TL;DR
昨日の振り返り
- 8月31日のドル円は160.07円で始まり、一時160.20円まで上昇した後、ベッセント米財務長官の円安けん制と日銀利上げ観測を受けて159.48円まで反落し、159.74円で終了しました。
- 中東情勢の再緊迫化で原油が上昇し、インフレ再加速への警戒から世界的に国債が売られました。米10年債利回りは4.78%近辺、日本10年債利回りも3%目前まで上昇しています。
- GoldはFRBの追加利上げ観測と金利上昇が重しとなり、9月1日アジア時間は4,450ドル前後。Silverは66ドル台後半、Platinumは1,800ドル前後で推移しています。
今日の見通し
- ドル円は159.40〜160.20円を中心に、日米当局の発言と長期金利を確認します。160円台を定着できなければ上値は重く、159.40円割れでは159円前半への調整を警戒します。
- アジアでは日本の設備投資が前年比1.6%、中国RatingDog製造業PMIが51.5と予想を上回りました。豪州も経常赤字・住宅許可が予想より良く、AUDUSDは0.717ドル前後を維持しています。
- 今晩は22:45の米製造業PMI確報、23:00のISM製造業景況指数とJOLTS求人件数が焦点です。強い結果なら米金利上昇・ドル高・Gold安、弱ければ逆方向を基本シナリオとします。
ドル円160円攻防、Gold4455ドルと原油91ドルをどう読むか
9月1日のアジア市場は、為替だけを見るとドル円が159円台後半で落ち着いていますが、背景では原油と国債市場が大きく動いています。中東情勢の再緊迫化でBrent原油が91ドル台へ上昇し、インフレ警戒から米10年債利回りは4.78%、日本10年債も3%目前まで上昇しました。Goldには地政学リスクという追い風がある一方、高金利という強い逆風があり、4,450ドル前後で方向感を探る展開です。
8月31日のドル円は160.20円から159.48円へ反落
9月1日朝に公表されたみんかぶの四本値によると、8月31日のドル円は始値160.07円、高値160.20円、安値159.48円、終値159.74円でした。東京朝方は先週末からのドル高を引き継いで160.20円まで上昇しましたが、その後は円買いが優勢になりました。
主な材料は、G20財務相・中央銀行総裁会議に合わせたベッセント米財務長官の発言です。Reutersは、ベッセント氏が日銀と日本政府が円高につながる措置を取ることに期待を示したと報じています。市場では9月の日銀利上げ確率が約73%まで織り込まれており、160円台では円安けん制と金融政策正常化の両方が意識されます。
| 市場 | 8月31日〜9月1日の確認値 | 注目点 |
|---|---|---|
| USDJPY 31日始値 | 160.07円 | 160円台で開始 |
| USDJPY 31日高値 | 160.20円 | 当局発言前のドル高 |
| USDJPY 31日安値 | 159.48円 | 円安けん制後に反落 |
| USDJPY 31日終値 | 159.74円 | 159円台後半へ |
| 9月1日午前 | 159.76〜159.80円前後 | 160円再トライを警戒 |
日米財務当局は、為替の秩序ある動きが市場の安定に重要との認識で一致しています。これは特定水準を防衛すると表明したものではありませんが、160円台で一方向の円売りが進む場合には市場参加者が介入や政策対応を意識しやすくなる材料です。
原油91ドルと米10年債4.78%がドル円を支える
9月1日付Reutersによると、Brent原油は91.05ドル、WTIは86.59ドルまで上昇しました。米国とイランの直接的な衝突が再び強まり、ホルムズ海峡を通じた供給障害への懸念が再燃しています。
原油高は日本にとって輸入物価と交易条件を通じた円安要因になりやすい一方、世界のインフレ懸念を強めて債券利回りを押し上げます。Reutersは米10年債利回りを4.78%付近、日本10年債利回りも3%目前と報じています。

ドル円にとっては、日本の利上げ観測だけでなく米国側の金利が高止まりしている点が重要です。日銀が利上げしても米長期金利がさらに上昇するなら、日米金利差の縮小は限定されます。逆に原油が落ち着き米金利が低下すれば、159円台後半からの円高が進みやすくなります。
Goldは4,455ドル前後、地政学より金利の逆風が強い
9月1日朝のReuters配信では、Gold現物は4,454.68ドル付近で推移しています。前日にはFRBの追加利上げ観測を背景に約2週間ぶりの安値まで下落しており、9月利上げ確率は65%前後まで上昇しています。
アジア時間の貴金属現物では、Gold 4,457.86ドル、Silver 66.82ドル、Platinum 1,804.07ドルとの価格も確認されています。データ取得時刻が異なるため数ドル程度の差はありますが、Goldは4,450ドル前後、Silverは66ドル台後半、Platinumは1,800ドル近辺という位置関係です。
地政学リスクが高まるとGoldは安全資産として買われやすいですが、今回は原油高がインフレと追加利上げ観測を強めているため、金利上昇がその追い風を打ち消しています。Goldが4,500ドルを回復するには、中東情勢そのものより米長期金利が上昇を止めることの方が重要です。
日本設備投資1.6%、中国PMI51.5でアジア景気は底堅い
日本では第2四半期の設備投資が前年比1.6%増となり、市場予想の0.3%減を大きく上回りました。Reutersによると前期比でも1.5%増で、企業の経常利益は24.6%増の44.7兆円と過去最高でした。AI、半導体、エネルギー関連の投資が景気を支えており、日銀の追加利上げを正当化しやすい材料です。
中国ではRatingDog製造業PMIが51.5と、予想51.1、前月50.9を上回りました。Reutersも中国のS&P Global製造業PMIが51.5へ上昇し、AI・半導体関連需要がアジアの製造業を支えていると伝えています。

ただしアジア株は全面高ではありません。香港ハンセン指数は11時台に1%超下落し、豪ASX200も約2週間ぶり安値でした。原油高によるインフレ・利上げ懸念が、良好な景気指標を相殺しています。
