FXの勉強で一番つまずくのは、覚えることの多さではなく順番が分からないことだと思います。ローソク足を勉強して、次に移動平均線をやって、その次に何をすればいいのか。調べるたびに新しい用語が出てきて、どこまでやれば足りるのかが見えない。
範囲を1枚の地図にしました。何を、どの順番で、どこまでやるか。あわせてやらなくていいことも書いてあります。そちらのほうが役に立つかもしれません。
TL;DR
- FX裁量トレードの学習範囲は、大きく7つの層に分かれます
- 順番は「基礎 → チャート → リスク管理 → 記録 → 応用」です。リスク管理を後回しにするとやり直しになります
- 出来高・VWAP・オーダーフロー・オプションは、FXでは扱いません。理由は下に書きました
- 全体で87レッスン。ただし最初の24本で実弾に進めます
全体の地図
左の数字が推奨する順番です。各項目はそのままレッスンにつながっています。
1. 基礎(まずここから・11本)
用語と仕組み。ここを飛ばすと、後から出てくる説明が全部ぼやけます。
- このサイトの学び方:読む順番と使い方
- FXとは何か:仕組みを最初から
- 通貨ペアの読み方
- pips・ロット・スプレッド:損益計算のための3つの単位
- レバレッジと証拠金:ロスカットまで数字で理解する
- 国内FXと海外FXの違い
- 注文方法の全種類:成行・指値・逆指値・IFD・OCO・IFO
- FXの取引時間と東京・ロンドン・NY時間の違い
- 最初の30日ロードマップ
- 基礎修了チェック:実弾の前に確認する20項目
2. 市場構造とチャート(6本)
値動きを分類して読む。ここが全ての手法の土台になります。
- ローソク足の読み方:4つの価格が語ること
- トレンドとレンジ:高値と安値だけで相場を分類する
- サポートとレジスタンス:水平線の引き方
- 押し目買いと戻り売り
- デイリーピボット:前日の高値・安値・終値から作る基準線
- キリ番とファーストタッチ
3. テクニカル指標(3本)
指標は道具です。増やすほど良くなるものではありません。この3本で、トレンド系・オシレーター系・勢い・変動幅の4つの役割を押さえられます。
- 移動平均線:トレンド系
- RSI:オシレーター系。買われすぎ・売られすぎの本当の意味
- MACDとボリンジャーバンド:勢いと変動幅
4. プライスアクションと時間足(6本)
- ダブルトップとヘッドアンドショルダー
- 三角保ち合いとブレイク
- フェイクブレイク:ダマシはなぜ起きるのか
- 上位足・中位足・下位足の役割分担
- シナリオ・セットアップ・トリガーの分離
- 執行時間足でのエントリー
5. リスク管理(4本・後回し禁止)
ここを飛ばして手法を探すと、後で全部やり直しになります。手法のエッジが同じでも、ロットとコストの設定だけで結果が反転するからです。順番としては、チャートの直後に置くのが正解です。
- 損切りの決め方:金額ではなく「根拠が崩れる場所」
- ポジションサイズの計算:損切り幅からロットを逆算する
- 勝てない人の典型ミス:原因は手法ではない
- トレードしない条件:見送りをルール化する
6. 記録と検証(11本)
ここから上達の速度が変わります。記録がないと、何が効いたのか永久に分かりません。
- トレード日誌の始め方
- TradingView Bar Replayで検証する
- 過剰最適化とは
- ルール・戦略・運用ポートフォリオの違い
- 裁量判断を検証可能な仮説に変える
- 帰無仮説と比較対象の作り方
- 1本のバックテストでは分からないこと
- コストを入れると消えるエッジ
- 試行回数NとDSR
- 期間・銘柄・パラメータをずらして壊す
- フォワードテストと停止基準
7. 心理・ファンダ・応用
ここから先は順番が自由です。必要になったものから読めば足ります。
心理(5本):ポジポジ病、リベンジトレード、損切りできない理由、仕事・睡眠とトレード時間、7つの認知バイアス
ファンダメンタルズ(8本):経済指標カレンダーの見方、国債利回りと日米金利差、米雇用統計、重要指標前後のルールほか
ICT・SMC(12本):ICTとは、流動性 BSL・SSL、FVG、Order Block、ICT手法をバックテストするほか
検証の統計(11本):Sharpe Ratioを推定量として読み直す、PSRとDSR、パラメータ・ランドスケープ、正の期待値でも破産するほか
コードで検証(10本):MT5の基礎、Pine Scriptの最小限、Pythonの最小限、3つの結果を突き合わせるほか
やらなくていいこと
海外の学習マップを見ると、次の項目が必ず入っています。ですがFXでは扱いません。手を抜いているのではなく、対象が違うからです。
| 項目 | FXで扱わない理由 |
|---|---|
| オーダーフロー・板読み | スポットFXは相対取引で、集中した板が存在しない |
| VWAP | 出来高加重平均。土台になる真の出来高がない |
| 出来高分析 | 表示されるのはティックボリューム(値動きの回数)で、実際の売買高ではない |
| オプション(0DTE等) | そもそも別商品。FX裁量トレードの範囲外 |
これらは米国株や指数先物の教材から来ています。集中取引所に板と出来高があるから成立する話で、24時間・分散型のスポットFXにはそのまま持ち込めません。
「勉強しなければ」と思っていた項目が消えるのは、実は大きな前進です。範囲が確定すると、終わりが見えます。
どこまでやれば始められるか
87本を全部読んでから始める必要はありません。
1〜3(基礎・チャート・指標)の20本と、5(リスク管理)の4本。合わせて24本で、少額の実弾に進む条件は揃います。修了チェックの20項目で確認できます。
6(記録と検証)は、実際にトレードを始めてからのほうが理解できます。記録する対象がないと、記録の意味が分からないからです。
7(応用)は必要になってからで構いません。ICTを先に学んでも、リスク管理ができていなければ結果は変わりません。
順番を守る理由
リスク管理を後回しにする人が多いのですが、これが一番もったいない。
手法のエッジが同じでも、ロットとコストの設定だけで最終結果は反転します。設定が悪いまま手法を探し続けると、どの手法も同じように負けるので、原因が手法にあると誤解し続けることになります。
逆に言えば、リスク管理を先に固めておけば、手法の良し悪しが見えるようになります。順番を守る実利はここにあります。
読む順番はこちらで決めてあるので、次に何をやるかで迷う必要はありません。上から順に進めてください。


コメント