TL;DR
昨日の振り返り
- 16日のドル円は154.86円から156.42円まで上昇し、156.26円で終了しました。日本時間17日未明のFOMCでFRBが0.25%利上げを決定し、年内にもう1回の利上げを示唆したことで、米短期金利とドルが上昇しました。
- GoldはFOMC直後に大きく売られ、OANDAの金CFDは4263.855ドルで終了。Reutersによると現物Goldは一時6週間ぶり安値を付けた後、本日アジア時間には4314ドル前後まで反発しています。
- 原油は供給不安の後退で反落。ReutersによるとBrentは103.95ドル、WTIは100.66ドルまで下落しました。サウジアラビアがオマーン経由で追加供給を行うとの報道が、供給途絶懸念をやや和らげました。
今日の見通し
- ドル円はFOMC後の156円台から、本日午後には155円台半ばへやや調整しています。短期的には156.83円が上値抵抗、155.85円がピボット、155.27円と154.29円が下値支持です。
- Goldは高金利とドル高が重石ですが、4300ドル前後では押し目買いも入りやすくなっています。Silverは63ドル台後半、Platinumは1780ドル前後まで反発しており、貴金属全体ではFOMC後の売り一巡を確認する局面です。
- 本日は20:00の英中銀、21:30の米フィラデルフィア連銀指数・住宅着工・新規失業保険申請件数が材料です。ただし市場の最大の焦点は明日の日銀会合で、1.25%への利上げと植田総裁の今後の利上げペースに移っています。
FOMCは「利上げ+タカ派」でドル高、ドル円は156円台へ
事実
FRBは9月FOMCで政策金利を0.25%引き上げ、3.75~4.00%としました。OANDAの速報によると決定は全会一致で、約3年ぶりの利上げです。さらにドットチャートでは2026年末の中央値が4.1%となり、年内にもう1回の利上げを示唆しました。
この結果を受けて米ドルは全面高となりました。Reutersはドル指数が100.3まで上昇し、7週間ぶりの高値を付けたと報じています。米2年債利回りも一時4.7153%まで上昇し、長期より短期金利が強く反応したことで、イールドカーブはフラット化しました。
ドル円は16日の安値154.86円から156.42円まで上昇し、156.26円で引けました。本日午後にはやや戻して155円台半ばで推移しています。FOMC直後のドル買いが一巡し、明日の日銀会合を前に円ショートの利益確定も入りやすくなっています。
分析
今回のFOMCで重要なのは、単に0.25%利上げしたことより「追加利上げを否定しなかった」点です。インフレが目標に向かっているとの確信が十分でないという姿勢は、利上げサイクルが一度で終わらない可能性を市場に意識させました。
一方、ドル円が156.42円からさらに一直線に上昇していないのは、明日の日銀利上げが強く織り込まれているためです。Reutersは日銀が政策金利を1.25%へ引き上げるとの見方が強いと報じています。つまり現在のドル円は、「Fedのタカ派化によるドル高」と「日銀利上げ期待による円高」が正面からぶつかっています。
本日のピボットは155.85円です。上は156.83円、下は155.27円と154.29円が目安になります。156.83円を明確に超えるならFOMC後のドル高再加速、155.27円を割るなら日銀前の円買い戻しが強まったと判断しやすいでしょう。

GoldはFOMC後の急落から反発、4300ドル攻防
事実
GoldはFOMCの利上げ決定を受けて大きく下落しました。OANDAによると16日の金CFD終値は4263.855ドルで、前日比30.03ドル安、0.70%下落。3営業日続落となりました。
ただし本日は反発しています。Reutersによると、現物Goldは日本時間午後にかけて1%超上昇し、4314.64ドル前後。前日の6週間ぶり安値から買い戻されています。12月限先物は4353.90ドル前後でした。
Silverは63.91ドル、Platinumは1784.42ドルまで上昇しており、Gold以外の貴金属にも買い戻しが広がっています。前日のFOMC後にポジションが大きく整理された反動とみられます。
分析
Goldには、いま相反する材料が同時にあります。マイナス材料は米金利高とドル高です。利息を生まないGoldにとって、政策金利引き上げと追加利上げ示唆は明確な逆風です。
一方、プラス材料は中東情勢とインフレヘッジ需要です。原油が100ドルを超える高水準を維持し、地政学リスクも完全には解消していません。このため、Goldは「利上げだから売り」だけでは整理できず、4300ドル前後で下値を拾う動きが入りやすくなっています。
短期的には4300ドルを維持できるかが最重要です。4300ドルを維持し、4350ドルを回復すれば、FOMC後の下落が一時的なポジション調整だった可能性が高まります。逆に4300ドルを明確に割り、戻りも弱ければ、4240~4260ドル付近の前日安値圏を再度試す展開に注意します。
原油は100ドル超を維持しつつ反落、供給懸念はやや緩和
事実
ReutersによるとBrent原油は103.95ドル、WTIは100.66ドルまで下落しました。サウジアラビアがオマーン経由でアジア向け原油の追加供給を行うとの報道が、供給不足への懸念をやや和らげています。
ただし中東情勢そのものは緊張状態が続いています。サウジの東西パイプラインへの攻撃や、フーシ派によるサウジ領内への攻撃リスクは残っています。Reutersは、供給懸念が再燃する場合にはBrentが再び120ドル方向へ上昇するシナリオも市場で意識されていると報じています。
