2026年9月10日 昨日の振り返りと今日の見通し

2026年9月10日の外国為替・Gold・Silver・Platinum・原油市場を表現した東京の金融デスク風アイキャッチ 日々の相場見通し

TL;DR

昨日の振り返り

  • 9日のドル円は153.98円で始まり、154.01円を高値に152.95円まで下落し、153.56円で終了しました。円の買い戻し基調は続いたものの、前日までの急激な円高はいったん一服しました。
  • Goldは4営業日ぶりに反発。OANDAの金CFDは4402.115ドルで終了し、前日比1.07%高。みんかぶ先物ではNY金が4460.7ドル、前日比21.7ドル高でした。ドル安が押し目買いを支えました。
  • 原油はBrentが101ドル台、WTIが96ドル台へ上昇。中東情勢の悪化でインフレ懸念が再燃し、米10年債利回りも4.84%台まで上昇しました。株式には逆風、Goldには安全資産買いと金利高という相反する材料が同時に働いています。

 

 

今日の見通し

  • ドル円は153円台半ばを中心に、154.06円を上抜けられるか、153.00円を割り込むかが短期の分岐です。来週の日銀会合を前に円高観測は残る一方、原油高による日本の交易条件悪化は円売り要因です。
  • Goldは4400ドル前後を基準に考えます。ドル安は支援材料ですが、米PPI・CPIを前に米金利が高止まりしており、上値追いは慎重にしたい局面です。Silverは67ドル台、Platinumは1800ドル台の維持を確認します。
  • 本日は米PPIが最大のイベントです。インフレ上振れなら米金利上昇・ドル高・Gold下落、下振れならその逆が基本シナリオです。ECB理事会もあり、欧州時間以降はボラティリティ上昇に注意します。

 

 

 

 

ドル円は153円台で持ち合い、円高一服でも上値は重い

事実

9日のドル円は、みんかぶFXの四本値で始値153.98円、高値154.01円、安値152.95円、終値153.56円でした。前日の152.89円までの急落に比べると値幅は縮小し、円買いの勢いはいったん落ち着いています。

Reutersは10日朝、円の上昇が一服している一方、来週の日銀会合での利上げ観測が依然として円を支えていると報じています。市場では日銀が9月18日に政策金利を1.25%へ引き上げるとの見方が強く、最近の円高は円キャリー取引の巻き戻しや日本への資金回帰期待も背景です。

ただし、円高一辺倒ではありません。Brent原油は101ドル台へ上昇しており、日本にとっては輸入価格上昇を通じて交易条件を悪化させるため、通常は円安要因になります。つまり現在のドル円は「日銀利上げ・キャリー解消による円買い」と「原油高による円売り」が綱引きしている状態です。

 

    

分析

短期の方向を見るうえでは、日銀観測よりもまず価格そのものを優先したいところです。みんかぶFXの本日ピボットでは、ドル円のピボットが153.51円、抵抗1が154.06円、抵抗2が154.57円、支持1が153.00円、支持2が152.45円です。

153.51円付近を中心に推移している間はレンジ色が強いとみます。154.06円を明確に上抜けば、154.57円方向までショートカバーが進む可能性があります。反対に153.00円を割り込んで戻せない場合は、152.45円、さらに先週から意識されている151円台が次の候補です。

大きな流れとしては円高方向を維持していますが、ここ数日の下落ペースが速かったため、安値追いのショートはリスクが高まっています。戻りを待って売る、または153円割れ後のリテストを確認してから入る方が合理的です。

 

 

 

Goldは4400ドル台へ反発、ただし米金利が重石

事実

Goldは前日の下落から反発しました。OANDAによると、9日の金CFD終値は4402.115ドルで前日比46.410ドル高、1.07%上昇しました。4営業日ぶりの上昇です。みんかぶ先物の朝のチェックリストでもNY金は4460.7ドル、前日比21.7ドル高となっています。

Reutersは本日、現物Goldが4412.84ドル付近まで上昇したと報じています。ドルが弱含んだことが買い材料です。一方で、米10年債利回りは4.84%台と2023年以来の高水準にあり、利息を生まないGoldには逆風です。

The Business Timesでは、シンガポール時間7時22分時点の現物Goldが4400.32ドル、Silverが67.29ドルと報じられています。Silverは前日に2.4%上昇しており、Goldより強い動きです。Platinumも小幅高とされており、貴金属全体としては下値の堅さが見えています。    

分析

Goldの現在地は非常に分かりやすく、4400ドルを中心に材料がぶつかっています。ドル安はプラス、米金利高はマイナス、中東情勢は安全資産需要としてプラス、原油高によるインフレ懸念はFed利上げ観測を通じてマイナスです。

このため、Gold単独のチャートだけで判断するより、ドル指数と米10年債利回りを一緒に確認する必要があります。4400ドルを維持し、4450ドル方向へ伸びるなら押し目買いが機能しやすくなります。一方、4400ドルを割り込み、米10年債利回りが4.9%方向へ上昇する場合は、再び4350ドル近辺への調整を警戒します。

SilverはGold以上に値幅が大きいため、67ドル台を維持できるかが重要です。Platinumは1800ドル台を保つ限り相対的な強さを評価できますが、Goldが大きく崩れれば連れ安の可能性があります。