「景気が強い=株高・Gold安」と単純化するより、今は景気の強さが追加利上げを連想させるため、債券市場の反応を経由して各資産に影響すると考える方が整合的です。
豪州は経常赤字272億豪ドル、住宅許可は予想ほど悪くない
豪州の第2四半期経常収支は272億豪ドルの赤字で、予想300億豪ドルの赤字より良い結果でした。7月住宅建設許可は前月比3.6%減でしたが、予想5.0%減ほどの落ち込みではありません。
AUDUSDは11時台に0.7172ドル前後です。豪州では前週のCPI上振れ以降、RBA追加利上げ観測が残っており、原油高も資源国通貨としては支援材料です。一方、豪州株は利上げ警戒から軟調であり、「原油高=豪ドル全面高」という状態でもありません。
豪ドルでは0.7150ドルを維持できるかが短期の確認点です。中国PMI改善と資源価格高が続き、米ドルが伸び悩むなら0.7200ドル方向を試しやすくなります。逆に米ISMが強くドル全面高になる場合は、豪州固有の好材料があっても上値を抑えられる可能性があります。
今晩はISMとJOLTS、昼は日本10年国債入札
本日は12:35 JSTに日本10年利付国債入札、16:00に日銀債券市場サーベイが予定されています。日本10年債利回りが3%目前にあるため、入札の需要が弱ければ金利上昇と円相場の変動が大きくなる可能性があります。
海外では18:00にユーロ圏CPI速報、22:05にバーFRB理事の講演、22:45に米8月製造業PMI確報、23:00に米ISM製造業景況指数とJOLTS求人件数が発表されます。ISMは55.2、JOLTSは731.4万人が予想されています。
米指標が強ければ9月利上げ観測がさらに高まり、米金利上昇・ドル高・Gold安が基本反応です。弱ければ、160円手前で伸び悩むドル円の下押しとGoldの4,500ドル回復を確認します。
本日のトレード戦略
外国為替の戦略
ドル円は159.40〜160.20円を主要監視レンジとします。昨日安値159.48円が最初の下値基準、昨日高値160.20円が上値基準です。
上方向では160.00円を回復し、米10年債利回りが4.78%を上回って推移する場合に160.20円再試行を確認します。160.20円を明確に上抜けば160.50円前後まで値幅が広がる可能性がありますが、円安けん制発言や当局対応のリスクが高まるため、急伸時の追随は避けます。
下方向では159.40円を割り、米10年債利回りも低下する場合に159.10〜159.00円を確認します。158.70円は本日のピボット分析上のローブレイク水準であり、そこまで下げる場合は円買いが単なる調整ではなくなった可能性を考えます。
AUDUSDは0.7150〜0.7200ドルを監視します。0.7170ドル台を維持し中国PMI改善と資源高が続くなら0.7200ドルを確認します。0.7150ドル割れと米ISM上振れが重なる場合は、米ドル要因が豪州固有の支援材料を上回ったと判断します。
無効化条件は、米金利上昇にもかかわらずドルが売られるケースです。米財政や通貨信認への懸念が主役になる場合、通常の金利差モデルをいったん外します。
貴金属の戦略
Goldは4,430〜4,500ドルを短期の中心帯とします。4,450ドル近辺を維持し、米10年債利回りが4.75%を下回る場合は4,480〜4,500ドルの戻りを確認します。4,500ドルを回復して定着すれば、短期の下落圧力が弱まったと判断しやすくなります。
強気シナリオの無効化は4,430ドル割れと米長期金利上昇が同時に進む場合です。原油高でインフレ期待がさらに上がり、米10年債が4.80%を超える場合はGoldの下値余地を警戒します。
Silverは66.50〜67.00ドルを分岐とします。67ドルを回復しGoldも4,500ドルへ戻る場合は貴金属全体の反発として扱えます。一方、66.50ドル割れとアジア株安が続く場合は工業需要の面からGoldより弱くなる可能性があります。
Platinumは1,800ドルが短期の心理的節目です。1,800ドルを維持し中国PMI改善が続くなら1,830〜1,850ドル方向を確認します。1,800ドル割れは短期上昇シナリオの無効化条件です。
原油はBrent91ドルを確認します。92ドル超へ上昇し米金利も上がる場合、Goldにはインフレ・金利経由の逆風が優勢です。逆に原油高でも米金利が低下しGoldが上昇するなら、安全資産需要が金利要因を上回っていると判断します。
引用文献
- Yen hangs near 160 amid BOJ rate-hike bets, dollar wobbles
- Japan, US agreed orderly yen movement critical for market stability, finance minister says
- Bond selloff pressures stocks as oil crosses $91 a barrel
- Oil prices rise as latest fighting resurrects Middle East supply disruption risks
- Global AI boom fuels Asia factory expansion in August
- Japan capital spending gathers pace, bolstering economic outlook and BOJ hike case
- Gold steadies as traders await US jobs data, monitor Mideast tensions
- Gold Rises; Jackson Hole Speech May Limit Near-Term Upside
- 《貴重金屬現貨》亞洲貴重金屬現貨:09/01黃金每盎司為4457.86美元
- 31日の為替市場の四本値(ドル円・ユーロドル・ユーロ円)
- 〖本日の見通し〗ドル円はやや上値が重い展開も、G20、米指標などの動向次第
- 本日の予定〖経済指標〗
- 本日の予定〖発言・イベント〗
- 豪経済指標〖経常収支〗
- アジア株 豪州2週間ぶり安値、原油高が利上げ観測後押し
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