シリーズ「リスク管理と資金管理」全8回の第4回です。
レバレッジは何倍までなら安全か。この問いは答えにくいのですが、言い換えると答えが出ます。
ロスカットまで何円動けるか。これなら計算できます。そして出てきた数字を、実際のドル円の値動きと比べれば、危険かどうかは自分で判断できます。
TL;DR
- 実効レバレッジ10倍で、ロスカットまで9円(900pips)
- 20倍だと1.5円(150pips)。ドル円が1日で動くことがある幅です
- 25倍ちょうどは余力ゼロ。少しでも逆行した瞬間にロスカットされます
- 「何倍まで安全か」ではなく「何円耐えられれば十分か」で考えると決まります
ロスカットまでの距離
ドル円150円、国内口座(レバレッジ上限25倍・必要証拠金4%)、証拠金維持率100%割れでロスカットとします。実効レバレッジは建玉額÷口座資金です。
| 実効レバレッジ | ロスカットまでの下落率 | 値幅 | pips |
|---|---|---|---|
| 1 倍 | 96.00% | 144.00 円 | 14,400 |
| 2 倍 | 46.00% | 69.00 円 | 6,900 |
| 3 倍 | 29.33% | 44.00 円 | 4,400 |
| 5 倍 | 16.00% | 24.00 円 | 2,400 |
| 10 倍 | 6.00% | 9.00 円 | 900 |
| 15 倍 | 2.67% | 4.00 円 | 400 |
| 20 倍 | 1.00% | 1.50 円 | 150 |
| 25 倍 | 0.00% | 0.00 円 | 0 |
下のほうの落ち方が急です。10倍から20倍へ、レバレッジは2倍になっただけですが、耐えられる幅は9円から1.5円へ、6分の1になります。
25倍がゼロなのは計算間違いではありません。上限いっぱいに建てると必要証拠金と有効証拠金が一致するので、余力が残っていない状態です。
1.5円は大きいか
ここが判断の分かれ目です。ドル円が1.5円動くのは珍しいことではありません。米雇用統計やFOMC、日銀会合の当日には普通に起きます。介入が入れば数円が数分で動きます。
つまり実効20倍でポジションを持つということは、指標を1つまたいだらロスカットされうる状態で持つということです。方向が最終的に合っていたかどうかは関係ありません。途中で切られたら終わりです。
逆に10倍なら9円あります。9円動く日はほとんどありませんが、数週間かけてなら十分あり得ます。ポジションを持つ期間で判断が変わります。
25倍と実効レバレッジは別物
国内口座の「25倍」は上限であって、実際にその倍率で建てる必要はありません。資金100万円で1万通貨(150万円分)を持てば実効1.5倍です。
混同されやすいのですが、危険なのは口座の上限ではなく自分が実際に何倍で建てているかです。25倍の口座で1.5倍で運用することも、10倍の口座で9倍まで建てることもできます。後者のほうがずっと危ない。
海外口座の500倍・1000倍が問題視されるのも同じ理屈です。倍率そのものではなく、その倍率で建ててしまう人がいることが問題です。
まず何をするか
- いま持っているポジションの建玉額 ÷ 口座資金 を計算する。これが実効レバレッジ
- 上の表で、ロスカットまで何円動けるかを確認する
- その値幅が、保有予定期間に起こりうるかを考える
- 起こりうるなら、ロットを落とすか保有期間を短くする
2番目までは1分で終わります。多くの場合、自分が思っていたより実効レバレッジが高いことに気づきます。
証拠金維持率の計算式、両建てや複数ポジション時の必要証拠金、追証とロスカットの違いは、基礎コースの「レバレッジと証拠金」で数字を追って説明しています。


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