分析
原油が100ドルを超えたまま高止まりすれば、インフレ懸念は簡単には消えません。これはFedに追加利上げ余地を与え、米金利を高止まりさせる要因です。その意味で、原油は為替とGoldの両方に影響する「根っこ」の材料になっています。
原油がさらに下がれば、インフレ再加速懸念が緩和して米金利が低下しやすくなり、Goldには支援材料です。反対に地政学リスク再燃で原油が110ドル方向へ戻れば、インフレ懸念と利上げ観測が再び強まり、Goldの上値を抑える可能性があります。
明日の日銀会合が次の最大イベント
事実
Reutersは、日銀が明日の会合で政策金利を1.25%へ引き上げるとの見方が強いと報じています。1.25%となれば約31年ぶりの高水準です。
市場にとって重要なのは、利上げそのものより植田総裁の会見です。利上げ後も追加利上げを継続する姿勢が示されれば円高圧力が強まり、逆に慎重姿勢が強ければ「材料出尽くし」で円売りが起こる可能性があります。
日本政府も本日、為替の秩序ある動きを維持する方針を改めて示しました。Reutersによると木原官房長官は米国と緊密に連携しながら為替市場の安定に取り組む姿勢を示しており、円安が急速に進む場合は当局発言にも注意が必要です。
分析
明日の日銀会合は、3つのシナリオで考えると整理しやすいです。第一は「利上げ+タカ派」。これは円高が最も進みやすく、ドル円は155.27円から154.29円を試す可能性があります。
第二は「利上げ+中立」。初動は円高でも、会見で追加利上げに慎重なら155.85円付近へ戻す可能性があります。第三は「据え置き、または想定よりハト派」。この場合は円安が強まり、156.83円上抜けが焦点です。

本日残りの注目イベント
本日は18:00にユーロ圏HICP確報値、20:00に英中銀政策金利、21:30に米フィラデルフィア連銀景況指数、住宅着工件数、新規失業保険申請件数が予定されています。
英中銀は3.75%据え置き予想です。ただし原油高による英国インフレへの警戒が強まっており、声明が想定よりタカ派ならポンドや欧州金利が動く可能性があります。
米指標では、FOMC直後だけに「景気が強い=追加利上げ余地」という反応が出やすいでしょう。強い指標ならドル高・米金利高、弱い指標ならFOMC後のドル買いポジションの巻き戻しが入りやすいと考えます。
本日のトレード戦略
外国為替の戦略
ドル円は、155.27~156.83円を最初のレンジとして見ます。155.85円より上で推移する限りFOMC後のドル高基調は残っていますが、156.83円付近では明日の日銀会合を意識した戻り売りが出やすいとみます。
156.83円を明確に上抜け、押しても維持する場合は157円台を試す展開に注意します。反対に155.27円を割り込む場合は、154.29円方向への調整余地が広がります。
今日はFOMC直後でポジションが偏りやすく、さらに明日日銀という大イベントを控えています。高値・安値を追いかけるより、重要水準への戻りを待って反応を確認する方針を優先します。
貴金属の戦略
Goldは4300ドルを基準に考えます。4300ドル上を維持し、4350ドルを回復するなら短期的な押し目買いを検討します。4300ドル割れで戻りが弱い場合は、前日安値圏の4240~4260ドルを警戒します。
Silverは63ドル台を維持できるか、Platinumは1780ドル近辺を維持できるかを確認します。FOMC後の反発がGoldより強ければ、貴金属全体の売りが一巡したサインになり得ます。
Goldを取引する際は、ドル指数だけでなく米2年債・10年債利回り、そしてBrent原油を同時に確認します。今は金利と原油の方向がGoldを左右しやすい局面です。
引用文献
- Reuters「Hawkish Fed lifts dollar to seven-week high; markets brace for BOE, BOJ」2026-09-17
- Reuters「Shares edge up after Fed hike, dollar firm on short-term yields」2026-09-17
- Reuters「Gold rises as investors digest Fed hike, oil rally stalls」2026-09-17
- Reuters「Oil prices extend losses on easing fears of Middle East supply disruption」2026-09-17
- Reuters「Japan vows effort to maintain orderly yen moves」2026-09-17
- OANDA「9月FOMCは約3年ぶりの0.25%利上げを全会一致で決定」2026-09-17
- OANDA「金価格は下落し4263ドル|FOMCで利上げが決定」2026-09-17
- 外為どっとコム「ドル/円今日の見通し|156円台 円安再燃のリスク 焦点は日銀に」2026-09-17
- 外為どっとコム「米9月FOMC総括:予想外のタカ派利上げとドル全面高の深層」2026-09-17
- みんかぶFX「東京市場 ピボット分析(主要国通貨)」2026-09-17
- みんかぶFX「本日の予定【経済指標】」2026-09-17
- みんかぶ先物「今日の視点 貴金属=反落、米FOMC後の急落で」2026-09-17
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