.0万件、鉱工業生産は前月比0.4%です。

輸入物価が上振れれば、原油高と重なって米金利を押し上げ、ドル円は159.60円から160円を試しやすくなります。Goldには逆風ですが、地政学リスクが強ければ下げ渋る可能性があります。輸入物価が下振れ、住宅・鉱工業生産も弱ければ、米利上げ観測がさらに後退し、ドル円は158.85円を試し、Goldには追い風です。

物価が強く実体経済が弱い組み合わせは最も判断が難しくなります。金利上昇と株安が同時に進めば、Goldは安全資産需要で支えられても、SilverとPlatinumは工業需要懸念で相対的に弱くなる可能性があります。指標の見出しだけでなく、米10年債利回り、ドル指数、S&P500先物の組み合わせを確認します。    

 

 

上昇・下落シナリオと無効化条件

ドル円の上昇シナリオは、米輸入物価または鉱工業生産が予想を上回り、米10年債利回りが4.73%を上回る中で159.60円を突破する場合です。159.80円、160.00円を確認します。ただし160円付近では介入警戒が強く、急騰をそのまま追う場面ではありません。

下落シナリオは、米指標が弱く、米金利低下と158.85円割れが重なる場合です。158.50円、158.20円を確認します。Goldの上昇シナリオは、ドル安と4425ドル維持が続く場合で4450~4460ドルを見ます。米金利上昇で4400ドルを割れば、上昇の勢いは鈍ったと判断します。

地政学の見出しで原油が急変する可能性があるため、指標前後だけでなく中東関連ニュースにも注意します。サマーバケーション期で流動性が薄く、159円後半から160円では値幅が急に広がる可能性があります。      

本日のトレード戦略

外国為替の戦略

ドル円の主要レンジは158.20~160.10円です。159.60円を上抜き、米10年債利回りも上昇する場合は159.80円、160.00~160.10円を確認します。上昇シナリオは159.10円割れで無効です。160円接近では介入警戒から反転しやすいため、買い追随は条件を厳しくします。

158.85円を割り、ドル指数と米金利も低下する場合は158.50円、158.20円を確認します。下落シナリオは159.60円回復で無効です。重要時刻は15時の英雇用、18時の独ZEW、21時30分の米輸入物価・住宅着工、22時15分の米鉱工業生産、23時の中古住宅販売成約指数です。

AUDUSDは0.7050~0.7140、AUDJPYは112.50~114.00円を観察帯とします。ドル安と中国・豪州株の安定が重なればAUDUSDの上値を確認し、鉄鉱石安と株安が続く場合はAUDJPYの113.50円付近で失速する可能性があります。強気はAUDUSD 0.7070割れ、弱気は0.7120回復で無効とします。  

 

   

貴金属の戦略

Goldは4380~4460ドルを観察帯とします。ドル安が続き4425ドルを維持する場合は4450~4460ドルを確認します。強気は4400ドル割れで無効です。米金利上昇で4400ドルを割れば4380~4390ドルを警戒し、4425ドル回復で弱気を無効とします。

Silverは64.80~67.20ドルです。Goldが4425ドルを維持し、アジア株も安定して66.50ドルを超える場合は67.00~67.20ドルを確認します。強気は65.50ドル割れ、弱気は66.50ドル回復で無効です。

Platinumは1740~1800ドルを中心に見ます。中国・豪州株が安定し1780ドルを超えれば1800ドルを確認し、1750ドル割れで強気を無効とします。原油高と金利上昇で株安が強まり1750ドルを割れば1740ドルを確認し、1780ドル回復で弱気を無効とします。Goldだけが高値を維持する場合は、安全資産需要が中心と判断します。

 

 

引用文献

 

 

免責事項: 本レポートに含まれる情報は、情報提供のみを目的としており、投資助言を意図するものではありません。実際の取引においては、ご自身のリスク許容度に合わせて判断を行ってください。

コメント

タイトルとURLをコピーしました