 

 

 

原油100ドル超えが市場全体の前提を変えつつある

事実

原油高が本日の市場で最も重要な横断材料です。Reutersによると、Brent原油は101.34ドル、WTIは96.55ドル付近まで上昇しています。中東での船舶攻撃や米国・イランの報復合戦が供給不安を高めています。

The Business Timesによると、Brentは前日に101.21ドルで引け、一時101.58ドルまで上昇しました。100ドルという心理的節目を超えたことで、エネルギー価格上昇が単なる地政学リスクではなく、金融政策の前提そのものに影響する段階へ入っています。

実際、米10年債利回りは4.8406%まで上昇し、2023年以来の高水準です。株式市場では、原油高と金利高を嫌気してアジア株が弱く、ReutersはMSCIアジア太平洋指数が約1%下落したと報じています。

 

     

分析

原油100ドル超えが続く場合、相場のテーマは「景気」より「インフレ」に傾きます。インフレ期待が上がれば、Fed・ECB・日銀いずれも利上げを続ける余地が広がります。これは債券には逆風、株にも逆風、Goldには安全資産買いと金利上昇の両面材料になります。

為替では、資源国通貨にプラスになりやすい一方、日本円には交易条件悪化を通じてマイナスです。ただし現在の円は、日銀利上げ期待とキャリー巻き戻しが非常に強いため、通常の「原油高=円安」が素直に出ていません。このねじれが、ドル円の方向感を難しくしています。      

 

 

 

豪ドルとアジア市場は原油高と中国要因を同時に確認

事実

9日のAUDUSDは0.7217で終了し、本日のピボットは0.7222、抵抗1が0.7233、支持1が0.7205です。AUDJPYは前日終値110.80、ピボット110.89、抵抗1が111.14、支持1が110.55となっています。

Reutersは本日のアジア市場で株式が軟調と報じています。高原油・高金利がリスク資産の重石になる一方、中国人民元は高値圏を維持しています。中国では前日にCPI・PPIが上昇し、エネルギー価格由来のインフレ圧力が確認されました。    

 

 

分析

豪ドルを見る場合、資源価格高はプラスですが、リスクオフはマイナスです。したがってAUDUSDが0.7233を上抜けるか、0.7205を割るかで短期の方向を判断する方がよいでしょう。

AUDJPYはそれ以上に円要因が強く、円キャリー巻き戻しが再開すれば豪ドル自体が強くても下落し得ます。AUDUSDとUSDJPYを分けて確認し、両方が同方向ならAUDJPYのトレンドはより信頼しやすくなります。      

 

 

 

本日最大のイベントは米PPI、その次がECB

事実

本日は米生産者物価指数(PPI)の発表が予定されています。Reutersは、今週のPPIとCPIが9月15~16日のFOMCで利上げするかどうかを大きく左右するとしています。市場は現在、9月利上げをおよそ60~65%織り込んでいます。

またECB理事会も予定されており、利上げが予想されています。欧州のインフレも原油高の影響を受けやすく、ECBの声明がタカ派ならユーロ買いと欧州金利上昇が同時に起きる可能性があります。

 

    

分析

PPIが予想を上回れば、米10年債利回りが4.9%方向へ上がり、ドル高・Gold安が基本反応です。ドル円は通常なら上昇しやすいですが、日銀利上げ観測が強いため上値が抑えられる可能性があります。

PPIが弱ければ逆に米金利低下・ドル安・Gold高が基本です。この場合、ドル円は153円を割り込みやすく、Goldは4450ドル方向を試す余地が広がります。発表直後は方向が出ても反転しやすいため、最初の1本を追わず、5~15分程度のリテストを待つ方が安全です。

 

 

 

本日のトレード戦略

外国為替の戦略

ドル円は153.00~154.06円を最初のレンジとして見ます。154.06円で上値を抑えられるなら戻り売り優勢、153.00円を明確に割れば152.45円方向を警戒します。154.06円を超えても154.57円までは戻り売りが出やすいゾーンです。

ただし、米PPI前に方向を決め打ちする必要はありません。イベント前はサイズを抑え、発表後に153円か154円のどちらを明確に抜けるかを確認してから参加する方が効率的です。AUDUSDは0.7205~0.7233、AUDJPYは110.55~111.14を短期レンジとして確認します。  

 

  

貴金属の戦略

Goldは4400ドルを最重要ラインとします。4400ドルを維持し、米金利が落ち着けば4450ドル方向への押し目買いを検討します。一方、4400ドルを割り、米10年債利回りが再上昇する場合は4350ドル方向への調整に備えます。

Silverは67ドル台維持ならGoldより強い状態を評価しますが、ボラティリティが高いためポジションサイズは小さめにします。Platinumは1800ドル台維持を確認し、Goldが弱くても相対的に崩れないなら押し目買い候補です。

今日は原油、米金利、ドル、Goldの4つを同時に見る必要があります。単一材料で判断せず、PPI後の金利反応を最優先に確認します。    

 

 

引用文献

 

 

免責事項: 本レポートに含まれる情報は、情報提供のみを目的としており、投資助言を意図するものではありません。実際の取引においては、ご自身のリスク許容度に合わせて判断を行ってください。

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